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第二種電気工事士候補問題の複線図の書き方 平成28年度No.4
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このページに掲載している候補問題の複線図の書き方は、平成28年度(2016年度)の候補問題の複線図の書き方です。令和6年度(2024年度)の候補問題の複線図の書き方は、こちらの令和6年度 第二種電気工事士技能試験の候補問題の複線図の書き方のページを参考にしてみてください。
平成28年度(2016年度)第二種電気工事士技能試験候補問題No.4の複線図の書き方の解説ページです。
技能試験の施工の練習(実際に課題を作る練習)をするときには、電気技術者試験センターから公表された候補問題の単線図を複線図に直し、その直した複線図を見ながら施工していきます。
したがって、各候補問題の単線図を複線図に直せないと施工することすらできない(技能試験の勉強を進めることができない)ことになりますので、技能試験の勉強をスタートしたら、まず初めに複線図の書き方をおぼえなければなりません。(ちなみに、候補問題は上期試験と下期試験で共通で全部で13問あり、試験では13問のうちのどれか1問が出題されます。)
複線図の書き方は初めはよく分からないかもしれませんが、複線図を書くためには書くための手順があって、その手順を守って書いていけばだんだん慣れてきて簡単にスイスイ書けるようになります。
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複線図を書くときの基本的な手順はだいたいどの候補問題も同じで次のようになります。
複線図を書く基本的な手順
@単線図に書かれている電源、器具などを同じ配置で書きます。
A電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます。
B電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます。
Cスイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます。
D電線を接続するところ(VVF用ジョイントボックスとアウトレットボックス)を○または□で囲みます。
(VVF用ジョイントボックスは○、アウトレットボックスは□)
Eスリーブで接続するところには●、コネクタで接続するところには■を書きます。
F電源の接地側につながっている線に「シ」(白色の電線の意味)と書きます。
G電源の非接地側につながっている線に「ク」(黒色の電線の意味)と書きます。
H電線の色が書かれていないところに残りの電線の色を書きます。
複線図を書く基本的な手順は以上のようになり、この順番で書いていくと候補問題の複線図が完成します。
「う〜ん、めんどくさそうだな〜。」 とか、「難しそうだなぁ〜。」
と思うかもしれませんが、書き慣れてくるとそんなに大変でもなくなるので、まずは何度も書く練習をして慣れるようにしましょう!
それから、複線図を効率良くおぼえるコツは、
・書く順番を守る!
・練習する度に書き方や書く順番を変えない!
ことで、この2つが大きなポイントになります。
技能試験を受験する方に複線図の書き方を教えて複線図を書いているのを見ていると、毎回書く順番が違っていたり、書き方が書く度に違っていたりする方もいたりします。
初めのうちは仕方がないことですが、複線図を書く度に書く順番や書き方が違ってしまうと、間違いの元になったり、間違いに気付かなかったりしてしまいますので、
書く順番と書き方は毎回同じにする
ということを意識しながら複線図を書くようにしましょう!
また、複線図を書くときに「三色ボールペンを使用する派」と「シャープペン(黒色のみ)を使用する派」に分かれますが、当サイトでは、
・三色ボールペンは間違ったときに消せない(フリクションボールペンなら消せますが・・・)
・三色ボールペンで書き方をおぼえてしまうと電気工事士になったときに現場で三色ボールペンが必要
・現場の電気工事士が三色ボールペンで複線図を書いているのを(私は)見たことがない
という理由から、シャープペン(黒色のみ)で書く方法で解説(推奨)しています。
複線図の基本的な書き方のページでは、簡単な単線図を例にして複線図の基本的な書き方について解説していますので、複線図の勉強をこれから始める方は参考にしてみてもいいと思います。
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平成28年度(2016年度)候補問題No.4の単線図
平成28年度(2016年度)候補問題No.4の単線図は、単相100V(1Φ2W100V)の回路と三相200V(3Φ3W200V)回路の2つの回路がある単線図です。(ちなみに、この単線図は平成27年度上期技能試験(7月26日実施)で出題されました。)
(単線図の詳細は、平成28年度候補問題No.4の単線図の解説のページを参考にしてみてください。)
この単線図を複線図を書くときの手順通りに書いて複線図に直してみます。
ここで、複線図を書く条件(想定される電線の接続と電線の色別(絶縁被覆の色))は次のようにします。
電線の接続(想定施工条件)
- S相が接地されているものとして、電源表示灯はS相とT相間に接続
- 三相200V回路のVVF用ジョイントボックス(左側のVVF用ジョイントボックス)では差込形コネクタによる接続
- 単相100V回路のVVF用ジョイントボックス(右側のVVF用ジョイントボックス)ではリングスリーブによる終端接続
電線の色別(想定施工条件)
- 三相200V回路の電源からの配線は、R相に赤色、S相に白色、T相に黒色を使用
※電線の接続と色別は想定ですので、本番の試験では異なる可能性があります。試験のときは問題用紙に記載されている施工条件を確認し、必ずそれにしたがってください。
それから、電気技術者試験センターから公表された候補問題の注意書きに「器具においては、端子台で代用する場合がある。」と記載されているので、この候補問題の配線用遮断器(四角にB)および漏電遮断器(四角にBE)は端子台で代用されるかもしれないし、されないかもしれません。これまでの傾向として、このタイプの候補問題の場合には配線用遮断器(B)および漏電遮断器(BE)は同一の端子台で代用されてきましたので、このページの解説でも同一の端子台で代用されるものと想定して解説します。
平成28年度(2016年度)候補問題No.4の複線図の書き方
@単線図に書かれている電源、器具などを同じ配置で書きます
単線図の配置そのままで電源、器具などを書きます。
この候補問題の単線図の電源周り(単線図の左側)をみると、電源には100Vと200Vがあって、配線用遮断器(B)、漏電遮断器(BE)があります。ここでは、配線用遮断器(B)および漏電遮断器(BE)は同一の端子台で代用されるものと想定していますので、これらを同一の端子台で書きます。端子の数は配線用遮断器(B)で2個、漏電遮断器(BE)で3個になるので合計で5個になります。端子台には、配線用遮断器(B)のところには上から「N」(接地側)「L」(非接地側)、漏電遮断器(BE)のところには上から「T」「S」「R」と書いておきましょう。
それから、施工省略のところは施工省略範囲が分かるように、単線図と同じように点線(一点鎖線)で囲っておきます。この点線が意外に大事で、点線を書かないで施工すると、作らなくてもいいのに間違って作ってしまったりして、がっかりしますよ。
少しでも時間短縮したい人は「施工省略」とわざわざ書かなくてもいいですが点線だけは必ず書きましょう。
スイッチと器具の対応を表わすカタカナの「イ」も忘れずに書きましょう。
A電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます
電源の接地側をスイッチ以外の器具につなげます。
この候補問題の電源の接地側とは端子台(配線用遮断器)の「N端子」、スイッチ以外の器具とは「引掛シーリング(角形)」「コンセント」ですね。
線のつながりを表わす「●」も忘れずに必ず書きましょう。複線図を書き進めて線が多くなって重なってくると、線のつながりが分からなくなり混乱してしまいます。本番のときに「●」を書き忘れていると最後の方で焦っちゃいますよ!
三相200V回路については後でまとめて書きます。
B電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます
電源の非接地側をスイッチとコンセントにつなげます。
この候補問題の電源の非接地側とは端子台(配線用遮断器)の「L端子」ですね。
コンセントへのつながりは図のようにスイッチから渡らせます。
Cスイッチからそのスイッチに対応する器具につなげます
スイッチ「イ」に対応する器具は「イ」の引掛シーリング(角形)なので、「イ」のスイッチから「イ」の引掛シーリング(角形)に線をつなげます。
D三相200V回路の電源を電動機につなげます
この候補問題の単線図には三相200V回路の電源があるので、三相200V回路の電源「T」「S」「R」を電動機につなげます。三本ぴゅ〜っと引いておきましょう。
E電源表示灯に電源をつなげます
電源表示灯に必要な電源は単相(つまり電線2本だけ)で、ここでは電源表示灯はS相とT相間に接続するものと想定しているので、三相200V回路の電源の「S相」と「T相」から電源表示灯につなげます。
本番の試験のときの施工条件で、電源表示灯に使用する相(R、S、T)を他の相で指定されたときには必ずそれにしたがいましょう。
F電線を接続するところを○または□で囲みます
電線を接続するところを○または□で囲みます。
電線を接続するところとはVVF用ジョイントボックス部分またはアウトレットボックス部分のことで、VVF用ジョイントボックスの場合は○で、アウトレットボックスの場合は□で囲みます。
この候補問題の場合は電線を接続するところが2箇所あって、どちらもVVF用ジョイントボックスなのでどちらも○で囲みます。
ここでちょっと補足ですが、技能試験ではVVF用ジョイントボックスは支給されず、VVF用ジョイントボックスがあるものとして施工します。(アウトレットボックスは支給されるので、アウトレットボックスがある単線図の場合にはアウトレットボックスの取り付けが必要です。)
たまに「VVF用ジョイントボックスがありません!」と言う人がいますが、間違いなくありません。
Gスリーブ接続には●、コネクタ接続には■を書きます
電線をスリーブ(リングスリーブ)で接続するところには●を、コネクタ(差込形コネクタ)で接続するところには■を書きます。
ここでは、三相200V回路のVVF用ジョイントボックス(左側のボックス)では差込形コネクタによる接続、単相100V回路のVVF用ジョイントボックス(右側のボックス)ではリングスリーブによる終端接続と想定していますので、三相200V回路の電線を接続するところには■を、単相100V回路の電線を接続するところには●を書きます。
このときに、電線2本だけを接続するところを書き忘れる人が多いので注意ですよ!
H電源の接地側につながっている線に「シ」と書きます
電源の接地側につながっている線に「シ」と書きます。
この「シ」の意味は電線の絶縁被覆の色が白色という意味で、接地側につながる電線の色は基本的に白色になります。
電源の接地側(この場合N端子)からたどっていって、つながっている線にだけ「シ」と書けばいいです。
複線図に電線の色を書いていくときも、必ず順番を守ってください。書く順番を守ることが複線図を間違えずに書くコツですので。
三相200V回路の電線の色については最後にまとめて書きます。
I電源の非接地側につながっている線に「ク」と書きます
電源の非接地側につながっている線に「ク」と書きます。
この「ク」の意味は電線の絶縁被覆の色が黒色という意味で、非接地側につながる電線の色は基本的に黒色になります。
電源の非接地側(この場合L端子)からたどっていって、つながっている線にだけ「ク」と書けばいいです。
スイッチとコンセント間のわたり線の色も忘れずに書きましょう。
J電線の色が書かれていないところに電線の色を書きます
電線の色がまだ書かれていないところに残りの電線の色を書きます。
2心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色」、3心ケーブルの電線の絶縁被覆の色は「黒色と白色と赤色」なので、残りの電線の色は決まりますね。
三相200V回路の電線の色は最後にまとめて書きます。
K200V回路の電線の色を書きます
最後に三相200V回路の電線の色を書くと完成です。
三相200V回路の電線の色は「黒色と白色と赤色」で、ここではR相に赤色、S相に白色、T相に黒色と想定しているので、「R」「S」「T」の順に「ア」「シ」「ク」と書きます。(端子台の下から「ア」「シ」「ク」です。)
電源表示灯につなげる線の色は三相200V回路の電源の電線の色に合わせておきます。ここでは、電源表示灯はS相とT相間に接続するものと想定しているので、S相から電源表示灯につなげるところは白色(「シ」)、T相から電源表示灯につなげるところは黒色(「ク」)になります。
試験本番では、問題用紙に記載された施工条件で色の指定があるときには必ずそれにしたがいましょう!
これで平成28年度(2016年度)候補問題No.4の複線図が完成しました。
複線図を書くときには書く順番があって、この順番を守って書けば誰でも簡単に書けるので頑張って複線図の書き方をおぼえましょう!
それから、技能試験の練習(技能試験対策)を進めるためには、まず複線図が書けないとどうにもなりませんので、技能試験の練習を効率よく進めるためにも複線図の書き方は早めにおぼえておいた方がいいですよ。
・複線図を書くときは書く順番を必ず守ろう!
・施工条件を必ず確認しよう!
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単線図がよく分からないという方はこちらの第二種電気工事士候補問題の単線図の解説平成28年度No.4のページを参考にしてみましょう。施工条件についてはこちらの技能試験の施工条件の解説を参考にしてみてください。
(平成28年度(2016年度)の候補問題の単線図と複線図の一覧表はこちら)
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