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金属可とう電線管工事

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金属可とう電線管工事は、金属製の可とう電線管を使う工事で、その金属製の可とう電線管の中に電線を通して配線する工事です。

 

「可とう」とは「曲げることができる」という意味なので、金属製可とう電線管はグニャグニャ曲げることができる電線管ということになります。(グニャグニャといっても、ものすごくグニャグニャにできるわけではないですけどね。)

 

金属可とう電線管工事で使う電線管の種類

金属製可とう電線管には、1種金属製可とう電線管と2種金属製可とう電線管がありますが、1種金属製可とう電線管を使用する場合には次のような制限があります。

  • 展開した場所または点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所であること
  • 使用電圧が300Vを超える場合は、電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分であること
  • 管の厚さは0.8mm以上であること

 

このように1種金属製可とう電線管は使用場所などに制限がるため、2種金属製可とう電線管がよく使われます。1種金属製可とう電線管はJIS(日本産業規格(旧:日本工業規格))からも消えたとか・・・。

 

2種金属製可とう電線管

 

 

金属可とう電線管工事で使う電線

金属可とう電線管工事で使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線になります。(金属管工事、合成樹脂管工事も同じです。)

 

電線はより線または直径3.2mm以下の単線を使います。ちなみに、「より線」とは心線が複数本の素線でできた電線で、「単線」とは心線が1本の導体でできた電線です。

 

より線と単線

 

電線の接続

電線を接続するときには、電線管内で接続してはいけません!

 

電線を電線管内で接続してはダメ!

 

「電線管内で電線を接続してはダメ」というのは、電線管を使う他の工事の金属管工事、合成樹脂管工事でも同じです。

 

ちなみに、図中のボックスコネクタは金属製可とう電線管をボックスに接続する(つなげる)ためのもの、コンビネーションカップリングは異なる電線管を接続するためのもので、この場合、コンビネーションカップリングは金属製可とう電線管と金属管を接続するためのものです。

 

金属製可とう電線管の施工方法

金属製可とう電線管を支持(固定)するときにはサドルなどを使います。

 

金属製可とう電線管の屈曲(どのくらい曲げて良いか?)などの施工方法にも決まりがあり、次のようになります。

 

金属製可とう電線管の屈曲

金属製可とう電線管の屈曲部の内側の半径は管内径の6倍以上にする。

 

ただし、露出した場所または点検できる隠ぺい場所で、管の取り外しができる場所では管内径の3倍以上とすることができる。

 

金属製可とう電線管とボックスの電気的な接続

管相互、管とボックスは堅ろうに接続し、電気的に完全に接続する。

 

金属製可とう電線管の施工方法

 

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金属製可とう電線管の接地と接地工事を省略できる条件

金属製可とう電線管の接地

漏電などによる感電を防止するため金属製可とう電線管を接地します。

 

接地工事にはA種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事がありますが、使用電圧が300V以下の場合にはD種接地工事、300Vを超える場合にはC種接地工事で金属製可とう電線管を接地します。

 

ただし、300Vを超える場合でも接触防護措置を施す場合には、D種接地工事でOKです。

 

金属製可とう電線管の接地(D種接地工事とC種接地工事)

 

※金属製のものであって、防護措置を施す管と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。

 

金属製可とう電線管のD種接地工事を省略できる条件

電線管の長さが4m以下の場合、金属製可とう電線管のD種接地工事を省略できます。

 

金属製可とう電線管のD種接地工事を省略できる条件

 

金属可とう電線管工事のポイント!
  • 使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線
  • 電線管内で電線を接続してはダメ!
  • 金属製可とう電線管の屈曲部の内側の半径は管内径の6倍以上にする。ただし、露出した場所または点検できる隠ぺい場所で、管の取り外しができる場所では管内径の3倍以上とすることができる
  • 管相互、管とボックスは電気的に完全に接続する
  • 金属製可とう電線管には、使用電圧が300V以下の場合にはD種接地工事300Vを超える場合にはC種接地工事をする。ただし、300Vを超えても接触防護措置を施す場合にはD種接地工事に緩和される
  • 電線管の長さが4m以下の場合、D種接地工事を省略できる

 

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このページを読んだら、4択クイズをやってみよう!
金属可とう電線管工事の4択クイズはこちら ⇒ 第二種電気工事士学科試験の4択クイズ 金属可とう電線管工事

 

金属可とう電線管工事と金属管工事は共通の内容が多いので、まとめていっしょに勉強すると効率がいいと思います。(金属管工事については、こちらの金属管工事のページを参考にしてみてください。)

 

接地工事についてはこちらの接地工事の種類と接地抵抗値のページ、接触防護措置についてはこちらの接触防護措置と簡易接触防護措置のページを参考にしてみてください。

 

このページで使用している写真は、(一財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士学科試験の試験問題に掲載されている写真です。



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