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RC直列回路の過渡現象の解き方

RC直列回路に流れる電流の一般解の求め方

次の図のように直流電源 $E$[$ \mathrm{V} $]に抵抗 $R$[$\Omega$]とコンデンサ $C$[$ \mathrm{F} $]が直列に接続された $RC$ 直列回路において、回路に流れる電流の一般解を求めてみます。(スイッチ $\mathrm{S}$ を入れる前のコンデンサ $C$ に蓄えられている電荷はゼロとします。(つまり、コンデンサの初期電荷はなく、$t=0$ で $q(0) = 0$))

 

RC直列回路の回路図

 

ここで、一般解を求めるとは、定常状態の領域を表わす定常解と過渡状態の領域を表わす過渡解を合わせたもの(式)を求めることで、「一般解を求める=回路の過渡現象を解く」とほぼ同じ意味と思っておけばいいでしょう。

 

それから、回路の過渡現象を解く基本的な手順(流れ)は次のようになります。

 

回路の過渡現象を解く基本的な手順

@対象の回路の回路方程式(微分や積分が含まれる)をたてる
A初期条件を考慮して@の微分方程式(または積分方程式)を解く

 

ざっくり言ってしまえばこれだけですが、上に記載した解く手順Aの「微分方程式(または積分方程式)を解く」ことが回路によっては大変になったりします。

 

それでは、$RC$ 直列回路($CR$ 直列回路)に流れる電流の一般解を求めてみます。

 

まず初めに、回路の回路方程式をたてます。

 

回路に流れる電流を $i(t)$[$ \mathrm{A} $]として、

 

RC直列回路と流れる電流i(t)

 

この回路にキルヒホッフの第二法則(電圧則)を適用すれば、回路方程式は次の@式(積分方程式)で与えられます。

 

$E = R \, i(t) + \dfrac{1}{C} \displaystyle\int i(t) \, dt$ …@

 

RC直列回路の電圧降下

 

ここでちょっと補足ですが、コンデンサ $C$ の電圧降下の式は次のようにして求めます。

 

コンデンサ $C$ に蓄えられる電荷を $q(t)$[$ \mathrm{C} $]とすると、電流と電荷の関係は次の式で与えられます。

 

$i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ (この式の意味は、電荷 $q(t)$ を微分すると電流になりますよ、という意味ですね。)

 

上式の両辺を $t$ で積分します。すると、

 

$\displaystyle\int i(t) \, dt = \int \left( \dfrac{d \, q(t)}{dt} \right) \, dt$ 、 $\displaystyle\int i(t) \, dt = q(t)$

 

$\therefore q(t) = \displaystyle\int i(t) \, dt$ となります。(この式の意味は、電流を積分すると電荷になりますよ、という意味ですね。)

 

あとはコンデンサの公式 $( Q = CV )$ にあてはめるだけです。コンデンサ $C$ の電圧降下を $e_C(t)$ とすると、

 

$q(t) = C \cdot e_C(t)$ 、 $\displaystyle\int i(t) \, dt = C \cdot e_C(t)$ 、 $e_C(t) = \dfrac{1}{C} \displaystyle\int i(t) \, dt$

 

したがって、コンデンサの電圧降下 $e_C(t)$ は、$e_C(t) = \dfrac{1}{C} \displaystyle\int i(t) \, dt$ となります。

 

それでは、話を回路方程式(@式)に戻します。

 

@の回路方程式がたてられたので、あとは@式を解くだけなのですが、@式は積分の形で与えられています。これを計算しやすくするため、先ほどの電流と電荷の関係式を使って微分の形にもっていきます。

 

電流と電荷の関係式より、次の2式が成り立ちますね。

 

$i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ 、 $\displaystyle\int i(t) \, dt = q(t)$

 

これらを@式に代入します。すると、

 

$E = R \dfrac{d \, q(t)}{dt} + \dfrac{1}{C} q(t)$ …A となります。

 

A式は電流の式ではなく電荷の式になっていますが、A式を電荷 $q(t)$ について解いて、電流と電荷の関係式を使って電流 $i(t)$ の式にすれば電流 $i(t)$ を求めることができます。

 

では、A式の微分方程式を電荷 $q(t)$ について解いていきましょう。

 

微分方程式はその方程式の形で色々な解き方があったり、ラプラス変換を使って解いたりすることができますが、ここでは微分方程式の解法の一つである変数分離法を使って解くことにします。(この形の微分方程式を解くときは、変数分離法が一番簡単(計算はめんどうですが、解き方はおぼえやすい)だと思います。)

 

変数分離法は名前の通り、変数を左辺と右辺に分離して解いていく方法です。
A式の場合、電荷 $q(t)$ と時間 $t$ が変数なので、電荷 $q(t)$ に関するものは左辺に、時間 $t$ に関するものは右辺になるようにA式を変形します。(電源電圧 $E$ と抵抗 $R$ とコンデンサの容量 $C$ は定数なので、左辺と右辺どちらにあってもいいです。)

 

A式の $R \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ を左辺に、$E$ を右辺に移動します。すると、

 

$R \dfrac{d \, q(t)}{dt} = E - \dfrac{1}{C} q(t)$ 、 $R \dfrac{d \, q(t)}{dt} = \dfrac{CE - q(t)}{C}$

 

上式の両辺を $R$ で割ります。$\dfrac{d \, q(t)}{dt} = \dfrac{CE - q(t)}{RC}$

 

両辺を $CE - q(t)$ で割ります。$\dfrac{1}{CE - q(t)} \cdot \dfrac{d \, q(t)}{dt} = \dfrac{1}{RC}$

 

両辺に $dt$ をかけます。$\dfrac{1}{CE - q(t)} \cdot d \, q(t) = \dfrac{1}{RC} \cdot dt$

 

計算をしやすくするため、もうちょっと変形しておきます。

 

両辺にマイナスをかけて、$\dfrac{1}{q(t) - CE} \cdot d \, q(t) = -\dfrac{1}{RC} \cdot dt$

 

$\therefore \dfrac{1}{q(t) - CE} \cdot d \, q(t) = -\dfrac{1}{RC} \cdot dt$ …B

 

これで左辺は電荷 $q(t)$(変数)に関するもの、右辺は時間 $t$(変数)に関するものとなり、2つの変数を左辺と右辺に分離することができました。(定数は変数ではないので、左辺にあっても右辺にあってもいいです。)

 

変数と定数の別・・・B式

 

変数を分離できたので、あとは両辺を積分して計算を続けていきます。

 

B式の両辺を積分すると(両辺に積分記号を付けるだけ)、

 

$\displaystyle\int \dfrac{1}{q(t) - CE} \, d \, q(t) = -\int \dfrac{1}{RC} \, dt$ …C となります。

 

では、C式の左辺から計算してみましょう。

 

C式の左辺は $\displaystyle\int \dfrac{1}{x} \, dx$ の形の積分なので、積分の公式より、

 

$\text{C式の左辺} = \displaystyle\int \dfrac{1}{q(t) - CE} \, d \, q(t)$ $= \log_e \left| q(t) - CE \right| + A$ ($A$ は積分定数) …D

 

D式に絶対値が付いているので、これを外しましょう。

 

絶対値の中は $q(t) - CE$ ですが、$q(t)$ はコンデンサ $C$ に蓄えられていく電荷で、$CE$ は電源電圧 $E$ がコンデンサ $C$ にすべてかかっている状態(つまり、定常状態)での電荷なので、$q(t) \leqq CE$ となり、絶対値の中は常にゼロ以下になります。

 

なので、絶対値の中 $\left( q(t) - CE \right)$ にマイナスをかけると絶対値を外すことができます。つまり、

 

$\log_e \left| q(t) - CE \right| + A$ $= \log_e \left( CE - q(t) \right) +A$ …E となります。

 

したがってD式とE式より、$\text{C式の左辺} = \log_e \left( CE - q(t) \right) + A$ …F となります。

 

これでC式の左辺は計算できたので、次はC式の右辺について考えます。

 

$\dfrac{1}{RC}$ は定数なので、そのまま積分の外に出します。すると、

 

$\text{C式の右辺} = -\displaystyle\int \dfrac{1}{RC} \, dt$ $= -\dfrac{1}{RC} \displaystyle\int \, dt$ $= -\dfrac{1}{RC} \cdot t + B$ ($B$ は積分定数) …G となります。

 

以上でC式の左辺と右辺が計算できたので、F、G式をC式に戻すと次のH式になります。

 

$\log_e \left( CE - q(t) \right) + A$ $= -\dfrac{1}{RC} \cdot t + B$ …H

 

H式には $A$ と $B$ の2つの積分定数があるので、積分定数を $D$ として1つにまとめてしまいます。(つまり、$B-A=D$ とおく)

 

$\log_e \left( CE - q(t) \right) = -\dfrac{1}{RC} \cdot t + D$

 

対数の定義より、この式を展開すると、

 

$CE - q(t) = e^{-\frac{1}{RC} t +D}$ 、 $CE - q(t) = e^{-\frac{1}{RC} t} \cdot e^D$  $\therefore CE - q(t) = e^D \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …I

 

あとは、I式の中の積分定数を求めます。積分定数は回路の初期条件をI式に代入すれば求められ、この回路の場合、時間 $t = 0$ のときはコンデンサ $C$ に蓄えられている電荷がゼロなので、初期条件は $t = 0$、$q(t) = 0$ になります。(電荷の式で考えているので、初期条件も電流ではなく電荷で考えます。)

 

回路の初期条件の説明図(t=0、q(t)=0)

 

$t=0$、$q(t) = 0$ をI式に代入すると、

 

$CE - 0 = e^D \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times 0}$ 、 $CE = e^D \cdot e^0 = e^D \cdot 1 = e^D$  $\therefore e^D = CE$ …J

 

J式の両辺の対数をとって $D = \cdots$ を求めてもいいのですが、I式をみると $e^D$ をそのまま代入できるので、JをI式にそのまま代入します。すると、

 

$CE - q(t) = CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ 、 $-q(t) = -CE + CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

$\therefore q(t) = CE - CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …K (←これがコンデンサ $C$ の電荷の一般解)

 

となり、$RC$ 直列回路のコンデンサ $C$ に蓄えられる電荷の一般解が求められました。

 

K式は電荷の一般解で、求めたいのは回路に流れる電流 $i(t)$ の一般解なので、次に、K式を使って電流 $i(t)$ の一般解を求めます。

 

電荷の式から電流の式を求めるためには、ここで何度か使っている電流と電荷の関係式を使います。

 

電流と電荷の関係式は、$i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ でしたので、K式の電荷 $q(t)$ を時間 $t$ で微分すれば電流 $i(t)$ が求められます。なので、

 

$i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ $= \dfrac{d}{dt} \left( CE - CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right)$ となり、この式を解くと電流 $i(t)$ を求めることができます。では、解いてみましょう。

 

$CE$ は定数なので、微分の外に出してしまいます。

 

$i(t) = CE \cdot \dfrac{d}{dt} \left( 1 - e^{-\frac{1}{RC} t} \right)$

 

$\dfrac{d}{dt} 1 = 0$ 、 $\dfrac{d}{dt} e^{-\frac{1}{RC} t} = -\dfrac{1}{RC} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ $\left(\because \text{微分の公式より、}\dfrac{d}{dx} e^{ax} = a \cdot e^{ax} \right)$ なので、

 

$i(t) = CE \, \Big\lbrace 0 - \left( -\dfrac{1}{RC} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right) \Big\rbrace$ $= CE \left( \dfrac{1}{RC} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right)$ $= \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

$\therefore i(t) = \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …L (←これが回路電流の一般解)

 

となり、$RC$ 直列回路に流れる電流の一般解が求められました。

 

RC直列回路に流れる電流のグラフ

$RC$ 直列回路に流れる電流の一般解が求められたので、次は回路電流 $i(t)$ のグラフを書いてみます。

 

先ほど求めた電流の式(L式)より、$RC$ 直列回路の回路電流の式は次のようになります。

 

$i(t) = \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …L

 

回路電流 $i(t)$ は、$t=0$ のとき $i(0) = \dfrac{E}{R}$ となり、$t = \infty$ のとき $i( \infty) =0$ となるグラフになり、次のようになります。
$\Big( \because i(0) = \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times 0} = \dfrac{E}{R} \cdot e^0$ $= \dfrac{E}{R}$ 、 $i( \infty ) = \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times \infty} = \dfrac{E}{R \cdot e^{\frac{1}{RC} \times \infty}}$ $= \dfrac{E}{ \infty } = 0 \Big)$

 

RC直列回路に流れる電流i(t)のグラフ

 

このグラフをみると、回路に流れる電流は $\dfrac{E}{R}$[$ \mathrm{A} $]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達するという意味)と電流の大きさは $0$[$ \mathrm{A} $]になるのが分かります。

 

つまり、スイッチをONした直後はコンデンサ $C$ は短絡されたような状態で抵抗 $R$ だけに制限された電流が流れ、回路に電流が流れたことでコンデンサ $C$ に電荷が徐々に蓄えられ、コンデンサ $C$ に電荷がたまりきる(フル充電)と回路には電流が流れなくなります(定常状態に達する)。(これ、大事!)

 

ちなみに、$RC$ 直列回路の時定数 $\tau$ は、$\tau = RC$ になります。

 

RC直列回路のコンデンサCに蓄えられる電荷のグラフ

ついでに、コンデンサ $C$ に蓄えられる電荷のグラフも書いてみます。

 

コンデンサ $C$ に蓄えられる電荷の式(一般解)はK式より、

 

$q(t) = CE - CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …K でした。

 

ちなみに、このK式の右辺の第1項を定常項、第2項を過渡項といいます。

 

RC直列回路のコンデンサCに蓄えられる電荷の式の定常項と過渡項の説明図

 

K式のグラフを書くために、K式を第1項と第2項に分けて考え、$q_1(t) = CE$、$q_2(t) = CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ とします。(つまり、$q(t) = q_1(t) - q_2(t)$)

 

まず $q_1(t)$ のグラフを書いてみます。$q_1(t)$ は定数(時間で変化しない一定の値)なので、次のようなグラフになります。

 

q1(t)のグラフ

 

次に $q_2(t)$ のグラフですが、$q_2(t)$ のグラフは、 $t=0$ のとき $q_2(0) =CE$ となり、$t = \infty$ のとき $q_2( \infty ) = 0$ となるグラフで、次のようになります。
$\Big( \because q_2(0) = CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times 0} = CE \cdot e^{0}$ $= CE$ 、 $q_2( \infty ) = CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times \infty} = \dfrac{CE}{e^{\frac{1}{RC} \times \infty}}$ $= \dfrac{CE}{\infty} =0 \Big)$

 

q2(t)のグラフ

 

$q_1(t)$と$q_2(t)$ の2つのグラフを1つの座標上に重ねて書くと次のようになります。

 

一つの座標上に書いたq1(t)とq2(t)のグラフ

 

したがって、K式の $q(t)$ は $q(t) = q_1(t) - q_2(t)$ であり、$q_1(t)$ から $q_2(t)$ を引いたものが $q(t)$ になるので、$q(t)$ のグラフは次のようになります。

 

RC直列回路のコンデンサCの電荷q(t)のグラフ

 

以上で $RC$ 直列回路のコンデンサ $C$ に蓄えられる電荷 $q(t)$ のグラフが書けましたが、$q(t)$ のグラフをみると $RC$ 直列回路の場合、コンデンサ $C$ に蓄えられる電荷はゼロから始まり、徐々に大きくなって、ある程度の時間が経過する(定常状態に達するという意味)と $CE$ の大きさの電荷がたまったままになることが分かります。(つまり、定常状態に達すると電荷の大きさは変化しなくなるということです。)

 

ちなみに、電流と電荷の関係式より電流と電荷の関係は $i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ なので、電荷 $q(t)$ の大きさが変化しないということは電流が流れないということになります。(これ、大事!)

 

 


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RC直列回路の抵抗Rの電圧の一般解の求め方

$RC$ 直列回路に流れる電流 $i(t)$ は先ほどのL式で与えられるので、L式を使うと、抵抗 $R$ の電圧 $e_R(t)$[$ \mathrm{V} $]は次のようになります。

 

eR(t)はここの電圧

 

$e_R(t) = i(t) \cdot R = \left( \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right) \cdot R$ $= E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

$\therefore e_R(t) = E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …M (←これが抵抗 $R$ の電圧の一般解)

 

電流を求めてしまえば、抵抗 $R$ の電圧の一般解は簡単に求められますね。

 

RC直列回路の抵抗Rの電圧のグラフ

グラフについては、電圧 $e_R(t)$ は $i(t)$ に $R$ をかけただけなので、$i(t)$ と同じような形のグラフで次のようになります。

 

RC直列回路の抵抗Rにかかる電圧のグラフ

 

このグラフをみると、抵抗 $R$ にかかる電圧は $E$[$ \mathrm{V} $]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達するという意味)と電圧の大きさは $0$[$ \mathrm{V} $]になるのが分かります。

 

つまり、スイッチをONした直後は電源の電圧がすべて抵抗 $R$ にかかりますが、定常状態に達すると抵抗 $R$ には電圧がかからず、電源の電圧はすべてコンデンサ $C$ にかかることになります。(これ、大事!)

 

RC直列回路のコンデンサCの電圧の一般解の求め方

コンデンサ $C$ の電圧の一般解についても求めてみましょう。

 

ここでも先ほど求めた電流 $i(t)$ の式(L式)を使うと、コンデンサ $C$ の電圧 $e_C(t)$[$ \mathrm{V} $]は次のようになります。

 

eC(t)はここの電圧

 

$e_C(t) = \dfrac{1}{C} \displaystyle\int i(t) \, dt$ $= \dfrac{1}{C} \displaystyle\int \left( \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right) \, dt$

 

この式を解くとコンデンサ $C$ の電圧 $e_C(t)$ を求めることができます。では、解いてみましょう。

 

$\dfrac{E}{R}$ は定数なので、積分の外に出してしまいます。

 

$e_C(t) = \dfrac{E}{RC} \displaystyle\int e^{-\frac{1}{RC} t} \, dt$ $= \dfrac{E}{RC} \cdot \dfrac{1}{-\dfrac{1}{RC}} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} + F$ $= -E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} + F$

 

$\therefore e_C(t) = -E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} + F$ ($F$ は積分定数) …N

 

N式には積分定数があるので、あとは積分定数を求めればいいです。

 

この回路の場合、時間 $t=0$ のときはコンデンサ $C$ には電荷がなく、つまりコンデンサ $C$ の電圧はゼロなので、初期条件は $t=0$、$e_C(t) = 0$ になります。なので、$t=0$、$e_C(t) = 0$ をN式に代入すると、

 

$0 = -E \cdot e^{-\frac{1}{RC} \times 0} + F$ 、 $0 = -E + F$  $\therefore F = E$ …O

 

積分定数が求められたので、OをN式に代入します。すると、

 

$e_C(t) = -E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} + E$

 

$\therefore e_C(t) = E -E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ …P (←これがコンデンサ $C$ の電圧の一般解)

 

以上で $RC$ 直列回路のコンデンサ $C$ の電圧の一般解が求められました。

 

参考|コンデンサCの電圧の一般解を求める別の計算方法

コンデンサ $C$ の電圧の一般解を求めるには、次のように計算してもいいです。

 

コンデンサ $C$ の電圧は $e_C(t) = \dfrac{1}{C} \displaystyle\int i(t) \, dt$ で与えられますが、電流と電荷の関係式より $i(t) = \dfrac{d \, q(t)}{dt}$ なので、これを代入すると、

 

$e_C(t) = \dfrac{1}{C} \displaystyle\int \left( \dfrac{d \, q(t)}{dt} \right) \, dt$ $= \dfrac{1}{C} \cdot q(t)$ となるので、この式に既に求めている電荷の一般解の式(K式)を代入してもいいです。代入してみると、

 

$e_C(t) = \dfrac{1}{C} \left( CE - CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t} \right)$ $= E - E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

$\therefore e_C(t) = E - E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$ となり、先ほど求めたP式と同じになります。

 

こっちの方が簡単かもね。

 

RC直列回路のコンデンサCの電圧のグラフ

コンデンサ $C$ の電圧 $e_C(t)$ が求められたのでグラフも書いてみます。

 

グラフについては、電圧 $e_C(t)$ は電荷 $q(t)$ に $\dfrac{1}{C}$ をかけただけなので、$q(t)$ と同じような形のグラフで次のようになります。

 

RC直列回路のコンデンサCにかかる電圧のグラフ

 

このグラフをみると、コンデンサ $C$ の電圧は $0$[$ \mathrm{V} $]から始まり、ある程度時間が経過する(定常状態に達するという意味)と電圧の大きさは $E$[$ \mathrm{V} $]になるのが分かります。

 

コンデンサ $C$ の電圧 $e_C(t)$ が最終的に $E$[$ \mathrm{V} $]になるということは、定常状態に達すると電源の電圧がすべてコンデンサ $C$ にかかるということになります。

 

RC直列回路の過渡現象のまとめ

以上をまとめると次のようになります。

RC直列回路

 

RC直列回路の回路図とグラフの概形

 

RC直列回路の過渡現象の解き方

@回路の回路方程式(積分方程式)をたてる
A電流と電荷の関係式を使って@の積分方程式を電荷に関する微分方程式にする
B初期条件から電荷の一般解を求める
C電流と電荷の関係式を使ってBで求めた電荷の一般解から電流の一般解を求める
D電圧の一般解はCで求めた電流の一般解を使って求める

 

RC直列回路の過渡現象の一般解の式

コンデンサ $C$ の電荷の一般解: $q(t) = CE - CE \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

回路電流の一般解: $i(t) = \dfrac{E}{R} \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

抵抗 $R$ の電圧の一般解: $e_R(t) = E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

コンデンサ $C$ の電圧の一般解: $e_C(t) = E - E \cdot e^{-\frac{1}{RC} t}$

 

RC直列回路の時定数

時定数: $\tau = RC$

 

RC直列回路の過渡現象のグラフ

 

RC直列回路のコンデンサCに蓄えらえる電荷のグラフ

 

 

RC直列回路の回路電流のグラフ

 

 

RC直列回路の抵抗R、コンデンサCにかかる電圧のグラフ

 

 

 

過渡現象を解くためには微分方程式(または積分方程式)を解く必要があるため計算が大変になる場合もありますが、たいていの場合、決まった形の微分方程式を解くだけなので、初めは大変かもしれませんがパターンをおぼえて慣れれば大丈夫ですよ。

 

それから、電験二種の一次試験の理論では過渡現象の解き方などが出題されることがあり、$RL$ 直列回路と $RC$ 直列回路の過渡現象の解き方は過渡現象回路を解くための基本になるので、電験二種を受験する方は解き方をおぼえておくようにしましょう。

 

電験三種を受験する方は過渡現象の解き方までは分からなくてもいいと思いますが、$RL$ 直列回路と $RC$ 直列回路の過渡現象のグラフと時定数は必ずおぼえておくようにしましょう。

 

 

 

微分の公式についてはこちらの微分の公式のページ、積分の公式についてはこちらの積分の公式のページを参考にしてみてください。

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