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三相誘導電動機の力率改善

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三相誘導電動機(誘導電動機)の力率改善についての問題は、第二種電気工事士学科試験で度々出題されています。

 

出題のパターンとしては、だいたい次の2つになります。

 

  • 三相誘導電動機にコンデンサを並列に接続する目的は?
  • 三相誘導電動機の力率を改善するために使用されるコンデンサの取り付け場所はどこか?

 

ほとんどがこのパターンのどちらかですので、コンデンサを接続する目的と取り付け場所をおぼえておけば、三相誘導電動機の力率改善に関する問題はだいたい解くことができます。

 

ここで力率という言葉の意味ですが、力率を簡単にいうと、

 

「電力をどれだけ有効に使えるか? を表わす値」

 

とおぼえておけばいいです。(とりあえずここでは、こんなイメージを持っていればいいと思います。)

 

それで力率は、力率が良いとか力率が悪いという言い方をよくするのですが、

 

力率が良いと言った場合=電力を有効に使えている(電力を有効に使えている割合が大きい)

 

力率が悪いと言った場合=電力を有効に使えていない(電力を有効に使えている割合が小さい)

 

ということになります。

 

なので、力率が悪い場合には力率を改善した方がよく、このときに使われる機器がコンデンサで、三相誘導電動機の力率改善にもコンデンサ(低圧進相コンデンサ)が使われます。

 

この力率を改善するためのコンデンサを三相誘導電動機に取り付けるときの取り付け場所ですが、コンデンサは三相誘導電動機に並列に取り付けます。(図1は取り付け場所をイメージしやすいように単相回路で表わしています。)

 

コンデンサ取り付け場所のイメージ図

 

誘導電動機の回路には誘導電動機を操作する手元開閉器というものが使われる場合もあって、第二種電気工事士学科試験では、コンデンサを取り付ける位置は手元開閉器の電源側か?負荷側か?というのも問われる場合があります。

 

手元開閉器は誘導電動機に電源を供給するスイッチ(誘導電動機をON/OFFするもの)と考えておけばいいですが、この手元開閉器も考えた場合、コンデンサの取り付け場所は図2のようになります。

 

手元開閉器も含めたコンデンサ取り付け場所のイメージ図

 

この図2を見ると分かるように、コンデンサの取り付け位置は手元開閉器の負荷側(誘導電動機側)になります。

 

もし、コンデンサが手元開閉器の電源側にあると、誘導電動機を使用しないとき(手元開閉器がOFFのとき)にもコンデンサが電源に接続されている状態になってしまうので、意味もなくコンデンサに電流が流れてしまうことになります。(図3)

 

手元開閉器の電源側にコンデンサを取り付けた場合のイメージ図

 

なので、コンデンサは手元開閉器の負荷側(誘導電動機側)に接続しなければならないんです。

 

以上より、三相誘導電動機の力率改善については、次のことをおぼえておきましょう!

 

三相誘導電動機の力率改善
  • 三相誘導電動機の力率を改善するためにはコンデンサを使用する
  • コンデンサは手元開閉器の負荷側(誘導電動機側)に並列に取り付ける

 

力率についてもうちょっと詳しく勉強したい方は、こちらの力率とは?(力率と電力の関係)力率とは?(力率と位相の関係)のページを参考にしてみてください。

 

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補足1(コンデンサの名称について)

第二種電気工事士学科試験の問題では、コンデンサを「低圧進相コンデンサ」と書いていたり、「電力用コンデンサ」と書いていたりしますが、第二種電気工事士の学科試験対策としては、同じものと考えておいていいですよ。

 

補足2(ちょっとこれ見てみて!)

まず、令和3年度の下期筆記試験(学科試験)【午前】に出題された過去問題です。

令和3年度 下期筆記試験(学科試験)【午前】問22

三相誘導電動機回路の力率を改善するために、低圧進相コンデンサを接続する場合、その接続場所及び接続方法として、最も適切なものは。
イ.手元開閉器の負荷側に電動機と並列に接続する。
ロ.主開閉器の電源側に各台数分をまとめて電動機と並列に接続する。
ハ.手元開閉器の負荷側に電動機と直列に接続する。
ニ.手元開閉器の電源側に電動機と並列に接続する。

次に、令和3年度の上期筆記試験(学科試験)【午後】に出題された過去問題です。

令和3年度 上期筆記試験(学科試験)【午後】問15

低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続する目的は。
イ.回路の力率を改善する。
ロ.電動機の振動を防ぐ。
ハ.電源の周波数の変動を防ぐ。
ニ.回転速度の変動を防ぐ。

 

この過去問題を解いてみましょう! という話ではないです。(答えは、このページの解説を読むと分かります。)

 

この問題は令和3年度の下期筆記試験(学科試験)【午前】と令和3年度の上期筆記試験(学科試験)【午後】に出題された過去問題ですが、この問題はお互いに答えが書かれていますよね?

 

令和3年度下期筆記試験(学科試験)【午前】の問題には、
「三相誘導電動機回路の力率を改善するために、低圧進相コンデンサを接続する場合」
と書いてあるので、この文章から、
「三相誘導電動機の力率を改善するために使用されるのはコンデンサである」
ということが分かります。

 

次に令和3年度上期筆記試験(学科試験)【午後】の問題を見ると、
「低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続する目的は?」
と出題されています。

 

令和3年度上期筆記試験(学科試験)【午後】の問題の答えは、令和3年度下期筆記試験(学科試験)【午前】の問題文に書かれてあります。

 

今度は、逆に見てみましょう。

 

令和3年度上期筆記試験(学科試験)【午後】の問題には、
「低圧三相誘導電動機に対して低圧進相コンデンサを並列に接続」
と書いてあるので、この文章から、
「三相誘導電動機にコンデンサは並列に接続される」
ということが分かります。

 

次に令和3年度下期筆記試験(学科試験)【午前】の問題を見ると、
「三相誘導電動機回路の力率を改善するために、低圧進相コンデンサを接続する場合、その接続場所及び接続方法として、最も適切なものは?」
と出題されています。

 

令和3年度下期筆記試験(学科試験)【午前】の問題の答えの半分(選択肢を「並列」にしぼれるという意味)は、令和3年度上期筆記試験(学科試験)【午後】の問題文に書かれています。

 

このように、第二種電気工事士学科試験の過去問題を色々読んでいるだけでも知識が付いていったりしますので、過去問題は繰り返し勉強した方がいいですよ。
↑長々とすいません、これが言いたかっただけです・・・

 

管理人おすすめの学科試験用過去問題集は、こちらの第二種電気工事士おすすめの参考書・過去問題集(学科試験用)で紹介しています。

 

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このページを読んだら、4択クイズをやってみよう!
三相誘導電動機の力率改善の4択クイズはこちら ⇒ 第二種電気工事士学科試験の4択クイズ 三相誘導電動機の力率改善

 

このページに掲載の問題は、(一財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士筆記試験(学科試験)の問題です。


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