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金属線ぴ工事
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金属線ぴ工事は、金属製の線ぴを使う工事で、その金属製の線ぴの中に電線を通して配線する工事です。
(線ぴ工事には合成樹脂線ぴ工事もありましたが、現在は、電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)から削除されています。)
金属線ぴ工事で使う金属線ぴの種類
金属線ぴの「ぴ」は、漢字で書くと樋で、つまり「とい」です。
建物の壁にシュ〜っと(?)取り付けられているのを見たことないですか? ない?? それが線ぴです。
それで、この金属線ぴには1種金属製線ぴと2種金属製線ぴの2種類があり、線ぴの幅で1種と2種に分けられます。
1種金属製線ぴは幅が4cm未満のもので、2種金属製線ぴは幅が4cm以上5cm以下のものになります。ちなみに、幅が5cmよりも大きくなると金属ダクトになっちゃいますよ。(厳密には、板の厚さが1.2mm以上とか、強度がなんとかとか条件はありますが…。)
それから、1種金属製線ぴは「メタルモール」、2種金属製線ぴは「レースウェイ」とも呼ばれます。(呼び方は第二種電気工事士の学科試験では出題されませんけどね。(たぶん))
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金属線ぴ工事で使う電線
金属線ぴ工事で使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線になります。
電線の接続
電線を接続するときには、金属線ぴ内で接続してはいけません! ただし、次により施設するときには金属線ぴ内で電線を接続することができます。
- 電気用品安全法の適用を受ける2種金属製線ぴを使用する
- 電線を分岐する場合であること
- 接続点を容易に点検できるように施設すること
- D種接地工事を施すこと
- 線ぴ内で分岐された電線を外部に引き出す部分は、線ぴの貫通部分で電線が損傷するおそれがないように施設すること
金属線ぴの施工方法
金属線ぴの支持方法(固定方法)などの施工方法にも決まりがあり、次のようになります。
金属線ぴの支持方法
金属線ぴの支持点間距離(固定する間隔)は1.5m以下にすることが望ましい。
金属線ぴとボックスの電気的な接続
金属線ぴ相互、金属線ぴとボックスは堅ろうに接続し、電気的に完全に接続する。
金属線ぴ相互(金属線ぴと金属線ぴ)、金属線ぴとボックスを電気的に完全に接続するのは、漏電などによる感電を防ぐことが目的で、金属線ぴを確実に接地するためです。
屋側配線の金属線ぴ工事は禁止
低圧の屋側配線では金属線ぴ工事は禁止です!
金属線ぴの接地と接地工事を省略できる条件
金属線ぴの接地
漏電などによる感電を防止するため金属線ぴを接地します。
接地工事にはA種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事がありますが、金属線ぴ工事での配線の使用電圧は300V以下なので、金属線ぴはD種接地工事で接地します。
金属線ぴのD種接地工事を省略できる条件
次の場合、金属線ぴのD種接地工事を省略できます。
- 金属線ぴの長さが4m以下の場合(2本以上の金属線ぴを接続するときにはその全長)
- 対地電圧が150V以下で、長さが8m以下の金属線ぴに簡易接触防護措置※を施す、または乾燥した場所に施設する場合
※金属製のものであって、防護措置を施す線ぴと電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。
- 使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線
- 金属線ぴ内で電線を接続してはダメ!(条件を満たせばOK!)
- 金属線ぴの支持点間距離は1.5m以下が望ましい
- 低圧の屋側配線では金属線ぴ工事は禁止!
- 金属線ぴ相互、金属線ぴとボックスは電気的に完全に接続する
- 金属線ぴはD種接地工事で接地する
- 金属線ぴの長さが4m以下の場合はD種接地工事を省略できる
- 対地電圧が150V以下、金属線ぴの長さが8m以下で、簡易接触防護措置を施す、または乾燥した場所ではD種接地工事を省略できる
第二種電気工事士の学科試験では、「低圧の屋側配線での金属線ぴ工事(は禁止)」について出題されることがあるので、おぼえておくようにしましょう。
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このページを読んだら、4択クイズをやってみよう!
金属線ぴ工事の4択クイズはこちら ⇒ 第二種電気工事士学科試験の4択クイズ 金属線ぴ工事
接地工事についてはこちらの接地工事の種類と接地抵抗値のページ、簡易接触防護措置についてはこちらの接触防護措置と簡易接触防護措置のページを参考にしてみてください。
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