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遮断器と開閉器
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第二種電気工事士学科試験の鑑別問題で出題される遮断器と開閉器についてまとめています。
遮断器・開閉器には、パッと見ただけでは区別しにくいものがあります。例えば、配線用遮断器と漏電遮断器(過負荷保護付)。
左側が配線用遮断器で、右側が漏電遮断器(過負荷保護付)です。
似てるよね?(え?似てない??)
じゃー、これは?
これも、左側が配線用遮断器で、右側が漏電遮断器(過負荷保護付)です。
もっと似ているものでは、こんなのもあります。
おー、すげー似てる!(と、思う。)
でも、左側が配線用遮断器で、右側がモータブレーカ(配線用遮断器(電動機保護兼用))です。
このように、遮断器・開閉器には似ているものがあるんですが、第二種電気工事士学科試験の問題を解くためには、それぞれを見分けられなければなりません。
似ているのでなんだかややこしいですが、
それぞれを見分けるポイントをおさえておけば大丈夫!(たぶん)
ですので、このページを読んで見分けられるようになりましょう。
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配線用遮断器
配線用遮断器は、過電流や短絡電流(大きな電流)が流れると、自動的にパツンと切れて(OFFして)電路を遮断します。
大きな電流が流れ続けると電線が燃えたりして危ないので、配線用遮断器で電路を遮断するんです。
配線用遮断器には色々な種類があって、第二種電気工事士学科試験で出題されているものには、2極1素子、2極2素子、3極3素子などあります。ちなみに、2極1素子は「2P1E」、2極2素子は「2P2E」、3極3素子は「3P3E」とも表わされます。
「○極○素子(○P○E)」の○に入る数字は、極数(配線用遮断器の極の数)と素子数(配線用遮断器に入っている過電流を検出する素子の数)を表わしていて、例えば、
ということを表わしています。
ヒューズ
ヒューズは、過電流などの大きな電流が流れると、ヒューズが溶断して電路を遮断します。
大きな電流の熱でヒューズが溶けるのね。
漏電遮断器
漏電遮断器(過負荷保護付)
漏電遮断器は、漏電(地絡電流)を検出すると、自動的にパツンと切れて(OFFして)電路を遮断します。
電気が漏れることを漏電といい、水が漏れることを漏水といいます。(あ、電気の話なので水の話は関係ないのでした…。)
漏電したところに人が触れたりすると感電して危ないので、漏電したときには、漏電遮断器で電路を遮断するんです。
漏電遮断器には過負荷保護付というのがあって、過負荷保護付の漏電遮断器は、過電流(大きな電流)が流れた場合にも電路を遮断します。(ちなみに、写真の漏電遮断器は過負荷保護付のものです。)
それから、漏電遮断器にも配線用遮断器と同じように、2極1素子(2P1E)のものや2極2素子(2P2E)のものなどがあります。
漏電遮断器は配線用遮断器と見た目が似ていますが、漏電遮断器と配線用遮断器を見分けるときは、
テストボタンがあるか? ないか? や、
定格感度電流の表示があるか? ないか?
などで見分けるといいです。
漏電遮断器には、次のように漏電動作確認用のテストボタンが付いていて、定格感度電流の表示があります。
漏電動作確認用のテストボタンの上にある黄色のボタンは、漏電すると突出する漏電表示ボタンです。漏電遮断器は、漏電ブレーカとも呼ばれます。
ですので、
これは配線用遮断器なの? 漏電遮断器なの?
というときは、漏電動作確認用のテストボタンがあるかないか?定格感度電流の表示があるかないか?などを確認しましょう。(「漏電遮断器」や「漏電ブレーカ」と書いてあれば、簡単に「漏電遮断器だ!」と分かるんですけどね。)
ちなみに、配線用遮断器でもテストボタンがあるものがあって、例えば、次の写真の配線用遮断器にはテストボタンが付いています。
この配線用遮断器は配線用遮断器(中性線欠相保護付)というもので、配線用遮断器に付いているテストボタンは、過電圧保護回路をテストするためのテストボタンです。(漏電動作確認用のテストボタンではありません。)
テストボタンが付いている遮断器ですが、「サーキットブレーカと書かれている」ことと、「定格感度電流の表示がない」ことから、これは漏電遮断器ではなく配線用遮断器なんだな、ということが分かります。
ちょっとややこしいかもね、これは。
過電圧保護回路のテストボタンの上にある白色のボタンは、中性線が欠相(過電圧を検出)すると突出する過電圧表示ボタンです。配線用遮断器は、サーキットブレーカとも呼ばれます。
漏電遮断器(過負荷保護付、中性線欠相保護付)
漏電遮断器(過負荷保護付、中性線欠相保護付)は、中性線が欠相したとき(中性線が断線したときなど)にも電路を遮断する機能を持った漏電遮断器です。
漏電遮断器から出ている過電圧検出リード線(写真中の白い線)により中性線が欠相したときの過電圧を検出して、電路を遮断します。
漏電遮断器に付いているグレーのボタンは「漏電動作確認用のテストボタン」、テストボタンの上にある黄色のボタンは漏電または中性線が欠相すると突出する「漏電および過電圧表示ボタン」です。
漏電遮断器による漏電(地絡電流)の検出
漏電遮断器には零相変流器という変流器が内蔵されていて、漏電遮断器は、その内蔵されている零相変流器により大地へ漏電(地絡)したときの地絡電流を検出して漏電を検出します。
高感度形漏電遮断器と高速形漏電遮断器
漏電遮断器には高感度形、中感度形、低感度形があり、高感度形漏電遮断器は定格感度電流が30mA以下のものになります。
また、高速形漏電遮断器は、定格感度電流における動作時間が0.1秒以下のものになります。
ちなみに、感電事故防止を主目的として施設する漏電遮断器には、高感度高速形のものが使われます。
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モータブレーカ(配線用遮断器(電動機保護兼用))
モータブレーカは配線用遮断器の一種で、電動機を保護する機能を持ち、電動機(モータ)が過負荷になる(大きな電流が流れる)と自動的にパツンと切れて(OFFして)電路を遮断します。
モータブレーカは配線用遮断器と見た目が似ていますが、モータブレーカと配線用遮断器を見分けるときは、
電動機の容量の表示があるか? ないか?
で見分けるといいです。
モータブレーカには、次のように電動機の容量の表示(写真の場合「2.2kW」と表示)があります。
一方、配線用遮断器の場合には、電動機の容量の表示がありません。
ですので、
これは配線用遮断器なの? モータブレーカなの?
というときは、電動機の容量の表示があるかないか確認しましょう。
電磁開閉器
電磁開閉器は、電磁接触器と熱動継電器(サーマルリレー)で構成され、電動機(モータ)などを制御(運転・停止)するのに使われます。
写真の上側の部分が電磁接触器で、電磁接触器には接点が内蔵されていて、電動機を動かすスイッチ(電磁開閉器用押しボタンなど)がONのときは接点をつないで電動機を動かし、スイッチがOFFのときは接点を切り離して電動機を停止します。
また、写真の下側の部分が熱動継電器(サーマルリレー)で、熱動継電器は、電動機回路に大きな電流が流れてしまったときに電路を開いて電動機を保護します。
カバー付ナイフスイッチ
カバー付ナイフスイッチは、手動でレバーを操作して回路を開閉(ON/OFF)する開閉器(スイッチ)で、中にヒューズが入っています。
写真の場合、上側に倒すと閉(ON)、下側に倒すと開(OFF)になります。
電流計付箱開閉器
電流計付箱開閉器は、電動機の手元開閉器などに使われる開閉器で、中にナイフスイッチとヒューズが入っています。
写真の場合、上側に倒すと閉(ON)、下側に倒すと開(OFF)になります。
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このページを読んだら、4択クイズをやってみよう!
遮断器と開閉器の4択クイズはこちら ⇒ 第二種電気工事士学科試験の4択クイズ 鑑別 遮断器と開閉器
このページで使用している写真は、一部を除き、(一財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士学科試験の試験問題に掲載されている写真です。
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