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正弦波交流波形

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このページでは、正弦波交流波形について解説します。

 

正弦波交流の波形、最大値と実効値、周波数と周期などについて解説していますので、正弦波交流とはどういうもので、正弦波交流の最大値、実効値、周波数、周期とは何か? などについて勉強してみましょう。

 

正弦波交流って、ふだんの生活の中ではあまり聞かない言葉だと思うんですが、実はすぐ身近なところで見つけることができるんですよね、正弦波交流。
例えば、みなさんのおうちにある「コ…」「コンセ…」(あー、まだ言えない。続きを読んでみよう!)

 

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正弦波交流電圧の最大値と実効値

正弦波交流の最大値と実効値については直流回路と交流回路のページでも解説しましたが、大事なことなのでこのページでももう一度さらっと復習して、解説を追加します。

 

まず、正弦波交流電圧は次のような波形でした。

 

正弦波交流電圧の説明図(グラフの形)

 

それから、正弦波交流電圧は、

  • 交流なので、時間の経過とともに電圧がプラスになったりマイナスになったりする
  • 波形の頂点の値が最大値になる
  • 最大値を $\boldsymbol{\sqrt{2}}$ で割った値が実効値になる

ということでした。

 

正弦波交流電圧の説明図(最大値、実効値)

 

ところで、正弦波交流電圧を発生する電源はどこにあって、何に使われているでしょうか?

 

これは、周りを見渡すとすぐに見つけることができます。  

 

はい、ありました。答えは、コンセントにあって、電化製品などに使われています!です。

 

コンセントから出力される電圧は正弦波交流電圧

 

では次に、コンセントから出力される正弦波交流電圧の波形(どんなグラフになるか?)について考えてみましょう。

 

「コンセントの電圧は何ボルト?」と聞かれると、ほとんどの方は「 $100$ ボルト!」と答えると思いますが、ではまた質問で、この $100$ ボルトは、最大値? 実効値? どちらのことを言っているでしょうか?

 

この $100$ ボルトは実効値のことを言っています。

 

ふつう、交流で「$100$ ボルト!」とか「$200$ ボルト!」と言えば、それは実効値のことを言っていて、実効値が $100\,\mathrm{V}$ の交流電圧は、直流の $100\,\mathrm{V}$ と同等の働きをする大きさの電圧になります。

 

では、コンセントの電圧 $100\,\mathrm{V}$ は実効値なので、正弦波交流の最大値と実効値の関係式(最大値 $=\sqrt{2} \ \times$ 実効値)よりコンセントの電圧の最大値を求めてみましょう。(正弦波交流の最大値を求めるときは、実効値に $\sqrt{2}$ をかけるのでした。)

 

コンセントの電圧の最大値は、

 

最大値 $=\sqrt{2} \ \times$ 実効値 $=\sqrt{2}\times100$ $\fallingdotseq 1.41\times 100=141$ [$\mathrm{V}$]

 

$\therefore$ コンセントの電圧の最大値 $=141$ [$\mathrm{V}$]

 

となります。なので、コンセントには、最大で約 $141\,\mathrm{V}$ の電圧がきているんですね。Max $100\,\mathrm{V}$ じゃないんですね。

 

以上ここまでで、コンセントの電圧について次のことが分かりました。

  • コンセントの電圧は正弦波交流電圧
  • コンセントの電圧の実効値は $\boldsymbol{100\,\mathrm{V}}$
  • コンセントの電圧の最大値は $\boldsymbol{141\,\mathrm{V}}$

 

ここまで分かると、コンセントの電圧波形は次のようになるんじゃないかな? と予想できると思います。

 

予想されるコンセントの電圧波形

 

横軸(時間)の値については、まだ分かりませんよ。横軸の値については、次の項目(正弦波交流電圧波形の周波数と周期)で解説します。

 

それから、正弦波交流電圧の最大値と実効値の関係( $\sqrt{2}$ をかけるか、$\sqrt{2}$ で割るか)についての問題は、第二種電気工事士学科試験でも出題されているので、必ずおぼえておくようにしましょう。

 

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正弦波交流電圧波形の周波数と周期

波形(グラフの形)について考えるとき、周波数周期というのがあります。

 

この周波数と周期は、波形の横軸(時間軸)の値を与えるもので、交流波形を考えるときに大事な値になります。

 

それでは、周波数、周期、それから周波数と周期の関係について順番に解説していきます。

 

正弦波交流電圧波形の周波数

周波数とは、$\boldsymbol{1}$ 秒間に波が何回繰り返されるか?を表わす値で、周波数の単位は「 $\mathrm{Hz}$ 」と書いて「ヘルツ」と読みます。

 

「ヘルツ」って聞いたことありますよね?

 

例えば、携帯、スマホ、無線などの電波の周波数、コンセントの電源の周波数、パソコンのCPUのクロック数(CPUの性能を表わす数値)などの単位に使われています。

 

「あなたのおうちのコンセントは何ヘルツ?」
「私んちは $50$ ヘルツ!」
みたいな…。

 

周波数とは「 $1$ 秒間に波が何回繰り返されるか?」というものですが、これを波形で考えてみると次のようになります。

 

波形(グラフ)と周波数の関係

 

なので、コンセントの電圧の周波数が $50\,\mathrm{Hz}$ の場合は、次のように波が $1$ 秒間に $50$ 回繰り返されていることになります。

 

コンセントの周波数が50Hzのときの周波数の説明図

 

ちなみに、コンセントの電圧の周波数は、関東から北の地域(東日本)では $50\,\mathrm{Hz}$、関東より南(西?)の地域(西日本)では $60\,\mathrm{Hz}$ になります。

 

$60\,\mathrm{Hz}$ の場合は、$1$ 秒間に波 $1$ 個分が $60$ 回繰り返されているということになります。

 

 

正弦波交流電圧波形の周期

周期とは、波 $\boldsymbol{1}$ 個分の長さを時間で表わしたもので、単位は時間なので「 $\mathrm{s}$ 」(秒)です。波形で考えてみると次のようになります。

 

波形(グラフ)と周期の関係

 

では、コンセントの周波数が $50\,\mathrm{Hz}$ の場合、周期(波 $\boldsymbol{1}$ 個分の長さ)はどのくらいになるでしょうか?

 

先ほど説明したように、$50\,\mathrm{Hz}$ の場合は、「 $1$ 個分の波が $50$ 回繰り返されると $1$ 秒になる」のでした。つまり、「 $1$ 秒間の中に波が $50$ 個入っている」ということなので、$\boldsymbol{1}$ 秒を $\boldsymbol{50}$ 分割すれば周期(波 $\boldsymbol{1}$ 個分の長さ)になります。したがって、

 

$\therefore 50\,\mathrm{Hz}$ の周期 $=\dfrac{1\text{[}\mathrm{s}\text{]}}{50\text{[}\mathrm{Hz}\text{]}} =0.02$ [$\mathrm{s}$]

 

となります。

 

けっこう短い時間ですよね!

 

コンセントの周波数が50Hzの場合の周期の説明図

 

$60\,\mathrm{Hz}$ のときはもっと短いですよ!

 

$\therefore 60\,\mathrm{Hz}$ の周期 $=\dfrac{1\text{[}\mathrm{s}\text{]}}{60\text{[}\mathrm{Hz}\text{]}}\fallingdotseq 0.0167$ [$\mathrm{s}$]

 

コンセントの周波数が60Hzの場合の周期の説明図

 

正弦波交流電圧波形の周波数と周期の関係

ここまでの説明でだいたい予想がつくと思いますが、周波数を $f$[$\mathrm{Hz}$]、周期を $T$[$\mathrm{s}$]とすると、周波数と周期には次の関係があります。

 

$\therefore f=\dfrac{1}{T}$ [$\mathrm{Hz}$]

 

$\therefore T=\dfrac{1}{f}$ [$\mathrm{s}$]

 

周波数と周期は、お互いに逆数の関係になります。

 

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