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配電線(配電方式)の種類
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配電線(配電方式)にはいろいろな種類があり、例えば次のように、
- 単相2線式(一番簡単?分かりやすい配電方式)
- 単相3線式(一般家庭に届いている電気のほとんどはこの配電方式)
- 三相3線式(電動機やポンプを動かしたりする電気をいっぱい使う動力用の電気はこの配電方式)
などがあります。
第二種電気工事士の学科試験の計算問題でよく出題されるのは、
単相2線式と単相3線式と三相3線式
ですので、この3つの配電方式はしっかりと勉強しておくようにしましょう!
って、上にかいてある全部ですね・・・
それから、配電線には発電所で作られた電気が送られてくるので、届けられる電気はもちろん交流ですよ。
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単相2線式(単相2線式100V)
単相2線式(単相2線式100V)は、配電方式の中で一番簡単で分かりやすい配電方式で、次のような回路になります。
負荷には電線が2本つながれ、1本は非接地側電線(黒色)、もう1本は接地側電線(白色)になります。電線が2本だけなので、直流回路みたいで簡単で分かりやすいですよね。
非接地側電線は電圧がかかっている電線で、この非接地側電線が負荷につながれているので負荷に電圧がかかります。
接地側電線というのは、接地されている(大地に接続されている)電線で、接地されている電線の電圧は基本的にゼロボルトになります。
上の図では非接地側電線と接地側電線の間が $100\,\mathrm{V}$ なので、非接地側電線の電圧が $100\,\mathrm{V}$ で接地側電線の電圧が $0\,\mathrm{V}$ ということになります。なので、$100\,\mathrm{V}$ と $0\,\mathrm{V}$ で電圧の差(電位差といいます)があるので、負荷に電流が流れます。
接地の図記号は、上の図のように横棒3本で表わします。
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単相3線式(単相3線式100/200V)
単相3線式(単相3線式100/200V)は、一般家庭などに最も普及している配電方式で、住宅にきているほとんどの電気はこの単相3線式で供給されています。
みなさんのおうちにもこの単相3線式で電気がきています。(と思います。まれに単相2線式もありますが…)
単相3線式は、次のような回路になります。
ちょっと変わった回路ですねー。電源は2個あるし…、負荷は3個あるし…。
ここで、単相3線式とはどのようなものか考えるために、この図をちょっと変えてみます。
右側に3個書いてある「負荷」の意味は「ここにそれぞれ「負荷」が接続されるんですよ」という意味なので、
負荷が接続される=おうちの場合コンセント
と考えると、上の回路図の「負荷」を「コンセント」で置き換えて、次のように表わすことができます。
この図をみると、コンセント①とコンセント②はそれぞれ $100\,\mathrm{V}$ の交流電源に接続されています。
なので、コンセント①と②には $100\,\mathrm{V}$ の電化製品(例えば、パソコン、テレビ、オーディオとか)をつなぐことができます。
次にコンセント③ですが、コンセント③は上側の $100\,\mathrm{V}$ の交流電源と下側の $100\,\mathrm{V}$ の交流電源の両端に接続されています。したがって、$100\,\mathrm{V}$ の交流電源が2つなので、コンセント③は電圧 $200\,\mathrm{V}$ に接続されていることになります。
なので、コンセント③には $200\,\mathrm{V}$ の電化製品(例えば、$200\,\mathrm{V}$ で動くエアコン、IHクッキングヒーターとか)をつなぐことができます。
このように単相3線式は、
電線3本で100Vの電源を2つと、200Vの電源を1つ供給
することができます。
また、単相3線式の電流は、上側の $100\,\mathrm{V}$ と下側の $100\,\mathrm{V}$ と $200\,\mathrm{V}$ でそれぞれ次のように流れます。
昔と違って最近は $200\,\mathrm{V}$ で動く電気機器が増えてきているので、単相2線式は無くなりつつあり単相3線式が増えてきているんです。
三相3線式(三相3線式200V)(負荷がY結線の場合)
三相3線式(三相3線式200V)は、電線3本で三相負荷に電力を供給する配電方式です。(下の図には負荷が3つありますが、負荷3つで1つの三相負荷になります。)
三相3線式の結線方法にはY結線(スター結線)やΔ結線(デルタ結線)がありますが、負荷がY結線(スター結線)になっている場合の三相3線式は次のような回路になります。
上の回路図に「赤−白間 $200\,\mathrm{V}$」「白−黒間 $200\,\mathrm{V}$」「黒−赤間 $200\,\mathrm{V}$」と書いてありますが、これら $200\,\mathrm{V}$ の電圧は、電線と電線の間の電圧(電線間にかかる電圧)なので線間電圧といいます。また、それぞれの負荷にかかっている $\dfrac{200}{\sqrt{3}}\,\mathrm{V}$ の電圧は、各相にかかる電圧なので相電圧といいます。
電流については、各電線に流れる電流を線電流といい、各負荷(各相)に流れる電流を相電流といいます。
いろいろゴチャゴチャと回路図に書いてありますが、ここでおぼえておいてほしいのは、「線間電圧」「相電圧」「線電流」「相電流」と、Y結線(スター結線)の場合のこれらの関係を表わす次の2つの関係式です。
①三相3線式(Y結線)の場合、線間電圧=$\boldsymbol{\sqrt{3}}$×相電圧
②三相3線式(Y結線)の場合、線電流=相電流
この2つの式に関する問題は、第二種電気工事士学科試験でも度々出題されているので、おぼえておきましょう。
三相3線式(三相3線式200V)(負荷がΔ結線の場合)
負荷がΔ結線(デルタ結線)になっている場合の三相3線式は、次のような回路になります。(この場合も、負荷3つで1つの三相負荷になります。)
上の回路図に「赤−白間 $200\,\mathrm{V}$」「白−黒間 $200\,\mathrm{V}$」「黒−赤間 $200\,\mathrm{V}$」と書いてありますが、これらの電圧は、電線と電線の間の電圧(電線間にかかる電圧)なので線間電圧といいます。また、それぞれの負荷にかかっている電圧は、各相にかかる電圧なので相電圧といいます。
電流については、各電線に流れる電流を線電流といい、各負荷(各相)に流れる電流を相電流といいます。(先ほどのY結線と同じです。)
ここでおぼえておいてほしいのは、「線間電圧」「相電圧」「線電流」「相電流」と、Δ結線(デルタ結線)の場合のこれらの関係を表わす次の2つの関係式です。
①三相3線式(Δ結線)の場合、線間電圧=相電圧
②三相3線式(Δ結線)の場合、線電流=$\boldsymbol{\sqrt{3}}$×相電流
この2つの式に関する問題は、第二種電気工事士学科試験でも度々出題されているので、Y結線(スター結線)の場合とあわせておぼえておきましょう。
三相3線式(負荷Y結線(スター結線))の場合と三相3線式(負荷Δ結線(デルタ結線))の場合の「線間電圧」「相電圧」「線電流」「相電流」の関係を次の表にまとめておきます。
三相3線式(負荷Y結線) | 三相3線式(負荷Δ結線) | |
---|---|---|
線間電圧と相電圧の関係 | 線間電圧 $=\sqrt{3} \ \times$ 相電圧 $\left(\text{相電圧}=\dfrac{\text{線間電圧}}{\sqrt{3}}\right)$ |
線間電圧 $=$ 相電圧 |
線電流と相電流の関係 | 線電流 $=$ 相電流 | 線電流 $=\sqrt{3} \ \times$ 相電流 $\left(\text{相電流}=\dfrac{\text{線電流}}{\sqrt{3}}\right)$ |
Y結線とΔ結線のよび方
Y結線は「ワイけっせん」とか「スターけっせん」とか「ほしがた(星形)けっせん」とよばれています。また、Δ結線は「デルタけっせん」とか「さんかく(三角)けっせん」とよばれています。
私の場合はそれぞれ「わいけっせん」「でるたけっせん」と言うことが多いですが、自分が好きなよび方(しっくりくるよび方)でよんだらいいと思います。
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配電線の電圧降下や断線などについても解説していますので、配電線の種類が分かったらこちらも勉強してみましょう。
消費電力 ⇒ 配電方式と消費電力
電圧降下 ⇒ 配電線の電圧降下
電力損失 ⇒ 配電線の電力損失
断線 ⇒ 配電線の断線
ちなみに、こちらのスター結線の線間電圧はなぜ相電圧の√3倍になるのか?のページでは、Y結線(スター結線)の線間電圧が相電圧の $\sqrt{3}$ 倍になる理由について解説しています。第二種電気工事士の学科試験対策としては、先ほどの表の4つの関係式をおぼえておく程度でいいですが、興味がある方は参考にしてみてください。
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