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第二種電気工事士技能試験の欠陥と欠陥の判断基準
※ページ内にPR・広告が含まれる場合があります。
第二種電気工事士技能試験の合否は、作品の欠陥の有無の判定結果に基づき、試験委員会で決定されます。
欠陥のない作品が合格!となりますので、技能試験の本番では、欠陥はなんとしても避けなければなりません!
このページでは、第二種電気工事士技能試験で欠陥になる欠陥の例(主なもの)と、欠陥と判定する判断基準についてまとめてみましたので、技能試験の勉強に活用してみてください。
これはやっちゃダメなんだ〜? とかは、事前に確認しておいた方がいいと思いますので、技能試験を受験する方はこのページを一通り読んで、欠陥ゼロ!を目指して頑張って練習しましょう。
それから、試験のときは問題用紙に記載されている施工条件をよく読み、施工条件に必ず従うようにしましょう!(←これ大事!)
施工条件に従わないと、欠陥!になっちゃいますよ。
では、本題の第二種電気工事士技能試験の欠陥と欠陥の判断基準です。
平成29年度から技能試験の合否の判定基準が変わったよ!
平成29年度(2017年度)からの技能試験では、これまであった重大な欠陥(重大欠陥)と軽微な欠陥(軽欠陥)という欠陥の区別がなくなり、すべて「欠陥」という一括りになりました。
欠陥のない作品が合格!とされていますので、欠陥が1つでもあると不合格になるので注意しましょう!
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未完成のもの
未完成なんですけど!
未完成のものは欠陥になります。って当たり前ですね。課題が完成していなかったら採点される以前の問題で、採点のしようもありませんので。
例としては、作業が完了していない、電線が接続されていない、結線されるべき電線が結線されていない、コンセントやスイッチを取り付ける取付枠が取り付けられていないなどです。
ちなみに、取付枠については、施工条件で取り付け箇所を指定される場合があります。取付枠の取り付け箇所を間違えると欠陥になるので気を付けましょう!
配置、寸法、接続方法等の相違
配線や器具の配置が配線図と違うんですけど!
配線や器具の配置が配線図と相違していると欠陥になります。
試験なので、
問題の指示に従わない人は不合格ですよ!
ということです。試験なので当たり前のことです。
寸法が配線図に示されている施工寸法の50%以下になってるんですけど!
寸法(器具の中心から器具の中心までの寸法)が、配線図に示されている施工寸法の50%以下になっていると欠陥になります。
例えば上の配線図の例では、引掛シーリングとVVF用ジョイントボックス間の施工寸法が「150mm」なので、ここの寸法(引掛シーリングの中心からVVF用ジョイントボックスの中心までの寸法)を
75mm以下(50%以下)で作ってしまうと欠陥!
と判定されてしまいます。
ケーブルを切断するときは、切断寸法を間違えないように気を付けましょう!
技能試験では、VVF用ジョイントボックスの取り付けは省略されます。
施工寸法の50%の大きさで作るとどんな感じになるのか、見てみたい方はこちらの第二種電気工事士技能試験の課題を施工寸法50%で作ってみたのページを参照してみてください。
電線の種類が配線図と違うんですけど!
電線の種類が配線図と相違していると欠陥になります。
電線は、配線図に示されている通りの種類の電線を使わなければなりません。
これも、
問題の指示に従わない人は不合格ですよ!
ということです。
電線の接続方法が施工条件と違うんですけど!
電線の接続方法が施工条件に相違していると欠陥になります。
第二種電気工事士技能試験での電線の接続方法には「リングスリーブによる接続」と「差込形コネクタによる接続」がありますが、どこを何で接続するかは施工条件で指示されます。
ですので、
施工条件で指示された接続方法に従って電線を接続しなければなりません、よ!
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誤接続、誤結線のもの
接続や結線を間違えてしまった!
誤接続、誤結線のものは欠陥になります。
リングスリーブや差込形コネクタで電線を接続するときに誤った電線どうしを接続してしまったり、器具や端子台などに誤った結線をしてしまうと誤接続や誤結線になります。
誤接続や誤結線は実際に電線を接続する作業のときだけにやってしまうものでもなく、複線図を書き間違えても誤接続や誤結線の原因になりえます。
間違った複線図を書いてしまうと、そのまま間違ったモノを作ってしまうことになりますので気を付けるようにしましょう!
電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの
電源からの接地側電線に白色以外の電線を使ってしまった!
電源からの接地側電線に白色以外の電線を使うと欠陥になります。
接地側電線(電源の接地側につながる電線)には、次のように白色の電線を使います。
電源から点滅器までの非接地側電線に黒色以外の電線を使ってしまった!
電源から点滅器までの非接地側電線に黒色以外の電線を使うと欠陥になります。
電源から点滅器までの非接地側電線には、次のように黒色の電線を使います。
電源からコンセントなどの器具までの非接地側電線にも黒色の電線を使います。
ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子に白色以外の電線を結線してしまった!
ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子に白色以外の電線を結線すると欠陥になります。
コンセントの接地側極端子に白色以外の電線を結線してしまった!
コンセントの接地側極端子に白色以外の電線を結線すると欠陥になります。
引掛シーリングの接地側極端子に白色以外の電線を結線してしまった!
引掛シーリングの接地側極端子に白色以外の電線を結線すると欠陥になります。
配線用遮断器の接地側極端子(N端子)に白色以外の電線を結線してしまった!
配線用遮断器の接地側極端子(N端子)に白色以外の電線を結線すると欠陥になります。
配線用遮断器が端子台で代用される場合にも、接地側極端子(N端子)に白色の電線を結線しなければなりません。
接地線に緑色以外の電線を使ってしまった!
接地線に緑色以外の電線を使うと欠陥になります。
接地線には、次のように緑色の電線を使います。(写真は接地極付接地端子付コンセントの場合の例です。)
三相200V回路の電線の色を間違えてしまった!
三相200V回路の電線の色が施工条件で指示されたときには、その施工条件に従っていないと欠陥になります。
施工条件に従わない人は不合格ですよ!
ということです。
例えば、施工条件で「R相に赤色、S相に白色、T相に黒色を使用する」と指示された場合には、次のように電線を端子台に結線します。
電線の損傷
ケーブルを折り曲げると絶縁被覆が見えるんですけど!
ケーブルを折り曲げたときに絶縁被覆が露出するものは欠陥になります。
ケーブル外装が縦に20mm以上割れているんですけど!
ケーブル外装の縦割れが20mm以上のものは欠陥になります。
電線を折り曲げると心線が見えるんですけど!
電線を折り曲げたときに心線が露出するものは欠陥になります。
写真のように心線が見えてしまうとダメです。
電線の損傷に関するその他の欠陥の例
- VVRの介在物が抜けたもの
- 心線を折り曲げたときに心線が折れる程度の傷があるもの
リングスリーブ(E形)による圧着接続部分の欠陥
リングスリーブの種類を間違えてしまった!
リングスリーブの選択を誤ったものは欠陥になります。
第二種電気工事士技能試験で使うリングスリーブには、「小」と「中」の2種類があります。
接続する電線の太さと本数の組合せでどちらのリングスリーブを使うかが決まりますので、間違えないようにしましょう。
リングスリーブに刻印された圧着マークが正しくないんですけど!
圧着マークが不適正のものは欠陥になります。
例えば下の写真では、太さ(直径)が1.6mmの電線を2本接続しているので、リングスリーブに刻印される圧着マークは「○」でなければなりませんが、「小」と刻印されています。
接続する電線の太さや本数の組合せで使うリングスリーブの種類とダイスが決まりますので、間違えないようにしましょう。
電線を接続するときに使うリングスリーブの種類と適切なダイスについては、こちらのリングスリーブの種類と圧着工具の適切なダイスのページにまとめていますので参考にしてみてください。
リングスリーブの上端から心線が5mm以上出てるんですけど!
リングスリーブの上端から心線が5mm以上露出していると欠陥になります。
リングスリーブの下端から心線が10mm以上出てるんですけど!
絶縁被覆の剥き過ぎなどで、リングスリーブの下端から心線が10mm以上露出していると欠陥になります。
絶縁被覆の上から圧着してしまった!
絶縁被覆の上から圧着したものは欠陥になります。
白色の電線は問題ありませんが、黒色の電線ではリングスリーブが絶縁被覆を噛んでいます。
リングスリーブ(E形)による圧着接続部分に関するその他の欠陥の例
- リングスリーブを破損したもの
- リングスリーブの先端または末端で、圧着マークの一部が欠けたもの
- 1つのリングスリーブに2つ以上の圧着マークがあるもの
- 1箇所の接続に2個以上のリングスリーブを使用したもの
- リングスリーブを上から目視して、接続する心線の先端が1本でも見えないもの
- ケーブル外装のはぎ取り不足で、絶縁被覆が20mm以下のもの
差込形コネクタによる差込接続部分の欠陥
差込形コネクタの先端部分に心線の先が見えないんですけど!
差込形コネクタの先端部分を真横から目視して心線が見えないものは欠陥になります。
差込形コネクタの下端部分から心線がはみ出ているんですけど!
差込形コネクタの下端部分を真横から目視して心線が見えるものは欠陥になります。
器具への結線部分(ねじ締め端子の器具※への結線部分)の欠陥
※端子台、配線用遮断器、ランプレセプタクル、露出形コンセントなど。
電線を引っ張ると外れるんですけど!
電線を引っ張ると外れるものは欠陥になります。
心線をねじで締め付けていないんですけど!
心線をねじで締め付けていないものは欠陥になります。
端子台の端から心線が5mm以上出てるんですけど!
端子台の端から心線が5mm以上露出していると欠陥になります。
配線用遮断器の端から心線が5mm以上出てるんですけど!
配線用遮断器の端から心線が5mm以上露出していると欠陥になります。
ランプレセプタクルのねじの端から心線が5mm以上出てるんですけど!
ランプレセプタクルのねじの端から心線が5mm以上露出していると欠陥になります。
ねじで絶縁被覆を締め付けてしまった!
ねじで絶縁被覆を締め付けると欠陥になります。
配線用遮断器、露出形コンセントに結線するときも、ねじで絶縁被覆を締め付けると欠陥になります。
台座の上からケーブルを結線してしまった!
ランプレセプタクルへの結線で、ケーブルを台座のケーブル引込口を通さずに結線したものは欠陥になります。
露出形コンセントに結線するときも、台座の上からケーブルを結線すると欠陥になります。
ケーブル外装が台座の中まで入っていないんですけど!
ランプレセプタクルへの結線で、ケーブル外装が台座の中まで入っていないものは欠陥になります。
露出形コンセントの場合も、ケーブル外装が台座の中まで入っていないと欠陥になります。
ランプレセプタクルに結線するための「のの字(輪づくり)」がちゃんと作れてないんですけど!
ランプレセプタクルに結線するための「のの字」が適切に作られていないと欠陥になります。
「のの字」が巻き付け不足になっていたり、重なっていたり、左巻きになっていたりするとダメです。
下の写真のように、心線がねじの端から5mm以上はみ出していても欠陥になります。
露出形コンセントの場合も、「のの字」部分が巻き付け不足、重ね巻き、左巻き、はみ出しになっていると欠陥になります。
カバーが締まらないんですけど!
ランプレセプタクルのカバーが締まらないように作ってしまうと欠陥になります。
技能試験ではランプレセプタクルのカバーは支給されませんが、カバーが締まらないように作ってしまうと欠陥になってしまいます。
露出形コンセントの場合も、カバーが締まらないように作ってしまうと欠陥になります。
器具への結線部分(ねじなし端子の器具※への結線部分)の欠陥
※埋込連用タンブラスイッチ(片切、3路、4路)、埋込連用コンセント、パイロットランプ、引掛シーリングなど。
電線を引っ張ると外れるんですけど!
電線を引っ張ると外れるものは欠陥になります。
埋込連用タンブラスイッチの差込口から心線がはみ出ているんですけど!
埋込連用タンブラスイッチなどの場合は、差込口から心線が2mm以上露出していると欠陥になります。
埋込連用コンセント、埋込連用パイロットランプなどの場合も、差込口から心線が2mm以上露出していると欠陥になります。
引掛シーリングの差込口から心線がはみ出ているんですけど!
引掛シーリングの場合は、差込口から心線が1mm以上露出していると欠陥になります。
引掛シーリングの台座から絶縁被覆がはみ出ているんですけど!
引掛シーリングへの結線で、台座の下端から絶縁被覆が5mm以上露出しているものは欠陥になります。
金属管工事部分の欠陥
構成部品が正しい位置に取り付けられていないんですけど!
構成部品が正しい位置に使用されていないと欠陥になります。
ねじなしボックスコネクタの止めねじをねじ切っていないんですけど!
ねじなしボックスコネクタの止めねじをねじ切っていないと欠陥になります。
止めねじはちゃんとねじ切りましょう!
ボンド工事をしていないんですけど!
ボンド工事をしていないと欠陥になります。
金属管とジョイントボックス(アウトレットボックス)とを電気的に接続する際のボンド線は、下の写真のように取り付けます。
第二種電気工事士技能試験では、ボンド工事(金属管とジョイントボックス(アウトレットボックス)とを電気的に接続する作業)は省略される場合もあります。
金属管工事部分に関するその他の欠陥の例
- 管を引っ張って外れるもの
- 絶縁ブッシングが外れているもの
- 管とボックスとの接続部分を目視して隙間があるもの
- 施工条件に相違してボンド線以外の電線で結線したもの
- ボンド線を引っ張って外れるもの
- ボンド線をねじで締め付けていないもの
- 接地用取付ねじ穴以外に取り付けたもの
- ボンド線がねじなしボックスコネクタの接地用端子の他端から出ていないもの
- ボンド線を正しい位置以外に取り付けたもの
合成樹脂製可とう電線管工事部分の欠陥
構成部品が正しい位置に取り付けられていないんですけど!
構成部品が正しい位置に使用されていないと欠陥になります。
管とボックスとの接続が緩いんですけど!
管とボックスとの接続が緩く、管とボックスとの接続部分を目視して隙間があると欠陥になります。
合成樹脂製可とう電線管工事部分に関するその他の欠陥の例
- 管を引っ張って外れるもの
取付枠部分の欠陥
取付枠を裏返しにしてしまった!
取付枠を裏返しにして配線器具を取り付けたものは欠陥になります。
取付枠の表と裏を間違えないようにしましょう!
写真の取付枠の場合、表側に「上」とか、「Panasonic」とか書いてあります。
配線器具の取り付けが緩いんですけど!
配線器具の取り付けが緩く、配線器具を引っ張ると外れるものは欠陥になります。
器具はしっかり取り付けましょう!
取付枠部分に関するその他の欠陥の例
- 取付枠を指定した箇所以外で使用したもの
- 配線器具が1個の場合に、取付枠の中央以外に取り付けたもの
- 配線器具が2個の場合に、取付枠の中央に取り付けたもの
- 配線器具が3個の場合に、取付枠の中央に指定した器具以外を取り付けたもの
その他の欠陥
- 支給品以外の材料を使用したもの
- 不要な工事、余分な工事または用途外の工事を行ったもの
- ゴムブッシングの使用が適切でないもの
・ゴムブッシングを使用していないもの
・ボックスの穴の径とゴムブッシングの大きさが相違しているもの - 器具を破損させたもの(ただし、ランプレセプタクル、引掛シーリング、露出形コンセントの台座の欠けについては欠陥としない)
第二種電気工事士技能試験で欠陥にならない例
ランプレセプタクルなどの台座の欠け
ランプレセプタクル、露出形コンセント、引掛シーリングの台座の欠けについては、欠陥になりません。
リングスリーブなどの追加支給
技能試験のときに電線や器具などの材料は追加支給してもらうことができませんが、
- ランプレセプタクル用端子ねじ
- 露出形コンセント用端子ねじ
- リングスリーブ
- 差込形コネクタ
については、追加支給してもらえます。
試験開始前に支給される材料箱の中にはリングスリーブの予備品も入っていますが、予備品も使ってしまった場合には試験監督員の方に申し出て追加支給してもらいましょう。
第二種電気工事士技能試験の欠陥と欠陥の判断基準のまとめ
欠陥のないものが合格!
問題、配線図、施工条件に従っていないと不合格!
電気技術者試験センターから、技能試験の概要や欠陥についてポイントをまとめた「技能試験の概要と注意すべきポイント」が公表されています。技能試験を受験する方はこちらも一通り読んでおくといいと思います。
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このページに掲載の配線図は、(一財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士技能試験の試験問題の配線図です。
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