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電圧源と電流源の等価変換

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負荷(回路)に電圧を供給する電源を電圧源、負荷(回路)に電流を供給する電源を電流源といいます。

 

電圧源 電流源

 

回路図中の $r_v$ は電圧源の内部抵抗( $r_v$[$\Omega$])、$r_i$ は電流源の内部抵抗( $r_i$[$\Omega$])です。

 

電圧源と電流源は相互に等価変換でき、電圧源は負荷に対して同じ働きをする電流源に、電流源は負荷に対して同じ働きをする電圧源に等価変換できます。

 

電圧源と電流源は相互に等価変換できる

 

このページでは、電圧源と電流源が等価になるための条件(同じ働きをする回路になるための条件)と、電圧源と電流源の等価変換のやり方について解説します。

 

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電圧源と電流源が等価になるための条件

電圧源と電流源が等価であるためには、電圧源と電流源それぞれに同じ負荷を接続したときに、どちらの負荷にも同じ電流が流れなければなりません。

 

電圧源と電流源が等価であるための条件

 

同じ負荷に同じ電流が流れると、負荷には同じ電圧がかかることになります。なので、電流が同じなら電圧も同じになります。

 

このことから、電圧源と電流源が等価になるための条件を求めてみましょう。

 

まず初めに、電圧源に負荷として抵抗 $R$ を接続した場合の抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$ を求めてみます。

 

電圧源に抵抗 $R$ を接続すると、次のような回路になりますね。

 

電圧源に抵抗を接続した回路

 

この回路において抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$ は、回路の合成抵抗が $r_v+R$ なので、

 

$\therefore I_R=\dfrac{V}{r_v+R}$ …① (電圧源に抵抗 $R$ を接続したときの抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$

 

になります。

 

次に、電流源に負荷として抵抗 $R$ を接続した場合の抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$ を求めてみます。

 

電流源に抵抗 $R$ を接続すると、次のような回路になりますね。

 

電流源に抵抗を接続した回路

 

この回路において抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$ は、分流の公式より、

 

$I_R=\dfrac{r_i}{r_i+R} I$

 

$\therefore I_R=\dfrac{r_i\, I}{r_i+R}$ …② (電流源に抵抗 $R$ を接続したときの抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$

 

になります。

 

分流の公式については、こちらの直流回路の計算(分圧と分流)のページを参考にしてみてください。

 

このとき、電圧源と電流源が等価であるためには、「電圧源に抵抗 $R$ を接続したときの抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$(①式)」と「電流源に抵抗 $R$ を接続したときの抵抗 $R$ に流れる電流 $I_R$(②式)」が等しくならなければなりません。

 

電圧源と電流源が等価であるためには電流が等しくなければならない

 

したがって①式と②式より、任意の抵抗 $R$ に対して電圧源と電流源が等価になるための条件は、

 

$V=r_i\, I$ …③
$r_i=r_v$ …④

 

となります。(電圧源と電流源が等価になるためには、③と④両方の条件が必要です。)

 

以上で電圧源と電流源が等価になるための条件が求められたので、つづいて、電圧源と電流源の等価変換をやってみましょう!

 

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電圧源と電流源の等価変換のやり方

電圧源を電流源に等価変換する

次の図のように、電圧源に抵抗 $R$ の負荷が接続された回路があるとします。

 

電圧源に抵抗Rの負荷が接続された回路

 

この電圧源を電流源に等価変換してみます。

 

電圧源と電流源が等価になるための条件は、

 

$V=r_i\, I$ …③
$r_i=r_v$ …④

 

でしたので、④を③式に代入すると $V=r_v\, I$ となり、これより等価変換後の電流源の $I$ は、

 

$\therefore I=\dfrac{V}{r_v}$ …⑤ (等価変換後の電流源の $I$

 

となります。また、④式より $r_i=r_v$ なので、等価変換後の電流源は次のようになります。

 

等価変換前の電圧源と等価変換後の電流源

 

このように、電圧源と電流源が等価になるための条件を使うと、電圧源を電流源に等価変換することができます。

 

もうちょっと具体的に、数値でも計算してみますか。

 

電圧源の $V$ を $1.5\,\mathrm{V}$、電圧源の内部抵抗 $r_v$ を $0.5\,\Omega$ として、この電圧源を電流源に等価変換する場合は、⑤式より、

 

$I=\dfrac{V}{r_v} =\dfrac{1.5}{0.5} =3$  $\therefore I=3\,\mathrm{A}$

 

となり、④式より、

 

$r_i=r_v=0.5$  $\therefore r_i=0.5\,\Omega$

 

となります。したがって、等価変換後の電流源は次のようになります。

 

等価変換前の電圧源と等価変換後の電流源

 

電流源を電圧源に等価変換する

次は反対に、電流源を電圧源に等価変換してみます。

 

次の図のように、電流源に抵抗 $R$ の負荷が接続された回路があるとします。

 

電流源に抵抗Rの負荷が接続された回路

 

この電流源を電圧源に等価変換してみます。

 

電圧源と電流源が等価になるための条件は、

 

$V=r_i\, I$ …③
$r_i=r_v$ …④

 

でしたので、③式より等価変換後の電圧源の $V$ は、

 

$\therefore V=r_i\, I$ (等価変換後の電圧源の $V$

 

となります。また、④式より $r_v=r_i$ なので、等価変換後の電圧源は次のようになります。

 

等価変換前の電流源と等価変換後の電圧源

 

このように、電圧源と電流源が等価になるための条件を使うと、電流源を電圧源に等価変換することができます。

 

もうちょっと具体的に、数値でも計算してみますか。

 

電流源の $I$ を $3\,\mathrm{A}$、電流源の内部抵抗 $r_i$ を $0.5\,\Omega$ として、この電流源を電圧源に等価変換する場合は、③式より、

 

$V=r_i\, I =0.5\times 3=1.5$  $\therefore V=1.5\,\mathrm{V}$

 

となり、④式より、

 

$r_v=r_i=0.5$  $\therefore r_v=0.5\,\Omega$

 

となります。したがって、等価変換後の電圧源は次のようになります。

 

等価変換前の電流源と等価変換後の電圧源

 

以上のように、電圧源と電流源が等価になるための条件を使うと、電圧源と電流源を相互に等価変換することができます。

 

ちなみに、電圧源が内部抵抗 $0\,\Omega$ の定電圧源(理想電圧源)、電流源が内部抵抗 $\infty$[$\Omega$]の定電流源(理想電流源)の場合は等価変換ができません。

 

定電圧源(理想電圧源)について詳しくはこちらの定電圧源のページ、定電流源(理想電流源)について詳しくはこちらの定電流源のページを参考にしてみてください。

 

電圧源と電流源の等価変換のまとめ
  • 電圧源と電流源が等価になるための条件
    $V=r_i\, I$
    $r_i=r_v$

 

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