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RC直列回路の時定数(τ=CR)の導出
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次のように、抵抗 $R$、コンデンサ $C$、直流電源、スイッチからなるRC直列回路があるとします。
このRC直列回路の時定数 $\tau$ は、よく知られているように $\tau =CR$ です。
この $\tau =CR$ は、参考書などにも公式としてよく書かれているので、RC直列回路の時定数を求めるときは、
$\tau =CR$ にコンデンサの静電容量の値 $C$ と抵抗 $R$ の値を代入して…、時定数でた!
みたいな感じで使っていると思います。(たぶん)
このようによく使う $\tau =CR$ ですが、RC直列回路の時定数は、なぜ $CR$ になるのでしょうか?
RC直列回路の電流の過渡現象を表わす式を使って、RC直列回路の時定数 $\tau =CR$ を導いてみました。
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RC直列回路の時定数の導出
上の図のようなRC直列回路において、$t=0$ でスイッチをONすると次のように電流が流れます。(コンデンサ $C$ に蓄えられている初期電荷はないもの(ゼロ)とします。)
このとき、この曲線の $t=0$ における接線を引くと、接線は、$t=0$ から「ある時間」のところで定常状態の電流値( $i(t)=0$ の直線)と交わります。
この「ある時間」が時定数になるので、$t=0$ から2つの直線の交点までの時間を求めれば、それが時定数になります。
では、$t=0$ から2つの直線の交点までの時間を求めてみます。
初めに、$t=0$ における接線の式を求めます。
RC直列回路において、$t=0$ でスイッチをONしてから電流が定常状態になるまでの式(RC直列回路の電流の過渡現象を表わす式)は、次の図中の①式で表わされます。
この①式を $t$ で微分して $t=0$ を代入すると、$t=0$ における接線の傾きが求められます。①式を $t$ で微分すると、
$\dfrac{d\, i(t)}{dt} =\dfrac{E}{R}\cdot\left( -\dfrac{1}{CR}\right)\cdot e^{-\frac{1}{CR} t}$
$\therefore\dfrac{d\, i(t)}{dt} =-\dfrac{E}{CR^2}\cdot e^{-\frac{1}{CR} t}$
となり、これに $t=0$ を代入すると、
$\dfrac{d\, i(0)}{dt} =-\dfrac{E}{CR^2}\cdot e^{-\frac{1}{CR}\times 0}$
$\therefore\dfrac{d\, i(0)}{dt} =-\dfrac{E}{CR^2}$ …② ($t=0$ における接線の傾き)
となります。この②が $t=0$ における接線の傾きになり、接線は点 $\left( 0\, ,\, \dfrac{E}{R}\right)$ を通るので、$t=0$ における接線の式は次のようになります。
$\therefore i(t)=-\dfrac{E}{CR^2} t+\dfrac{E}{R}$ …③ ($t=0$ における接線の式)
$t=0$ のときの電流値は $\dfrac{E}{R}$ なので、$t=0$ における接線は点 $\left( 0\, ,\, \dfrac{E}{R}\right)$ を通ります。
$t=0$ における接線の式が求められたので、次は、③式の直線と $i(t)=0$ の直線(定常状態の電流値を表わす直線)が交わる時間を求めます。
$-\dfrac{E}{CR^2} t+\dfrac{E}{R} =0$
として、これを $t$ について解きます。すると、
$\dfrac{E}{CR^2} t=\dfrac{E}{R}$
$\dfrac{1}{CR} t=1$
$\therefore t=CR$
となり、2つの直線が交わる時間( $t=0$ から2つの直線の交点までの時間)は $t=CR$ と求められました。
この時間が時定数になるので、RC直列回路の時定数 $\tau$ は、
$\tau =CR$ (RC直列回路の時定数)
になります。
- 「電流の過渡現象を表わす式の $t=0$ における接線」と「 $i(t)=0$ の直線」が交わる時間を求めると、RC直列回路の時定数( $\tau =CR$ )が求められる
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時定数については、こちらの時定数のページを参考にしてみてください。
RL直列回路の時定数( $\tau =L/R$ )の導出については、こちらのRL直列回路の時定数の導出のページを参考にしてみてください。
RL直列回路の時定数(τ=L/R)の導出 ←BACK
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