スポンサーリンク



交流回路のインピーダンス

ページ内にPR・広告が含まれる場合があります。

交流回路のインピーダンスとは、交流回路で電流を妨げる働きを持つもので、ここまでで勉強してきた抵抗、リアクタンスをひっくるめた総称みたいなものとおぼえておけばいいでしょう。

 

ただし、電気回路が直流の場合は、ふつう、インピーダンスとは言いませんよ。(それじゃ、何て言うの…。)

 

電圧を $V$[$\mathrm{V}$]、電流を $I$[$\mathrm{A}$]、インピーダンスを $Z$[$\Omega$]とすると、それぞれ次の式が成り立ちます。

 

$\therefore V=I\times Z$ [$\mathrm{V}$]

 

$\therefore I=\dfrac{V}{Z}$ [$\mathrm{A}$]

 

$\therefore Z=\dfrac{V}{I}$ [$\Omega$]

 

これらの式をじ〜っとみてると気づきますよね?

 

オームの法則の式で $R$ を $Z$ に置き換えたものですよね?

 

インピーダンスって言葉は難しそうですが、いがいになんてことはないですよね。

 

 

合成インピーダンス

続いて次は合成インピーダンスです。

 

似たものに「合成抵抗」があります。だいたい同じようなものなのですが、インピーダンスの場合はちょっと違います。

 

例えば、直流回路で直列接続された抵抗の合成抵抗を求めるときは、ただ足すだけです。

 

これは交流回路(インピーダンス)の場合でも同じく、ただ足すだけです。

 

直列接続の抵抗の合成インピーダンス

 

でも、交流回路では、コイルとコンデンサがあります。

 

例えば、次のように抵抗とコイルが直列に接続されている回路があるとして、この2つをただ足すと、

 

ただ足すとアウト!

 

かなりアウトというより、ぜんぜんダメ!

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

この場合、直角三角形を書いて合成インピーダンスを求めます。

 

分かりやすいように、抵抗の大きさを $6\,\Omega$、コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)を $8\,\Omega$ とした場合、次のように横に抵抗の大きさ、縦にリアクタンスの大きさを書きます。

 

合成インピーダンスを求める説明図

 

このときの直角三角形の斜めの線の長さが合成インピーダンスになります。

 

合成インピーダンスの大きさの説明図

 

このように、「抵抗」と「リアクタンス(コイルまたはコンデンサ)」が直列に接続されているときの合成インピーダンスを求めるときは、直角三角形を書いて求めます。

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク


 

インピーダンスについてもうちょっと詳しく知りたい方は、こちらのインピーダンスのページを参考にしてみてください。

 

「なぜ直角三角形を書けば合成インピーダンスを求めることができるのか?」どうしても知りたいとか、合成インピーダンスについてもう少し詳しく知りたい方は、こちらのページが参考になります。
素子(R、L、C)が1個の場合のインピーダンス
素子が2個直列接続の場合の合成インピーダンス(RL直列回路、RC直列回路、LC直列回路)
素子が2個並列接続の場合の合成インピーダンス(RL並列回路、RC並列回路、LC並列回路)
素子が3個直列接続の場合の合成インピーダンス(RLC直列回路)
素子が3個並列接続の場合の合成インピーダンス(RLC並列回路)
こちらのページでは、複素インピーダンスとインピーダンスの大きさの計算、インピーダンスのベクトル図についてまとめています。
第二種電気工事士の学科試験対策としてはここまでおぼえる必要はほぼありませんが、参考程度に「ふーん、こんな感じか」って見ておいてもいいかもしれませんね。



スポンサーリンク


交流回路のインピーダンス 関連ページ

電圧・電流・抵抗
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くためにおぼえておかなければならない「電圧・電流・抵抗」についてまとめています。「電圧・電流・抵抗」は電気の計算をするために一番初めに理解しておかなくてはならないとても重要な項目なので、しっかりと勉強しておきましょう。
オームの法則
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときに使う「オームの法則」についてまとめています。「オームの法則」は電気の計算をするときの一番基本的な法則になりますので、しっかり勉強しておきましょう。
電線の抵抗
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の分野で出題される「電線の抵抗」についてまとめています。「電線の抵抗」は第二種電気工事士の学科試験でよく出題される重要な項目ですので、しっかり勉強しておきましょう。
直列接続と並列接続
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなけらばならない「直列接続と並列接続」についてまとめています。「直列接続と並列接続」は電気回路の基本になる接続方法です。
合成抵抗
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の分野で出題される「合成抵抗」についてまとめています。第二種電気工事士の学科試験では、「合成抵抗」を求める問題がよく出題されています。
キルヒホッフの法則
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときに使う「キルヒホッフの法則」についてまとめています。「キルヒホッフの法則」は電気の計算をするときの重要な法則になりますので、しっかり勉強しておきましょう。
直流回路と交流回路
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「直流回路と交流回路」についてまとめています。交流回路の最大値と実効値の関係はとても重要で、学科試験でもたまに出題されています。
直流回路の計算(基本)
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「直流回路の計算(基本)」についてまとめています。まずは簡単な直流回路の計算をできるようになりましょう。
直流回路の計算(分圧と分流)
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなけらばならない「分圧」と「分流」についてまとめています。「分圧」と「分流」は電気回路の計算をするときの考え方の基本になります。
電力・電力量・発熱量
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「電力・電力量・発熱量」についてまとめています。電力、電力量、発熱量の違いとそれぞれの求め方をおぼえましょう。
正弦波交流波形
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときにおぼえておかなければならない「正弦波交流波形」についてまとめています。「正弦波交流」の最大値または実効値を求める問題は試験でも度々出題されていますので、最大値と実効値の関係式は必ずおぼえておきましょう。
交流回路の位相
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くときにおぼえておかなければならない「交流回路の位相」についてまとめています。「位相」は交流回路の計算をするときにとても重要な考え方です。遅れ位相、進み位相はどのようなものか理解しておきましょう。
交流回路のリアクタンス
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くときにおぼえておかなければならない「交流回路のリアクタンス」についてまとめています。コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)とコンデンサのリアクタンス(容量性リアクタンス)の違いをおぼえておきましょう。
電気でよく使われる単位
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」分野で出題される「電気でよく使われる単位」についてまとめています。「単位」は電気を勉強するときの基本中の基本になりますので、しっかりおぼえておきましょう。
電気でよく使われるギリシャ文字
第二種電気工事士学科試験の計算問題などや単位などで使用されるギリシャ文字の読み方と表わす意味についてまとめています。電気の世界に限らず理系の分野では、色々な量を表わしたり、単位の補助記号としてギリシャ文字が使用されますが、代表的なものだけでもおぼえておくようにしましょう。