交流回路のリアクタンスとは?

交流回路では リアクタンス というものがでてきます。

 

リアクタンスには、誘導性リアクタンス容量性リアクタンス があって、コイルのリアクタンスは誘導性リアクタンス、コンデンサのリアクタンスは容量性リアクタンスになります。

 

それで、

 

リアクタンスってなんですか?

 

ということになりますが、リアクタンスとは、

 

電流を妨げる大きさ、つまり電流の通しにくさ

 

を表わしたものになります。あれ?

 

似ているものがありました、抵抗!

 

抵抗も「電流の通しにくさ」を表わすものでした。抵抗はオームの法則のページでも解説しましたが、ちょっとおさらいすると次のような式でした。

 

$R\text{(抵抗)} =\dfrac{V\text{(電圧)}}{I\text{(電流)}}$ [$\Omega$]

 

すると、リアクタンスも抵抗と同じように「電流を妨げる大きさ」を表わすものなので、リアクタンスを $X$[$\Omega$]とするとリアクタンスの式は、

 

$\therefore X\text{(リアクタンス)} =\dfrac{V\text{(電圧)}}{I\text{(電流)}}$ [$\Omega$]

 

と表わされます。

 

なので、

 

へー、抵抗もリアクタンスも式は同じですねー。

 

ということになります。

 

先ほど、リアクタンスには「誘導性リアクタンス」と「容量性リアクタンス」があって、コイルのリアクタンスは誘導性リアクタンス、コンデンサのリアクタンスは容量性リアクタンスとお話ししました。

 

それでは次に、「コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)」と「コンデンサのリアクタンス(容量性リアクタンス)」について解説します。

コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)

コイルのリアクタンス は誘導性リアクタンスで、リアクタンスは 電流を妨げる大きさを表わすもの でしたので、コイルのリアクタンス(誘導性リアクタンス)を $X_L$[$\Omega$]として回路図で書いてみると次のような意味になります。

 

コイルのリアクタンスの説明図

 

式で書くと次のようになります。

 

$\therefore X_L=\dfrac{V}{I}$ [$\Omega$]

 

この式を電流の式に書きかえると、

 

$\therefore I=\dfrac{V}{X_L}$ [$\mathrm{A}$] …@ となるので、

 

コイルのリアクタンス $X_L$ が大きくなると電流 $I$ は小さくなって、コイルのリアクタンス $X_L$ が小さくなると電流 $I$ は大きくなることが分かります。

 

ここまでみるとコイルのリアクタンスは抵抗と何も変わらないように思えますが、このコイルのリアクタンスは周波数で大きさが変わるんです。

 

コイルのリアクタンス $X_L$[$\Omega$] は、電源の周波数を $f$[$\mathrm{Hz}$]、コイルのインダクタンスを $L$[$\mathrm{H}$](単位の「$\mathrm{H}$」はヘンリーと読む)とすると次の式で表わされます。

 

$\therefore X_L=2\pi fL$ [$\Omega$] …A

 

この式から、

 

周波数 f が大きくなるとコイルのリアクタンス XL が大きくなる

 

ことが分かります。

 

ね? 抵抗と違ってちょっとやっかいでしょ?

 

ちなみに、Aを@式に代入すると、

 

$I=\dfrac{V}{X_L} =\dfrac{V}{2\pi fL}$

 

$\therefore I=\dfrac{V}{2\pi fL}$ [$\mathrm{A}$] となるので、

 

コイルのインダクタンス $L$ が変わらなくても、周波数 $f$ が大きくなるとコイルのリアクタンス $X_L$ が大きくなるので電流 $I$ は小さくなります。

 

さらに、やっかい!

 

交流回路を勉強していると、この辺りから挫折する方が多いのですが、頑張っておぼえましょう!

 

第二種電気工事士の筆記試験の問題は、公式をおぼえておく程度でも解ける問題は多いので、公式だけでもね。

 

補足|インダクタンスは周波数で変わらない、リアクタンスは周波数で変わる

コイルのインダクタンス $L$ の値は、コイルの固有の値(つまり、コイルごとに決まっている値)です。なので、電源の周波数 $f$ が変わったとしても、インダクタンス $L$ の値は変わりません。
ですが、リアクタンス $X_L$ は、$X_L=2\pi fL$ なので、電源の周波数 $f$ によりその大きさが変わります。
インダクタンス $L$ とリアクタンス $X_L$ を混同しないように注意しましょう。

 

インダクタンスは周波数で変わらない、リアクタンスは周波数で変わる

 

 


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コンデンサのリアクタンス(容量性リアクタンス)

次は、コンデンサのリアクタンスです。コイルのリアクタンスと同じように説明していきます。

 

コンデンサのリアクタンス は容量性リアクタンスで、リアクタンスは 電流を妨げる大きさを表わすもの でしたので、コンデンサのリアクタンス(容量性リアクタンス)を $X_C$[$\Omega$]として回路図で書いてみると次のような意味になります。

 

コンデンサのリアクタンスの説明図

 

式で書くと次のようになります。

 

$\therefore X_C=\dfrac{V}{I}$ [$\Omega$]

 

この式を電流の式に書きかえると、

 

$\therefore I=\dfrac{V}{X_C}$ [$\mathrm{A}$] …B となるので、

 

コンデンサのリアクタンス $X_C$ が大きくなると電流 $I$ は小さくなって、コンデンサのリアクタンス $X_C$ が小さくなると電流 $I$ は大きくなることが分かります。コイルのリアクタンスと同じです。

 

このコンデンサのリアクタンスもコイルのリアクタンスと同じように、周波数で大きさが変わるんです。

 

コンデンサのリアクタンス $X_C$[$\Omega$]は、電源の周波数を $f$[$\mathrm{Hz}$]、コンデンサの静電容量を $C$[$\mathrm{F}$](単位の「$\mathrm{F}$」はファラドと読む)とすると次の式で表わされます。

 

$\therefore X_C=\dfrac{1}{2\pi fC}$ [$\Omega$] …C

 

この式から、

 

周波数 f が大きくなるとコンデンサのリアクタンス XC が小さくなる

 

ことが分かります。

 

あれ? コイルのリアクタンスとは反対になりました。

 

ちなみに、CをB式に代入すると、

 

$I=\dfrac{V}{X_C} =\dfrac{V}{\dfrac{1}{2\pi fC}} =2\pi fCV$

 

$\therefore I=2\pi fCV$ [$\mathrm{A}$] となるので、

 

コンデンサのリアクタンスの場合は、周波数 $f$ が大きくなると電流 $I$ も大きくなります。

 

これまたコイルのリアクタンスと反対です。

 

補足|静電容量は周波数で変わらない、リアクタンスは周波数で変わる

コンデンサの静電容量 $C$ の値は、コンデンサの固有の値(つまり、コンデンサごとに決まっている値)です。なので、電源の周波数 $f$ が変わったとしても、静電容量 $C$ の値は変わりません。
ですが、リアクタンス $X_C$ は、$X_C=\dfrac{1}{2\pi fC}$ なので、電源の周波数 $f$ によりその大きさが変わります。

 

静電容量は周波数で変わらない、リアクタンスは周波数で変わる

 

そろそろこの辺でコイルとコンデンサが頭の中でゴチャゴチャになっていると思うので、ここまでのことをまとめて整理しておきます。

回路素子 コイル($L$) コンデンサ($C$)
リアクタンス 誘導性リアクタンス 容量性リアクタンス
リアクタンスの記号(一般的に) $X_L$ $X_C$
リアクタンスの大きさ $X_L=\dfrac{V}{I}$ $X_C=\dfrac{V}{I}$
$f$ と $L$(または $C$)で表わしたリアクタンスの大きさ $X_L=2\pi fL$ $X_C=\dfrac{1}{2\pi fC}$
電流の大きさ $I=\dfrac{V}{X_L}$ $I=\dfrac{V}{X_C}$
$f$ と $L$(または $C$)で表わした電流の大きさ $I=\dfrac{V}{2\pi fL}$
(周波数が大きくなると電流は小さくなる
$I=2\pi fCV$
(周波数が大きくなると電流も大きくなる

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