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第二種電気工事士候補問題の複線図の書き方 平成28年度No.10

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このページに掲載している候補問題の複線図の書き方は、平成28年度(2016年度)の候補問題の複線図の書き方です。令和6年度(2024年度)の候補問題の複線図の書き方は、こちらの令和6年度 第二種電気工事士技能試験の候補問題の複線図の書き方のページを参考にしてみてください。

 

平成28年度(2016年度)第二種電気工事士技能試験候補問題No.10の複線図の書き方の解説ページです。

 

技能試験の施工の練習(実際に課題を作る練習)をするときには、電気技術者試験センターから公表された候補問題の単線図を複線図に直し、その直した複線図を見ながら施工していきます。
したがって、各候補問題の単線図を複線図に直せないと施工することすらできない(技能試験の勉強を進めることができない)ことになりますので、技能試験の勉強をスタートしたら、まず初めに複線図の書き方をおぼえなければなりません。(ちなみに、候補問題は上期試験と下期試験で共通で全部で13問あり、試験では13問のうちのどれか1問が出題されます。)

 

複線図の書き方は初めはよく分からないかもしれませんが、複線図を書くためには書くための手順があって、その手順を守って書いていけばだんだん慣れてきて簡単にスイスイ書けるようになります。

 

 

複線図を書くときの基本的な手順はだいたいどの候補問題も同じで次のようになります。

複線図を書く基本的な手順

 

@単線図に書かれている電源、器具などを同じ配置で書きます。
A電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます。
B電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます。
Cスイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます。
D電線を接続するところ(VVF用ジョイントボックスとアウトレットボックス)を○または□で囲みます。
 (VVF用ジョイントボックスは○、アウトレットボックスは□)
Eスリーブで接続するところには●、コネクタで接続するところには■を書きます。
F電源の接地側につながっている線に「シ」(白色の電線の意味)と書きます。
G電源の非接地側につながっている線に「ク」(黒色の電線の意味)と書きます。
H電線の色が書かれていないところに残りの電線の色を書きます。

複線図を書く基本的な手順は以上のようになり、この順番で書いていくと候補問題の複線図が完成します。

 

「う〜ん、めんどくさそうだな〜。」 とか、「難しそうだなぁ〜。」

 

と思うかもしれませんが、書き慣れてくるとそんなに大変でもなくなるので、まずは何度も書く練習をして慣れるようにしましょう!

 

それから、複線図を効率良くおぼえるコツは、

 

・書く順番を守る!
・練習する度に書き方や書く順番を変えない!

 

ことで、この2つが大きなポイントになります。

 

技能試験を受験する方に複線図の書き方を教えて複線図を書いているのを見ていると、毎回書く順番が違っていたり、書き方が書く度に違っていたりする方もいたりします。

 

初めのうちは仕方がないことですが、複線図を書く度に書く順番や書き方が違ってしまうと、間違いの元になったり、間違いに気付かなかったりしてしまいますので、

 

書く順番と書き方は毎回同じにする

 

ということを意識しながら複線図を書くようにしましょう!

 

また、複線図を書くときに「三色ボールペンを使用する派」と「シャープペン(黒色のみ)を使用する派」に分かれますが、当サイトでは、
・三色ボールペンは間違ったときに消せない(フリクションボールペンなら消せますが・・・)
・三色ボールペンで書き方をおぼえてしまうと電気工事士になったときに現場で三色ボールペンが必要
・現場の電気工事士が三色ボールペンで複線図を書いているのを(私は)見たことがない
という理由から、シャープペン(黒色のみ)で書く方法で解説(推奨)しています。

 

 

 

複線図の基本的な書き方のページでは、簡単な単線図を例にして複線図の基本的な書き方について解説していますので、複線図の勉強をこれから始める方は参考にしてみてもいいと思います。

 

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平成28年度(2016年度)候補問題No.10の単線図

 

平成28年度候補問題No.10の単線図

 

平成28年度(2016年度)候補問題No.10の単線図は、配線用遮断器と同時点滅の確認表示灯(パイロットランプ)がある単線図です。(ちなみに、この単線図は平成23年度上期技能試験(7月23日実施)で出題されました。)

 

(単線図の詳細は、平成28年度候補問題No.10の単線図の解説のページを参考にしてみてください。)

 

この単線図を複線図を書くときの手順通りに書いて複線図に直してみます。

 

ここで、複線図を書く条件(想定される電線の接続方法)は次のようにします。

電線の接続方法(想定施工条件)

  • 電線の接続本数が3本のところは差込形コネクタによる接続
  • その他はリングスリーブによる終端接続

※電線の接続方法は想定ですので、本番の試験では異なる可能性があります。試験のときは問題用紙に記載されている施工条件を確認し、必ずそれにしたがってください。

 

また、電気技術者試験センターから公表された候補問題の注意書きに「器具においては、端子台で代用する場合がある。」と記載されているので、この候補問題の配線用遮断器は端子台で代用される可能性もあります。ですが、これまでの傾向として、このタイプの候補問題の場合には配線用遮断器は端子台による代用ではなく実物が使用されてきましたので、このページの解説でも実物の配線用遮断器が使用されるものと想定して解説します。

 

平成28年度(2016年度)候補問題No.10の複線図の書き方

@単線図に書かれている電源、器具を同じ配置で書きます

単線図の配置そのままで電源、器具を書きます。
複線図は電線一本一本のつながりが分かるように書くものなので、スイッチは電線を接続する端子が分かるようにスイッチっぽい図で書きます。
配線用遮断器には端子が2個あるので図のように丸を2個書いておきます。(端子台と同じように書いておけばいいです。)
配線用遮断器を写真の向きに置くと「N」が上になるので、端子には上から「N」「L」と書いておくといいでしょう。「N」は接地側、「L」は非接地側になります。

 

配線用遮断器の向きと端子

 

パイロットランプ(確認表示灯)は単線図と同じように白丸で書いておいていいです。
それから、施工省略のところは施工省略範囲が分かるように、単線図と同じように点線(一点鎖線)で囲っておきます。この点線が意外に大事で、点線を書かないで施工すると、作らなくてもいいのに間違って作ってしまったりします。がっかりしますよ。少しでも時間を短縮したい人は「施工省略」とわざわざ書かなくてもいいですが点線だけは必ず書きましょう。
スイッチと器具の対応を表わすカタカナの「イ」も忘れずに書きましょう。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順@

 

A電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます

電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます。
この場合の電源の接地側とは配線用遮断器の「N端子」のことで、スイッチ以外の器具とは「パイロットランプ」「コンセント」「ランプレセプタクル」「引掛シーリング(角形)」ですね。
コンセントへの接地側の線はパイロットランプから渡らせましょう。
このときに気を付けてほしいのですが、線のつながりを表わす「●」を必ず書くようにしましょう。複線図を書き進めて線が多くなって重なってくると、線のつながりが分からなくなり混乱してしまいます。本番のときに「●」を書き忘れていると最後の方で焦っちゃいますよ!

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順A

 

B電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます

電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます。
この場合の電源の非接地側とは、配線用遮断器の「L端子」のことです。
コンセントへの非接地側の線はスイッチから渡らせましょう。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順B

 

Cスイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます

スイッチ「イ」に対応する器具は「イ」のパイロットランプ、引掛シーリング(角形)、ランプレセプタクルなので、スイッチ「イ」のまだ何も線がつながっていないところ(この場合右側)から各器具に線をつなげます。「イ」のスイッチとパイロットランプは同じ場所にあるので、スイッチから出た線をパイロットランプにつなぎ、そこから引掛シーリング(角形)とランプレセプタクルにつなげましょう。
このように接続すると、「イ」のスイッチをONしたときに「イ」のパイロットランプと「イ」のその他の器具(引掛シーリング、ランプレセプタクル)が一緒にONするので、同時点滅回路になります。
それから、このときも忘れずに線のつながりを表わす「●」を必ず書きましょう。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順C

 

D電線を接続するところを○または□で囲みます

電線を接続するところを○または□で囲みます。
電線を接続するところとはVVF用ジョイントボックス部分またはアウトレットボックス部分のことで、VVF用ジョイントボックスの場合は○で、アウトレットボックスの場合は□で囲みます。
この候補問題の場合、接続するところは1箇所だけでVVF用ジョイントボックスなので○で囲みます。
ここでちょっと補足ですが、技能試験ではVVF用ジョイントボックスは支給されず、VVF用ジョイントボックスがあるものとして施工します。(アウトレットボックスは支給されるので、アウトレットボックスがある単線図の場合にはアウトレットボックスの取り付けが必要です。)
たまに「VVF用ジョイントボックスがありません!」と言う人がいますが、間違いなくありません。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順D

 

Eスリーブ接続には●、コネクタ接続には■を書きます

電線をスリーブ(リングスリーブ)で接続するところには●を、コネクタ(差込形コネクタ)で接続するところには■を書きます。
ここでは、電線の接続本数が3本のところは差込形コネクタによる接続、その他のところはリングスリーブによる終端接続と想定していますので、電線が3本接続されるところには■を、その他のところには●を書きます。
このときに、電線2本だけを接続するところを書き忘れる人が多いので注意ですよ!

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順E

 

F電源の接地側につながっている線に「シ」と書きます

電源の接地側につながっている線に「シ」と書きます。
この候補問題の場合の電源の接地側とは「N端子」のことになります。「シ」の意味は電線の絶縁被覆の色が白色という意味で、接地側につながる電線の色は基本的に白色になります。
電源の接地側(N端子)からたどっていって、つながっている線にだけ「シ」と書けばいいです。
複線図に電線の色を書いていくときも、必ず順番を守ってください。書く順番を守ることが複線図を間違えずに書くコツですので。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順F

 

G電源の非接地側につながっている線に「ク」と書きます

電源の非接地側につながっている線に「ク」と書きます。
この候補問題の場合の電源の非接地側とは「L端子」のことになります。「ク」の意味は電線の絶縁被覆の色が黒色という意味で、非接地側につながる電線の色は基本的に黒色になります。
電源の非接地側(L端子)からたどっていって、つながっている線にだけ「ク」と書けばいいです。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順G

 

H電線の色が書かれていないところに電線の色を書きます

電線の色がまだ書かれていないところに残りの電線の色を書くと完成です。
2心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色」、3心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色と赤色」なので、残りの電線の色は決まりますね。

 

2心と3心のケーブルの絶縁被覆の色(VVF2.0-2C、VVF1.6-2C、VVF1.6-3C)

 

「イ」のスイッチからパイロットランプに渡らせるわたり線の色は、問題用紙に記載されている施工条件で指定されない限り何色でもいいです。

 

第二種電気工事士技能試験平成28年度候補問題No.10の複線図の書き方の手順H(完成図)

 

これで平成28年度(2016年度)候補問題No.10の複線図が完成しました。

 

複線図を書くときには書く順番があって、この順番を守って書けば誰でも簡単に書けるので頑張って複線図の書き方をおぼえましょう!

 

それから、技能試験の練習(技能試験対策)を進めるためには、まず複線図が書けないとどうにもなりませんので、技能試験の練習を効率よく進めるためにも複線図の書き方は早めにおぼえておいた方がいいですよ。

 

・複線図を書くときは書く順番を必ず守ろう!
・施工条件を必ず確認しよう!

 

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単線図がよく分からないという方はこちらの第二種電気工事士候補問題の単線図の解説平成28年度No.10のページを参考にしてみましょう。施工条件についてはこちらの技能試験の施工条件の解説を参考にしてみてください。

 

平成28年度(2016年度)の候補問題の単線図と複線図の一覧表はこちら

 

このページに掲載の単線図は、(一財)電気技術者試験センターから公表された第二種電気工事士技能試験の候補問題の単線図です。


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