スポンサーリンク



ひし形の対角線の長さの求め方

ページ内にPR・広告が含まれる場合があります。

ひし形の「辺の長さ」と「角度」(2つの辺がはさむ角度)が分かっている場合、

 

ひし形

 

ひし形の対角線の長さは、

 

対角線の半分の長さを求めて、それを2倍する

 

ひし形の対角線の求め方①

 

または、

 

対角線を斜辺とする直角三角形を書いて、三平方の定理を使う

 

ひし形の対角線の求め方②

 

と求められます。

 

このページでは、ひし形の「辺の長さ」と「角度」が分かっている場合の対角線の長さの求め方について解説していますので、

 

ひし形の対角線の長さを求めたい!

 

なんてときに参考にしてみてください。

 

スポンサーリンク

 

対角線の半分の長さを求めて、それを2倍して対角線の長さを求める方法

次のように、辺の長さと角度が分かっているひし形 $\mathrm{ABCD}$ があるとします。

 

ひし形ABCD

 

このひし形の「対角線 $\mathrm{BD}$ の長さ」と「対角線 $\mathrm{AC}$ の長さ」を求めてみます。

 

対角線BDの長さの求め方

$\angle\,\mathrm{ABC}$ は $60^\circ$ なので、対角線 $\mathrm{BD}$ と対角線 $\mathrm{AC}$ の交点を $\mathrm{E}$ とすると、$\angle\,\mathrm{ABE}$ は $60^\circ$ の半分の $30^\circ$ になります。

 

∠ABEは30°になる

 

なので、対角線 $\mathrm{BD}$ の半分の長さになる $\mathrm{BE}$ の長さは、

 

$\mathrm{BE} =\mathrm{AB}\times\cos 30^\circ =2\times\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $=\sqrt{3}$

 

$\therefore\mathrm{BE} =\sqrt{3}$ …① となります。

 

対角線の半分の長さ(BEの長さ)は√3

 

対角線の半分の長さ( $\mathrm{BE}$ の長さ)が求められたので、あとは①を2倍するだけです。

 

対角線 $\mathrm{BD}$ の長さは、$\mathrm{BE}$ を2倍して、

 

$\mathrm{BD} =2\times\mathrm{BE} =2\times\sqrt{3} =2\sqrt{3}$

 

$\therefore\mathrm{BD} =2\sqrt{3}$

 

となります。

 

BEの長さを2倍すると対角線BDの長さ

 

対角線ACの長さの求め方

$\angle\,\mathrm{ABE}$ は $30^\circ$ なので、対角線 $\mathrm{AC}$ の半分の長さになる $\mathrm{AE}$ の長さは、

 

∠ABEは30°

 

$\mathrm{AE} =\mathrm{AB}\times\sin 30^\circ =2\times\dfrac{1}{2} =1$

 

$\therefore\mathrm{AE} =1$ …② となります。

 

対角線の半分の長さ(AEの長さ)は1

 

対角線の半分の長さ( $\mathrm{AE}$ の長さ)が求められたので、あとは②を2倍するだけです。

 

対角線 $\mathrm{AC}$ の長さは、$\mathrm{AE}$ を2倍して、

 

$\mathrm{AC} =2\times\mathrm{AE} =2\times 1=2$

 

$\therefore\mathrm{AC} =2$

 

となります。

 

AEの長さを2倍すると対角線ACの長さ

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク


 

対角線を斜辺とする直角三角形を書いて、三平方の定理を使う方法

次のように、辺の長さと角度が分かっているひし形 $\mathrm{ABCD}$ があるとします。

 

ひし形ABCD

 

このひし形の「対角線 $\mathrm{BD}$ の長さ」と「対角線 $\mathrm{AC}$ の長さ」を求めてみます。

 

対角線BDの長さの求め方

対角線 $\mathrm{BD}$ を斜辺とする直角三角形を書くと次のようになります。(直角三角形の直角になっているところの頂点は $\mathrm{E}$ とします。)

 

対角線BDと直角三角形

 

直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の辺 $\mathrm{DE}$ の長さは、$\mathrm{DC} =2$ 、$\angle\,\mathrm{DCE} =60^\circ$ なので、

 

$\mathrm{DE} =\mathrm{DC}\times\sin 60^\circ =2\times\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $=\sqrt{3}$

 

$\therefore\mathrm{DE} =\sqrt{3}$ …③ となります。

 

辺DEの長さの求め方

 

また、直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の辺 $\mathrm{BE}$ の長さは、$\mathrm{BC}$ の長さと $\mathrm{CE}$ の長さを足したものなので、$\mathrm{BE} =\mathrm{BC} +\mathrm{CE}$ となります。

 

ここで、$\mathrm{BC}$ の長さはひし形の辺の長さなので「$2$」と分かりますが、$\mathrm{CE}$ の長さは分かりません。なので、$\mathrm{CE}$ の長さを求めると、

 

$\mathrm{DC} =2$ 、$\angle\,\mathrm{DCE} =60^\circ$ より、

 

$\mathrm{CE} =\mathrm{DC}\times\cos 60^\circ =2\times\dfrac{1}{2} =1$

 

$\therefore\mathrm{CE} =1$ となります。

 

辺CEの長さの求め方

 

したがって、

 

$\mathrm{BE} =\mathrm{BC} +\mathrm{CE} =2+1=3$

 

$\therefore\mathrm{BE} =3$ …④ となるので、

 

直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の斜辺を除く2辺( $\mathrm{DE}$ と $\mathrm{BE}$ )それぞれの長さは、③、④より、「$\sqrt{3}$」と「$3$」になります。

 

直角三角形BDEの斜辺を除く2辺の長さ

 

直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の2辺の長さが求められたので、あとは三平方の定理で直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の斜辺の長さを求めるだけです。

 

三平方の定理より、直角三角形 $\mathrm{BDE}$ の斜辺 $\mathrm{BD}$ の長さは、

 

$\mathrm{BD} =\sqrt{(\sqrt{3} )^2 +3^2} =\sqrt{3+9}$ $=\sqrt{12}$ $=2\sqrt{3}$

 

したがって、ひし形 $\mathrm{ABCD}$ の対角線 $\mathrm{BD}$ の長さは、

 

$\therefore\mathrm{BD} =2\sqrt{3}$

 

となります。

 

ひし形ABCDの対角線BDの長さ

 

対角線ACの長さの求め方

対角線 $\mathrm{AC}$ を斜辺とする直角三角形を書くと次のようになります。(直角三角形の直角になっているところの頂点は $\mathrm{F}$ とします。)

 

対角線ACと直角三角形

 

直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の辺 $\mathrm{AF}$ の長さは、$\mathrm{AB} =2$ 、$\angle\,\mathrm{ABF} =60^\circ$ なので、

 

$\mathrm{AF} =\mathrm{AB}\times\sin 60^\circ =2\times\dfrac{\sqrt{3}}{2}$ $=\sqrt{3}$

 

$\therefore\mathrm{AF} =\sqrt{3}$ …⑤ となります。

 

辺AFの長さの求め方

 

また、直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の辺 $\mathrm{CF}$ の長さは、$\mathrm{BC}$ の長さから $\mathrm{BF}$ の長さを引いたものなので、$\mathrm{CF} =\mathrm{BC} -\mathrm{BF}$ となります。

 

ここで、$\mathrm{BC}$ の長さはひし形の辺の長さなので「$2$」と分かりますが、$\mathrm{BF}$ の長さは分かりません。なので、$\mathrm{BF}$ の長さを求めると、

 

$\mathrm{AB} =2$ 、$\angle\,\mathrm{ABF} =60^\circ$ より、

 

$\mathrm{BF} =\mathrm{AB}\times\cos 60^\circ =2\times\dfrac{1}{2} =1$

 

$\therefore\mathrm{BF} =1$ となります。

 

辺BFの長さの求め方

 

したがって、

 

$\mathrm{CF} =\mathrm{BC} -\mathrm{BF} =2-1=1$

 

$\therefore\mathrm{CF} =1$ …⑥ となるので、

 

直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の斜辺を除く2辺( $\mathrm{AF}$ と $\mathrm{CF}$ )それぞれの長さは、⑤、⑥より、「$\sqrt{3}$」と「$1$」になります。

 

直角三角形ACFの斜辺を除く2辺の長さ

 

直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の2辺の長さが求められたので、あとは三平方の定理で直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の斜辺の長さを求めるだけです。

 

三平方の定理より、直角三角形 $\mathrm{ACF}$ の斜辺 $\mathrm{AC}$ の長さは、

 

$\mathrm{AC} =\sqrt{(\sqrt{3} )^2 +1^2} =\sqrt{3+1}$ $=\sqrt{4}$ $=2$

 

したがって、ひし形 $\mathrm{ABCD}$ の対角線 $\mathrm{AC}$ の長さは、

 

$\therefore\mathrm{AC} =2$

 

となります。

 

ひし形ABCDの対角線ACの長さ

 

 

ひし形の対角線の長さの求め方の解説は以上になりますが、ここで解説した対角線の長さの求め方は、例えば、大きさが同じで向きが異なる2つのベクトルを合成したベクトルの大きさを求めるときなどにもよく使うので、おぼえておくようにしましょう。

 

大きさが同じで向きが異なる2つのベクトルを合成したベクトル

 

ひし形の対角線の長さの求め方のまとめ

ひし形の辺の長さと角度が分かっている場合、ひし形の対角線の長さは、次のようにすると求めることができる。

  • 対角線の半分の長さを求めて、それを2倍する

または、

  • 対角線を斜辺とした直角三角形を書いて、三平方の定理を使う

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク


 

直角三角形の辺の長さを求めるときに使っている三平方の定理についてもうちょっと詳しく知りたい方は、こちらの三平方の定理(ピタゴラスの定理)のページを参考にしてみてください。
また、$\sin$ 、$\cos$ については、こちらの三角関数のsin、cos、tanって何?のページを参考にしてみてください。



スポンサーリンク


ひし形の対角線の長さの求め方 関連ページ

図形の面積を求める公式
三角形、平行四辺形、ひし形、台形、正六角形、円、扇形、楕円などの平面図形の面積を求めるときに使う公式についてまとめています。図形の面積を求めたいときや、面積の公式を忘れてしまったときなどの参考にしてみてください。
立体の体積を求める公式
直方体、三角柱、円柱、三角錐、円錐、球、中空球、楕円体などの立体の体積を求めるときに使う公式についてまとめています。立体の体積を求めたいときや、体積の公式を忘れてしまったときなどの参考にしてみてください。
三平方の定理(ピタゴラスの定理)
三平方の定理(ピタゴラスの定理)について解説しています。三平方の定理の式(公式)、使い方、証明などについて解説していますので、三平方の定理の勉強の参考にしてみてください。
正方形の対角線の長さの求め方
正方形の対角線の長さの求め方について解説しています。正方形の対角線の長さを求めるときの参考にしてみてください。
長方形の対角線の長さの求め方
長方形の対角線の長さの求め方について解説しています。長方形の対角線の長さを求めるときの参考にしてみてください。
平行四辺形の対角線の長さの求め方
平行四辺形の対角線の長さの求め方について解説しています。平行四辺形の「辺の長さ」と「高さ」が分かっている場合、平行四辺形の「辺の長さ」と「角度」が分かっている場合について解説していますので、平行四辺形の対角線の長さを求めるときの参考にしてみてください。
立方体の対角線の長さの求め方
立方体の対角線の長さの求め方について解説しています。立方体の対角線の長さを求めるときの参考にしてみてください。
直方体の対角線の長さの求め方
直方体の対角線の長さの求め方について解説しています。直方体の対角線の長さを求めるときの参考にしてみてください。