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右ねじの法則とは?
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右ねじの法則は、電気磁気学の基本的な法則で、
電流と磁界の向き(方向)の関係を表わした法則です。
右ねじの法則は、アンペアの右ねじの法則とか、アンペールの右ねじの法則と呼ばれたりもしますが、一番初めに学習するのは小学校か?中学校?の理科の授業じゃなかったかと思うのですが、どうでしたかねぇ? ま、習ったのはいつでもいいですが、ここでは右ねじの法則をできるだけ簡単に解説したいと思います。
このページでは右ねじの法則を使うときの基本になる二つのパターンについてできるだけ簡単に解説しますので、この二つだけは右ねじの法則の基本としておぼえておくようにしましょう。(この二つのパターンが基本になって、あとはその応用です。)
右ねじの法則の「右」は右回り、「ねじ」は「ネジ」の意味で、右ねじの法則を簡単に言えば、
電流と磁界の向き(方向)が右回りのねじの方向にしたがうという法則です。
右回りのねじの方向??
では、右回りのねじの方向ってなんだ? ってところからいってみますか。
ねじって、こんなのですよね?
このねじをどこかに締めつけるときって、ドライバを使って締めつけますよね。それで、締めつけるときって、どっちの方向にドライバを回しますか? 下の図の矢印のように右回りに回しますよね?
ちなみに、右回りは時計回りのことを言います。たまに、
「右回りってどっち?」
って方がいますが、右回りは時計回りになります。
それで、ドライバを右回りに回していくと、ねじが締めつけられます。このとき、ねじは先っぽの方に進んでいきますね。(締めつけているのであたりまえですが・・・)
すると、右回りのねじの方向には二つの方向があって、
一つは、ドライバを回したときの右回り(時計回り)の回転方向
もう一つは、ねじが進む方向
になります。
それで、この「ドライバを回したときの右回りの回転方向」と「ねじが進む方向」が電流と磁界の向きに対応します。というのが右ねじの法則になります。
それでは、どっちの方向が電流の向きで、どっちの方向が磁界の向きになるんでしょうか?
答を先に言ってしまえばどっちの方向も電流と磁界の向きになると考えることができます。つまり、次の図のような意味です。
上側の左図と右図は場合によって使い分けていけばいいです。(使い分け方はこの先を読み進めていけば分かります。)
ここまでで、右ねじの法則についてなんとなく分かったと思うので、次はもうちょっと電気っぽくいってみましょう!
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右ねじの法則の使い方
では、ここからは電気っぽい図を書いて、もうちょっと具体的に解説していきます。
次の図のように、真っ直ぐな電線に電流が図の方向に流れているとします。すると、磁界の向きはどうなっちゃうのでしょうか?
このような問題を考えるときは、ねじを横に置いてみればいいです。
するとこの場合、「ねじが進む方向」が電流の向きになるので、もう一つの方向「ドライバを回す方向」が磁界の向きになります。
ま、そんなに難しい話ではないですよね。それぞれが対応しているだけです。
次は違うパターンで考えてみましょう。これも難しくないです。
次の図のようなコイル(ぐるぐる巻いた電線)に電流が図の方向に流れているとします。すると、磁界の向きはどうなっちゃうのでしょうか?
この場合も、ねじを横に置いてみればいいです。
するとこの場合、「ドライバを回す方向」が電流の向きになるので、もう一つの方向「ねじが進む方向」が磁界の向きになります。
これも、そんなに難しくないですね。
以上のように、電流と磁界の向きが決まるのが右ねじの法則になります。
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右ねじの法則のおぼえ方
右ねじの法則をおぼえるときには右手を使うと分かりやすいです。
右手を出して「Good!」の形にしてみましょう。
すると、右手の指の向きと電流、磁界の向きの対応は次の図のようになります。
左図の場合には親指が電流の向き、右図の場合には親指が磁界の向きになります。
先ほどの真っ直ぐの電線の場合を考えるときには左図、ぐるぐる巻いた電線(コイル)の場合を考えるときには右図で考えればいいですね。
「左図と右図で、どっちを使ったらいいの〜?」
なんて困ったときには素直に考えてみましょう。
真っ直ぐな電線に電流が流れている場合を考えるときには、「真っ直ぐ」なのは右手の親指だけですよね? なので、真っ直ぐな親指を電流の向きに合わせます。すると、残りの指の向きが磁界の向きを表わすので、親指以外の4本の指の向きが磁界の向きということになりますね。
ぐるぐる巻いた電線(コイル)に電流が流れている場合を考えるときには、「ぐるぐる」なのは右手の親指以外の4本の指だけですよね? なので、ぐるぐるな4本の指を電流の向きに合わせます。すると、残りの指の向きが磁界の向きを表わすので、親指が磁界の向きということになりますね。
このように、右ねじの法則を考えるときには、右手を使うと電流と磁界の向きが分かりやすいです。
右ねじの法則のまとめ
右ねじの法則についてまとめると次のようになります。
- 右ねじの法則は電流と磁界の向き(方向)の関係を表わした法則で、電流と磁界の向きは右回りのねじの方向にしたがう
- 右ねじの法則を考えるときには、右手をGood!の形にしてみると電流と磁界の向きが分かりやすい
右回りと左回り
右回りは時計回り、左回りは反時計回りですが、この時計回りと反時計回りを「CW」「CCW」と表わすこともあります。
CW=ClockWise(時計回り)
CCW=CounterClockWise(反時計回り)
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