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フレミングの左手の法則と右手の法則
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フレミングの左手の法則とフレミングの右手の法則は、「電流の向き」と「磁界の向き」と「力の向き」の関係を表わした法則です。
たぶん初めて習うのは中学校の理科の授業?か高校の物理の授業?で、初めにフレミングの左手の法則から習ったと思います。
試験のときに左手を出して、中指、人差し指、親指をお互いに直角になるようにぴ〜んと伸ばして、あっち向き、とか、こっち向きとか、試験問題の向きに合わせて手首をぐにゅっと曲げてみたりしませんでした?
そのときに使っていた法則がフレミングの左手の法則です。
はい、それでは左手を出してみましょう!
それで、中指、人差し指、親指がお互いに直角になるようにしてみましょう。
できましたね! それがフレミングの左手の法則です!
詳しい解説はあとでするので、次いってみます。
次は右手を出してみましょう!
それで左手のときと同じように、中指、人差し指、親指がお互いに直角になるようにぴ〜んと伸ばしてみます。
できましたね! それがフレミングの右手の法則です!
あっという間にフレミングの左手の法則と右手の法則をおぼえてしまいました! えっ??
フレミングの左手の法則は左手を出して指をぴ〜んと伸ばす、右手の法則は右手を出して指をぴ〜んと伸ばす法則だったんですね?
って、そんなことはないですよね。
それでは、フレミングの左手の法則と右手の法則について、それぞれ詳しく解説していきます。
あ、でも、指をぴ〜んとできればフレミングの左手の法則と右手の法則の半分はおぼえたようなものですよ。
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フレミングの左手の法則
このページの初めの方で書きましたが、フレミングの左手の法則は、何でしたっけ?
フレミングの左手の法則は、「電流の向き」と「磁界の向き」と「力の向き」の関係を表わした法則でした。
さっき、ぴ〜んと伸ばした指は中指、人差し指、親指の3本でしたね。
何か気付きました? ダメ?
フレミングの左手の法則では「○○の向き」が3つあって、伸ばした指は3本ですね!
「○○の向き」と3本の指がそれぞれ対応しているんです。
それで、その対応は次の図のようになります。
はい、また左手を出してみましょう。出しました?
中指が「電流の向き」、人差し指が「磁界の向き」、親指が「力の向き」になります。
どの指が何かをおぼえるときは電磁力(でんじりょく)とおぼえましょう。中指から順に電(電流の向き)・磁(磁界の向き)・力(力の向き)ってことですね。
昔からこのおぼえ方なんですが、よく考えるとおぼえ方って感じでもないですよね。どちらかというと暗記の方法??
ま、それはいいとして、いずれ「電磁力(でんじりょく)」です。
最近ではFBIというおぼえ方もあるようですが、自分でおぼえやすい方で暗記しましょう。
ちなみにFBIの場合は、Fが「力の向き」、Bが「磁界の向き」、Iが「電流の向き」になるので、「電磁力」とは反対に親指からの順番になります。注意です!
あらら、話がそれました。話を戻しますよ。
え〜っと、これですね。
このフレミングの左手の法則は、中指、人差し指、親指をお互いに直角になるようにしたときに、「電流の向き」と「磁界の向き」と「力の向き」がそれぞれ対応した指の向きになります、という法則です。
手は書かないで表わすと、
となります。
上の図をみると、電流と磁界の向きも直角、磁界と力の向きも直角、力と電流の向きも直角になっていますね。それから、それぞれの向きは左手の指の向きになっています。
このように電流、磁界、力の向きが左手の指の向きで決まるのが「フレミングの左手の法則」です。
法則というと難しいイメージがありますが、そんなに難しくはないですよね。左手の指をぴ〜んと伸ばせばOK!
ここまででフレミングの左手の法則について分かったと思うので、それでは次に、フレミングの左手の法則の使い方(こっちの方が大事)について解説します。
フレミングの左手の法則の使い方
前の項目でフレミングの左手の法則について解説しましたが、分かってもらえたでしょうか? 法則といってもそんなに難しいことではなかったですよね?
法則は知らないよりも知っている方が当然いいのですが、知っているだけではあまり意味がなくて、それを使えなくてはなりませんよ。
なので、ここではフレミングの左手の法則の使い方について解説します。
まず、フレミングの左手の法則はどんなときに使うのでしょうか?
こんなときに使います!(ちょっと図の説明が長いですよ)
次の図のように、「コの字」形の導体に電池がつながれているとします。
導体というのは電気を通すもののことで、アルミとか銅とか、そんなもののことです。
それで、次の図のように、コの字形の導体を上下から挟むようにして磁石を置きます。(上側が磁石のS極、下側が磁石のN極です。)
すると、下側がN極、上側がS極なので、下から上に向かう方向で磁界が発生します。(磁界の向きというのは常にN極からS極に向かう方向になります。)
この状態のときに、コの字形の導体の上に丸い棒の導体をのせます。
丸い棒を置くとどうなりますか?
電池がつながっているので、ぐるぐると導体に電流が流れますよね。
それで、上の図を見てみると「電流の向き」と「磁界の向き」と書いてありますね。
さきほどのフレミングの左手の法則を上の図の丸い棒のところにあてはめてみましょう。
はい、左手を出してください。
電流の向きは中指、磁界の向きは人差し指でしたので、図の向きに中指(電流)と人差し指(磁界)を合わせてみましょう。
すると、親指はどっちを向いていますか? 右方向を向いていますよね。
つまりこの場合「力の向き」は右方向ですよ、ということになるので、丸い棒が右方向に力を受けてゴロゴロ転がっていきます。
このように、電流の向きと磁界の向きが決まっていて、力の向きはどっちですか?というときにフレミングの左手の法則を使います。
「力の向きを求めるときはフレミングの左手の法則を使う」と、おぼえておきましょう。(これ大事です!)
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フレミングの右手の法則
左手の次は右手です。
フレミングの右手の法則は「右手」なので、当然「右手」を使います。
では、右手を出しましょう。出しました?
それで、フレミングの左手の法則と同じように、中指と人差し指と親指がお互いに直角になるようにしてみましょう。
フレミングの右手の法則も左手の法則と同じように、右手の中指、人差し指、親指をお互いに直角になるようにしたときに「電流の向き」「磁界の向き」「力の向き」がそれぞれ対応した指の向きになります、という法則です。
あれ? すると、フレミングの右手の法則と左手の法則はどう使い分ければいいの?
と、困っちゃいますよね?
なので、続いてフレミングの右手の法則の使い方(こんなときに使います)について解説します。
フレミングの右手の法則の使い方
フレミングの右手の法則の使い方について、フレミングの左手の法則のところででてきたコの字形の導体を使って解説します。
ただし、左手の法則のときはコの字形の導体に電池がつながれていましたが、ここでは電池の代わりに抵抗をつなぎます。
すると、次の図のようになります。
この場合、電池がつながれていないので電流は流れず、電流が流れていないので丸い棒も動きませんよ。したがって、この状態では3つの「向き」のうち「磁界の向き」しかありません。
それでは、丸い棒を右方向に動かしてみます。すると、どうなりますか?
丸い棒を右方向に動かしたということは、右方向の「力の向き」が発生したことになります。つまり、こういうことです。
上の図をみると、何か気付きますね!
「3つの向き」のうち「磁界の向き」と「力の向き」が決まっていて、残りのもう一つの向き(電流の向き)が決まっていません。
で、このときに使うのがフレミングの右手の法則です!
はい、右手を出しましょう。それで、上の図の「磁界の向き」と「力の向き」の方向に対応する指を向けてみましょう。
残り一つの「電流の向き」(中指)は手前を向いていますよね。
つまり、丸い棒を右方向に動かすと、手前の方向に向かって電流が流れるようになっちゃいます。
このように磁界の向きと力の向きが決まっていて、電流の向きはどっちですか?というときにフレミングの右手の法則を使います。
「電流の向きを求めるときはフレミングの右手の法則を使う」と、おぼえておきましょう。(これ大事です!)
フレミングの左手の法則と右手の法則のまとめ
フレミングの左手の法則と右手の法則、それから、それぞれの使い方について解説しましたが、最後に大事なところをまとめておきます。
- フレミングの左手の法則と右手の法則は、「電流の向き」と「磁界の向き」と「力の向き」の関係を表わした法則
- 中指が電流の向き、人差し指が磁界の向き、親指が力の向き(左手も右手も同じ)
- 電流の向きと磁界の向きが分かっているときは、フレミングの左手の法則で力の向きが求められる
- 磁界の向きと力の向きが分かっているときは、フレミングの右手の法則で電流の向きが求められる
フレミングの法則を使うときに左手?右手?と迷う人も多いので、「力の向きを求めるときは左手」「電流の向きを求めるときは右手」とおぼえておきましょう。
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