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第二種電気工事士技能試験の候補問題の複線図の基本的な書き方
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技能試験の勉強(練習)を進めるためには、まず初めに、電気技術者試験センターから毎年公表される全13問の候補問題(単線図)を複線図に直せなければなりません。
候補問題は上期試験と下期試験で共通で全部で13問あり、試験では13問のうちのどれか1問が出題されます。
複線図の書き方は初めはよく分からないかもしれませんが、複線図には複線図を書くための基本的な手順(複線図を書いていく順番)があって、その手順に沿って書いていけば複線図を簡単にスイスイ書けるようになります。
「複線図を書くときは書く手順(順番)を守る」というのが複線図を簡単に正しく書くコツで、書く手順を常に守って書いていくことで複線図の書き方を早くおぼえることができます。
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それで書く手順ですが、複線図を書くときの基本的な手順は、次のようになります。
複線図を書くときの基本的な手順
❶単線図に書かれている電源、器具などを同じ配置で書きます。
❷電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます。
❸電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます。
❹スイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます。
❺電線を接続するところ(VVF用ジョイントボックスとアウトレットボックス)を○または□で囲みます。(VVF用ジョイントボックスは○、アウトレットボックスは□)
❻リングスリーブで接続するところには●、差込形コネクタで接続するところには■を書きます。
❼電源の接地側につながっている線に「シ」(白色の電線の意味)と書きます。
❽電源の非接地側につながっている線に「ク」(黒色の電線の意味)と書きます。
❾電線の色が書かれていないところに残りの電線の色を書きます。
複線図を書くときの基本的な手順は以上で、どの候補問題もこの手順が基本になります。
「う〜ん、めんどくさそうだな〜。」
と思うかもしれませんが、何度か書いてみて慣れてくるとスイスイ書けるようになるので、何度も繰り返し複線図を書く練習をしてみましょう。
また、技能試験の問題用紙には「施工条件」が記載されています。
施工条件とは簡単にいえば、このように施工してくださいね!という施工する(実際に作る)ときの条件で、この条件に従わないと不合格!になってしまいます。
例えば、過去のある年度に出題された試験問題の施工条件は、次のようなものでした。
この施工条件を見ると分かるように、施工条件で、
- 配線、器具の配置
- 機器の代用方法
- 電線の色別
- 電線の接続方法
などが指示されています。
これらの施工条件を満たさないものを作ってしまうと、アウト!です。つまり、不合格。
施工条件を読まずに施工してしまったために不合格になった人もいるので、技能試験の練習をするときは、複線図を書く前に必ず施工条件を読むようにしましょう。
それから施工条件には、試験本番の問題用紙を見るまでは分からないものもあります。なので、技能試験対策用の参考書に書かれている施工条件(想定で書かれている)と試験のときの問題用紙に書かれている施工条件が異なる場合もあるので気を付けましょう。(施工条件をきちんと読めば大丈夫!)
施工条件については、こちらの技能試験の施工条件の解説を参考にしてみてください。
それでは次に、単線図をどのようにして複線図にするのか? 簡単な単線図を例にして複線図を書いてみます。
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簡単な単線図を複線図にしてみよう!
次のような簡単な単線図を複線図にしてみようと思います。
この単線図は、電源が単相2線式100V(1Φ2W100V)で、「イ」のスイッチをONすると「イ」のランプレセプタクルと引掛シーリング(角形、施工省略)がONする回路です。ついでに、コンセントも入れておきました。
この単線図を複線図を書くときの手順通りに書いて複線図に直してみます。
ここで、複線図を書く条件(電線の接続方法)は次のようにします。
電線の接続方法(ここでの仮定条件)
- 左側のVVF用ジョイントボックスではリングスリーブによる接続とする
- 右側のVVF用ジョイントボックスでは差込形コネクタによる接続とする
❶ 単線図に書かれている電源、器具などを同じ配置で書きます
単線図の配置そのままで電源、器具などを書きます。
複線図は電線一本一本のつながりが分かるように書くものなので、電源は接地側と非接地側を区別できるように、接地側を「N(シ)」、非接地側を「L(ク)」と書きます。
N(シ)の「シ」は電線の絶縁被覆の色が「白色」、L(ク)の「ク」は電線の絶縁被覆の色が「黒色」を表わします。(慣れてきたら「(シ)」と「(ク)」は書かずに、「N」「L」だけでもいいです。)
スイッチは、電線を接続する端子が分かるようにスイッチっぽい図で書きます。
それから、施工省略のところは、施工省略部分が分かるように単線図と同じように点線(一点鎖線)で囲っておきます。この点線が意外に大事で、点線を書かないで施工すると、作らなくてもいいのに間違って作ってしまったりして、がっかりしますよ。
少しでも時間短縮したい人は「施工省略」とわざわざ書かなくてもいいですが、点線だけは必ず書きましょう。
スイッチと器具の対応を表わすカタカナの「イ」も忘れずに書きましょう。
❷ 電源の接地側(N(シ))をスイッチ以外の器具につなげます
電源の接地側(N(シ))をスイッチ以外の器具につなげます。
この場合のスイッチ以外の器具は「ランプレセプタクル」「引掛シーリング(角形、施工省略)」「コンセント」なので、電源の接地側(N(シ))からランプレセプタクルと引掛シーリングとコンセントに線をつなげます。
このときに気を付けてほしいのですが、線がつながるところには線のつながりを表わす「●」を必ず書きましょう。線のつながりを表わす「●」を書かずに複線図を書き進めると、線のつながりが分からなくなって混乱してしまいます。試験のときに「●」を書き忘れていると最後の方で焦っちゃいますよ!
❸ 電源の非接地側(L(ク))をスイッチとコンセントにつなげます
電源の非接地側(L(ク))をスイッチとコンセントにつなげます。
電源の非接地側(L(ク))からスイッチとコンセントに線をつなげます。
このときも、線のつながりを表わす「●」を書き忘れないように注意しましょう!(これ大事です!)
それから、スイッチ(埋込連用タンブラスイッチ)には極性がないので、スイッチに電源の非接地側電線(黒線)を結線するときは、スイッチのどちら側の端子に黒線を結線してもかまいません。
なので、複線図でスイッチ(埋込連用タンブラスイッチ)に電源の非接地側(L(ク))をつなぐときも、電源の非接地側をスイッチの図のどちら側につないでもかまいません。(スイッチの図のどっちがナニナンダ?は、考える必要はありません。)
❹ スイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます
スイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます。
「イ」のスイッチに対応する器具は「イ」のランプレセプタクルと「イ」の引掛シーリングなので、「イ」のスイッチからランプレセプタクルと引掛シーリングに線をつなげます。
しつこいようですが、ここでも線のつながりを表わす「●」を書き忘れないように注意しましょう!
❺ 電線を接続するところを○または□で囲みます
電線を接続するところを○または□で囲みます。
電線を接続するところとはVVF用ジョイントボックスまたはアウトレットボックス部分のことで、電線はVVF用ジョイントボックスまたはアウトレットボックスのところで接続されます。
この場合は電線を接続するところが2箇所あって、どちらもVVF用ジョイントボックスなので○で囲みます。
ちょっと補足ですが、技能試験ではVVF用ジョイントボックスは支給されないので、VVF用ジョイントボックスの取り付けは省略されます。一方、アウトレットボックスは支給されるので、アウトレットボックスがある課題の場合には、アウトレットボックスを取り付けなければなりません。
たまに「VVF用ジョイントボックスがありません!」と言う人がいますが、VVF用ジョイントボックスは間違いなくありません。
ちなみに、VVF用ジョイントボックスとアウトレットボックスは、こういうのです。
❻ リングスリーブ接続には●、差込形コネクタ接続には■を書きます
電線をリングスリーブで接続するところには●を、差込形コネクタで接続するところには■を書きます。
ここでは左側のVVF用ジョイントボックスでの接続はリングスリーブによる接続、右側のVVF用ジョイントボックスでの接続は差込形コネクタによる接続と仮定しているので、左側の電線を接続するところには●を、右側の電線を接続するところには■を書きます。
このときに、電線を2本だけ接続するところに●または■を書き忘れる人が多いので気を付けましょう!
❼ 電源の接地側(N(シ))につながっている線に「シ」と書きます
電源の接地側(N(シ))につながっている線に「シ」と書きます。
この「シ」の意味は電線の絶縁被覆の色が白色という意味で、電源の接地側(N(シ))につながる電線の色は白色になります。
電源の接地側(N(シ))からたどっていって、つながっている線にだけ「シ」と書けばいいです。
複線図に電線の色を書いていくときは、
❶電源の接地側(N(シ))につながっている線に「シ」
❷電源の非接地側(L(ク))につながっている線に「ク」
❸電線の色が書かれていないところに残りの電線の色
の順番で書きます。
書く順番(手順)を守ることが複線図を間違えずに正確に書くコツですので、電線の色を書くときもこの順番を必ず守りましょう。
❽ 電源の非接地側(L(ク))につながっている線に「ク」と書きます
電源の非接地側(L(ク))につながっている線に「ク」と書きます。
この「ク」の意味は電線の絶縁被覆の色が黒色という意味で、電源の非接地側(L(ク))につながる電線の色は黒色になります。
電源の非接地側(L(ク))からたどっていって、つながっている線にだけ「ク」と書けばいいです。
❾ 電線の色が書かれていないところに残りの電線の色を書きます
電線の色がまだ書かれていないところに残りの電線の色を書けば完成です。
2心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色」、3心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色と赤色」なので、まだ使われていない残りの電線の色を書けばいいです。
以上で、複線図が完成しました!
完成図中の小は、リングスリーブの圧着マーク(刻印)です。
複線図を書くときには書く手順があって、その手順を守って書けば誰でも簡単に書けるので、頑張って複線図の書き方をおぼえましょう!
それから、技能試験の練習を進めるためには、まず複線図が書けないとどうにもなりませんので、技能試験の練習を効率よく進めるためにも複線図の書き方は早めにおぼえておいた方がいいですよ。
- 複線図を書くときは書く手順を守ろう!
- 施工条件を必ず確認しよう!
2024年度の技能試験対策におすすめ!
2024年度の技能試験対策におすすめです!
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令和6年度の各候補問題の複線図の書き方はこちら
⇒ 令和6年度 第二種電気工事士技能試験の候補問題の複線図の書き方
令和6年度の各候補問題の単線図の解説はこちら
⇒ 令和6年度 第二種電気工事士技能試験の候補問題の単線図の解説
技能試験の施工条件についてはこちら
⇒ 第二種電気工事士技能試験の施工条件
リングスリーブと圧着マーク(刻印)についてはこちら
⇒ 技能試験で使うリングスリーブの種類と圧着工具の適切なダイス
で解説していますので参考にしてみてください。
技能試験用のおすすめ参考書はこちら
⇒ 第二種電気工事士おすすめの参考書(技能試験用)
技能試験用のおすすめ材料セットはこちら
⇒ 第二種電気工事士技能試験の練習用おすすめ材料セット(電線と器具のセット)
技能試験用のおすすめ工具セットはこちら
⇒ 第二種電気工事士技能試験用おすすめ工具セット
のページで紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
このページに掲載の施工条件は、(一財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士技能試験の問題の施工条件です。
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