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短絡(ショート)
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電位差がある2点間が、抵抗が小さい導体(例えば、電線)で接続されるのを短絡といいます。短絡はショートともいいます。
例えば次のように、電圧 $1.5\,\mathrm{V}$ の電池に抵抗が接続されている回路があるとします。
すると、電池は $1.5\,\mathrm{V}$ の電圧を発生しているので、電池につながれている抵抗の両端には $1.5\,\mathrm{V}$ の電位差が生じていることになります。
このとき、抵抗の両端を電線でつなぐと、
電位差がある2点間が、抵抗が小さい導体(この場合、電線)で接続されたことになります。
このように回路の2点間が接続されるのが短絡です!
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短絡回路には大きな電流が流れる
回路が短絡されると、回路には大きな電流が流れます。
これについて、先ほどの回路を使って考えてみます。
ここで、回路の抵抗の大きさは $15\,\Omega$ 、短絡する電線の抵抗の大きさは $0.015\,\Omega$ とし、電池と抵抗の間の電線の抵抗は無視します。
電池と抵抗の間の電線にも抵抗はありますが、説明を分かりやすくするため、ここでは電池と抵抗の間の電線の抵抗は無視します。
また、実際の電池には内部抵抗がありますが、同様の理由でここでは電池の内部抵抗も無視するものとします。なお、電池の内部抵抗については、こちらの電池の内部抵抗と端子電圧のページを参考にしてみてください。
短絡されていないときの回路は次のようになり、
この場合、回路に流れる電流はオームの法則より、
回路に流れる電流 $=\dfrac{\text{電池の電圧}}{\text{抵抗}} =\dfrac{1.5}{15} =0.1\,\mathrm{A}$
$\therefore$ 回路に流れる電流 $=0.1\,\mathrm{A}$ …①
と求められます。
次に、抵抗の両端が短絡されているときの回路の電流を求めてみます。短絡されているときの回路は次のようになり、
抵抗に流れる電流は、
抵抗に流れる電流 $=\dfrac{\text{電池の電圧}}{\text{抵抗}} =\dfrac{1.5}{15} =0.1\,\mathrm{A}$ …②
電線に流れる電流は、
電線に流れる電流 $=\dfrac{\text{電池の電圧}}{\text{電線の抵抗}} =\dfrac{1.5}{0.015} =100\,\mathrm{A}$ …③
となるので、
回路に流れる電流は、②と③を足して、
回路に流れる電流 $=0.1\,\mathrm{A} +100\,\mathrm{A} =100.1\,\mathrm{A}$
$\therefore$ 回路に流れる電流 $=100.1\,\mathrm{A}$ …④
と求められます。
④の電流は計算上の値です。
したがって、①と④より、短絡されていない回路に流れる電流は $0.1\,\mathrm{A}$ 、短絡されている回路に流れる電流は $100.1\,\mathrm{A}$ なので、
回路が短絡されると、回路にはすごく大きな電流が流れることになります。(この場合、約1000倍!)
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短絡電流
②と③の計算結果より、短絡されているときの抵抗に流れる電流は $0.1\,\mathrm{A}$ 、電線に流れる電流は $100\,\mathrm{A}$ と求められています。
このことから、回路に流れる電流 $100.1\,\mathrm{A}$ のうちのほとんどの電流が短絡部分(回路を短絡している電線)を通り、短絡部分には大きな電流が流れることが分かります。
この短絡部分を通って流れる大きな電流を短絡電流といいます。
短絡電流は大きな電流になるので、回路に短絡電流が流れ続けると、
- 電線の被覆が溶ける
- 電気火災が発生する
など、大きな事故につながる場合もあります。
そのため、一般住宅などでは、短絡が発生した場合には配線用遮断器などの遮断器で回路を遮断し、短絡電流が流れ続けないようにしています。
短絡はこわいですねー、こわいですよー。
- 電位差がある2点間が、抵抗が小さい導体で接続されるのを短絡(ショート)という
- 短絡回路には大きな電流が流れる
- 短絡部分を通って流れる大きな電流を短絡電流という
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