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金属ダクト工事

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金属ダクト工事は、金属製のダクトを使う工事で、その金属製のダクトの中に電線を通して配線する工事です。

 

金属ダクトとは、厚さが1.2mm以上の鉄板またはこれと同等以上の強さの金属でできたもので、ダクトの幅が5cmを超えるものをいいます。

 

金属ダクト

 

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金属ダクト工事で使う電線

金属ダクト工事で使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線になります。

 

電線の接続

電線を接続するときには、金属ダクト内で接続してはいけません!

 

ただし、

 

電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できる場合は接続点を設けることができる。

 

つまり、原則的には金属ダクト内で電線を接続してはダメですが、この条件を満たせば金属ダクト内で電線を接続してもいいよってことです。

 

金属ダクトの施工方法

金属ダクトの支持方法(固定方法)などの施工方法にも決まりがあり、次のようになります。

 

金属ダクトの支持方法

金属ダクトの支持点間距離(固定する間隔)は3m以下、取扱者以外が出入りできないような場所に垂直に取り付ける場合は6m以下にする。

 

金属ダクトの終端部

金属ダクトの終端部は閉そくする。

 

閉そくは「ふさぐ」という意味で、つまり「はじはふさいどけ!」みたいな。

 

金属ダクト相互の電気的な接続

金属ダクト相互(金属ダクトと金属ダクト)は堅ろうに接続し、電気的に完全に接続する。

 

金属ダクト相互を電気的に完全に接続するのは、漏電などによる感電を防ぐことが目的で、金属ダクトを確実に接地するためです。

 

金属ダクトに収める電線の断面積の総和

金属ダクトに収める電線の断面積の総和は、金属ダクトの内部断面積の20%以下にする。ただし、出退表示灯や制御回路などの配線だけを金属ダクトに収める場合は50%以下にすることができます。

 

金属ダクトの施工方法

 

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金属ダクトの接地

漏電などによる感電を防止するため金属ダクトを接地します。

 

接地工事にはA種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事がありますが、使用電圧が300V以下の場合にはD種接地工事、300Vを超える場合にはC種接地工事で金属ダクトを接地します。

 

ただし、300Vを超える場合でも接触防護措置を施す場合には、D種接地工事に緩和できます。

 

金属ダクトの接地(D種接地工事とC種接地工事

 

※金属製のものであって、防護措置を施すダクトと電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。

 

金属ダクト工事のポイント!
  • 使う電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)以外の絶縁電線
  • 金属ダクト内で電線を接続してはダメ! ただし、電線を分岐する場合接続点を容易に点検できる場合は金属ダクト内で電線を接続してもOK
  • 金属ダクトの支持点間距離は3m以下(取扱者以外が出入りできないような場所で垂直取り付けは6m以下)
  • ダクトの終端部は閉そくする
  • 金属ダクト相互は電気的に完全に接続する
  • 電線の断面積の総和は内部断面積の20%以下にする
  • 金属ダクトには、使用電圧が300V以下の場合にはD種接地工事300Vを超える場合にはC種接地工事をする。ただし、300Vを超えても接触防護措置を施す場合にはD種接地工事に緩和される

 

第二種電気工事士の学科試験では、金属ダクト内で電線を接続できる条件(電線を分岐する場合で接続点を容易に点検できる場合はダクト内に接続点を設けることができる)についての問題が出題される場合があるので、おぼえておくようにしましょう!

 

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このページを読んだら、4択クイズをやってみよう!
金属ダクト工事、フロアダクト工事、ライティングダクト工事の4択クイズはこちら ⇒ 第二種電気工事士学科試験の4択クイズ 金属・フロア・ライティングダクト工事

 

接地工事についてはこちらの接地工事の種類と接地抵抗値のページ、接触防護措置についてはこちらの接触防護措置と簡易接触防護措置のページを参考にしてみてください。



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