スポンサーリンク



合成抵抗

ページ内にPR・広告が含まれる場合があります。

合成抵抗とは、複数の抵抗を合成したときの抵抗の大きさのことをいいます。

 

合成って??

 

合成とは、2つ以上の抵抗を1つの抵抗として考えることとおぼえておけばいいでしょう。

 

したがって合成抵抗とは、2つ以上の抵抗が、直列接続、並列接続、または直列接続と並列接続が組み合わされて接続されているときに、それらの抵抗を1つの抵抗と考えたときの抵抗の大きさということになります。

 

合成抵抗の説明図(例)

 

合成抵抗の問題は、第二種電気工事士学科試験でよく出題されていて、また、電気理論の中でも基本的なことなので、必ず計算できるようにしておきましょう。

 

具体的には次の項目で解説します。

 

スポンサーリンク

 

 

直列接続の合成抵抗の求め方

直列接続された抵抗の合成抵抗は、次のようにそれぞれの抵抗を単純に足すだけで求められます。

 

抵抗が2つ直列接続の場合

抵抗が2つ直列接続の場合、2つの抵抗を足すだけです。

 

抵抗が2つ直列接続の場合の合成抵抗の説明図

 

例えば2つの抵抗がそれぞれ $2\,\Omega$ と $3\,\Omega$ の場合、合成抵抗は、2つの抵抗を足して $5\,\Omega$ となります。

 

2つの抵抗が2Ωと3Ωの場合の合成抵抗

 

抵抗が3つ以上直列接続の場合

抵抗が3つ以上になっても、直列接続の場合は単純に足すだけです。

 

抵抗が3つ以上直列接続の場合の合成抵抗の説明図

 

直列接続の場合は、すご〜く簡単ですね。

 

並列接続の合成抵抗の求め方

並列接続された抵抗の合成抵抗は、次のように求められます。

 

抵抗が2つ並列接続の場合

抵抗が2つ並列接続の場合、和分の積で求めます。

 

抵抗が2つ並列接続の場合の合成抵抗の説明図

 

例えば2つの抵抗がそれぞれ $3\,\Omega$ と $6\,\Omega$ の場合、

 

2つの抵抗が3Ωと6Ωの場合

 

2つの抵抗で「和分の積」すると、

 

$\dfrac{3\times 6}{3+6} =\dfrac{18}{9} =2$

 

$\therefore$ 合成抵抗 $=2\,\Omega$ となります。

 

抵抗が3つ以上並列接続の場合

抵抗が3つ以上の場合は、抵抗が2つのときのように単純に「和分の積」するのでは求められません。

 

ときどき、抵抗が3つ以上で並列接続された回路の合成抵抗を「和分の積」で求める方がいますが、これは大きな間違いです!

 

例えば、$1\,\Omega$ と $2\,\Omega$ と $3\,\Omega$ の3つの抵抗が並列に接続されているとき、この回路の合成抵抗を次のように計算してしまう方がいるんです。

 

この計算方法は間違い!

 

それでは、どのようにして求めればいいのでしょうか?

 

抵抗が3つ以上並列接続のときの合成抵抗の求め方には、次の2つの方法(和分の積を応用する方法、並列接続の合成抵抗の公式を使う方法)があります。

 

その1:「和分の積」を応用する方法

次のように、抵抗が3つ並列接続された回路の場合を考えます。

 

抵抗が3つ並列接続された回路

 

この回路をじーっとみていると、これは、上の2つの抵抗下の1つの抵抗並列になっていることに気づきます。(気づきました?)

 

先ほど、抵抗が2つ並列のときの合成抵抗の求め方を勉強したので、「上の2つの抵抗」の合成抵抗は求めることができます。(和分の積です。)

 

すると、抵抗3つの並列回路が抵抗2つの並列回路になります。(あとは、もう一度「和分の積」して合成します。)

 

抵抗が3つ並列接続された回路の合成抵抗の求め方

 

この方法のように、抵抗2つを和分の積で合成することを繰り返していけば、抵抗が何個並列になっていても合成抵抗を求めることができます。

 

その2:抵抗の並列接続の公式を使う方法

並列接続された抵抗の合成抵抗を求める公式があります。この公式を使っても合成抵抗を求めることができます。

 

次のように、抵抗がいくつも並列接続された回路を考えます。

 

抵抗がいくつも並列接続された回路

 

このとき、求める合成抵抗を $R$[$\Omega$]とすると、次の式のように表わすことができます。

 

$\therefore \dfrac{1}{R} =\dfrac{1}{R_1} +\dfrac{1}{R_2} +\cdots +\dfrac{1}{R_n}$

 

例えば、$1\,\Omega$ と $2\,\Omega$ と $3\,\Omega$ の3つの抵抗が並列に接続されているときの合成抵抗は、この公式を使って求めると、

 

$\dfrac{1}{R} =\dfrac{1}{1} +\dfrac{1}{2} +\dfrac{1}{3} =\dfrac{6}{6} +\dfrac{3}{6} +\dfrac{2}{6}$ $=\dfrac{6+3+2}{6}$ $=\dfrac{11}{6}$ 、 $\dfrac{1}{R} =\dfrac{11}{6}$

 

$\therefore R=\dfrac{6}{11}$ [$\Omega$]

 

となります。

 

 

 

並列接続された抵抗の合成抵抗を求めるときは、その1の方法(「和分の積」を応用した計算方法)でも、その2の方法(公式を使う計算方法)でも、どちらの方法でも求めることができるので、自分で使いやすい方、または、場合に応じて使い分けるといいですよ。

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク


 

合成抵抗についてもう少し詳しく勉強したい方は、合成抵抗の求め方(計算方法)のページも読んでみましょう。こちらのページでは抵抗が2個の場合、3個の場合の合成抵抗の計算をしています。

 

抵抗が短絡されている場合の合成抵抗の求め方については、こちらの短絡されている抵抗がある場合の合成抵抗の求め方のページを参考にしてみてください。



スポンサーリンク


合成抵抗 関連ページ

電圧・電流・抵抗
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くためにおぼえておかなければならない「電圧・電流・抵抗」についてまとめています。「電圧・電流・抵抗」は電気の計算をするために一番初めに理解しておかなくてはならないとても重要な項目なので、しっかりと勉強しておきましょう。
オームの法則
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときに使う「オームの法則」についてまとめています。「オームの法則」は電気の計算をするときの一番基本的な法則になりますので、しっかり勉強しておきましょう。
電線の抵抗
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の分野で出題される「電線の抵抗」についてまとめています。「電線の抵抗」は第二種電気工事士の学科試験でよく出題される重要な項目ですので、しっかり勉強しておきましょう。
直列接続と並列接続
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなけらばならない「直列接続と並列接続」についてまとめています。「直列接続と並列接続」は電気回路の基本になる接続方法です。
キルヒホッフの法則
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときに使う「キルヒホッフの法則」についてまとめています。「キルヒホッフの法則」は電気の計算をするときの重要な法則になりますので、しっかり勉強しておきましょう。
直流回路と交流回路
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「直流回路と交流回路」についてまとめています。交流回路の最大値と実効値の関係はとても重要で、学科試験でもたまに出題されています。
直流回路の計算(基本)
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「直流回路の計算(基本)」についてまとめています。まずは簡単な直流回路の計算をできるようになりましょう。
直流回路の計算(分圧と分流)
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなけらばならない「分圧」と「分流」についてまとめています。「分圧」と「分流」は電気回路の計算をするときの考え方の基本になります。
電力・電力量・発熱量
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くためにおぼえておかなければならない「電力・電力量・発熱量」についてまとめています。電力、電力量、発熱量の違いとそれぞれの求め方をおぼえましょう。
正弦波交流波形
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の計算問題を解くときにおぼえておかなければならない「正弦波交流波形」についてまとめています。「正弦波交流」の最大値または実効値を求める問題は試験でも度々出題されていますので、最大値と実効値の関係式は必ずおぼえておきましょう。
交流回路の位相
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くときにおぼえておかなければならない「交流回路の位相」についてまとめています。「位相」は交流回路の計算をするときにとても重要な考え方です。遅れ位相、進み位相はどのようなものか理解しておきましょう。
交流回路のリアクタンス
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くときにおぼえておかなければならない「交流回路のリアクタンス」についてまとめています。コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)とコンデンサのリアクタンス(容量性リアクタンス)の違いをおぼえておきましょう。
交流回路のインピーダンス
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」の問題を解くときにおぼえておかなければならない「交流回路のインピーダンス」についてまとめています。インピーダンスというとちょっとむずかしそうですが、おぼえると簡単です。
電気でよく使われる単位
第二種電気工事士学科試験の「電気理論」分野で出題される「電気でよく使われる単位」についてまとめています。「単位」は電気を勉強するときの基本中の基本になりますので、しっかりおぼえておきましょう。
電気でよく使われるギリシャ文字
第二種電気工事士学科試験の計算問題などや単位などで使用されるギリシャ文字の読み方と表わす意味についてまとめています。電気の世界に限らず理系の分野では、色々な量を表わしたり、単位の補助記号としてギリシャ文字が使用されますが、代表的なものだけでもおぼえておくようにしましょう。