三路スイッチと四路スイッチ

電気技術者試験センターから公表される第二種電気工事士技能試験の候補問題(全部で13問ある)には、毎年必ず、「三路スイッチと四路スイッチを使った回路」が含まれているので、技能試験を受験する方は、この三路スイッチ、四路スイッチについて分かっていなければなりません。

 

ですので、このページでは、

 

三路スイッチって何?

 

四路スイッチって何?

 

三路スイッチと四路スイッチはどうやって使うの?

 

というところをできるだけ簡単に解説します。

 

三路スイッチって?

う〜ん、ちょっとイメージできるように、まずは三路スイッチの写真から見てみましょう。

 

三路スイッチの写真(表面)

 

三路スイッチはこのようなスイッチです。

 

ふつうのスイッチと似てますが・・・

 

では、ふつうのスイッチと並べてみましょう。

 

三路スイッチとタンブラスイッチの写真(表面)

 

左が三路スイッチ、右がふつうのスイッチ(タンブラスイッチといいます)です。

 

この2つのスイッチを見比べてみると、ふつうのスイッチには「黒いポッチ」がありますが、三路スイッチにはありません。
ふつうのスイッチに付いているこの「黒いポッチ」は、ポッチ側を押すとスイッチがON、ポッチ側ではない側を押すとスイッチがOFFしますという意味で付いています。

 

タンブラスイッチの説明写真

 

それでは、

 

なぜ、三路スイッチには「黒いポッチ」がないのでしょうか?

 

それは、

 

三路スイッチにはどっちがONでどっちがOFFというのがない

 

からなんです。

 

言い換えると、

 

三路スイッチとは、どっちもONでどっちもOFFするスイッチ。

 

それで、どっちもONでどっちもOFFする三路スイッチって、実はみんなが知っているスイッチで、2階建て住宅などの階段のスイッチに使われています。
階段のスイッチは上の階でもON/OFFできて、下の階でもON/OFFできますよね?
それって、三路スイッチを使っているからできるんです!
(2階建てのおうちに住んでいる方は、階段のスイッチを見てみましょう。黒いポッチがないでしょ?)

 

それでは次に、
なぜ、三路スイッチは上の階でも下の階でもON/OFFできるのか?
三路スイッチの内部の接続から考えてみましょう。

 

三路スイッチは、なぜ、上の階でも下の階でもON/OFFできるの?

三路スイッチの内部の接続は次の図1のようになっていて、

 

三路スイッチの内部の接続図

 

スイッチを切り替える(左側を押すか?右側を押すか?)ことで三路スイッチの内部の接続が「0と1」または「0と3」に切り替わります。

 

三路スイッチの切り替えと内部の接続

 

三路スイッチの左側を押すと「0と1」がつながって、右側を押すと「0と3」がつながります。

 

それで、

 

どうすれば、上の階でも下の階でもON/OFFできるのか?

 

ですが、

 

上の階でも下の階でもON/OFFできるようにするためには、この三路スイッチを2個使って次の図3のような回路にします。ここで、三路スイッチ@は下の階にあるスイッチ、三路スイッチAは上の階にあるスイッチと考えましょう。

 

三路スイッチを使った回路の例

 

この図3では、三路スイッチ@、Aの両方ともスイッチの左側が押されている状態なので、両方の三路スイッチの内部の接続は「0と1」です。
なので、電流が図4の赤線のように流れて電球が点灯します。

 

三路スイッチを使った回路の例(電流の流れ)

 

それでは、図4のスイッチの状態から三路スイッチ@とAをそれぞれ切り替えていったときに「電球の点灯/消灯がどうなるか?」みてみます。

 

図4の状態から三路スイッチ@の右側を押すと・・・

三路スイッチ@の右側を押すと、三路スイッチ@の接続は「0と1」から「0と3」に切り替わります。すると、回路は図5のようになって、接続が切れるので電球は消灯します。

 

三路スイッチ@の右側を押した場合

 

図5の状態から三路スイッチAの右側を押すと・・・

三路スイッチAの右側を押すと、三路スイッチAの接続は「0と1」から「0と3」に切り替わります。すると、回路は図6のようになって、電流が赤線のように流れるので電球は点灯します。

 

三路スイッチAの右側を押した場合

 

図6の状態から三路スイッチ@の左側を押すと・・・

三路スイッチ@の左側を押すと、三路スイッチ@の接続は「0と3」から「0と1」に切り替わります。すると、回路は図7のようになって、接続が切れるので電球は消灯します。

 

三路スイッチ@の左側を押した場合

 

以上、図4〜図7をみると分かるように、三路スイッチを2個使用すると、上の階と下の階のどちらでも電球の点灯/消灯をすることができます。

 

三路スイッチはこのように、離れた場所から同じものをON/OFFするときに使用するスイッチです。

 

それでは次に、四路スイッチについて説明します。

 

 


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四路スイッチって?

四路スイッチは三路スイッチと似ていますが、

 

三路スイッチと四路スイッチ(表面)の写真

 

四路スイッチは、どのようなときに使うスイッチなのでしょうか?

 

さっきの三路スイッチは離れた2つの場所(例えば上の階と下の階)で同じもの(電球)をON/OFFできるスイッチでした。

 

それで次は四路スイッチですが、四路スイッチは、

 

離れた3つ以上の場所で同じものをON/OFFするときに三路スイッチと組み合わせて使用するスイッチ

 

です。

 

四路スイッチの内部の接続は図8のようになっていて、

 

四路スイッチの内部の接続図

 

スイッチを切り替える(左側を押すか?右側を押すか?)ことで四路スイッチの内部の接続が「1と4、3と2」または「1と2、3と4」に切り替わります。

 

それで、この四路スイッチと三路スイッチを組み合わせて使うと、離れた3つ以上の場所で同じものをON/OFFできるのですが、例えば、離れた3つの場所でON/OFFする場合を考えると、このときの回路は次の図9のようになります。

 

三路スイッチと四路スイッチを使った回路の例

 

この図9では、両端の三路スイッチ@とA、真中の四路スイッチともにスイッチの左側が押されている状態なので、三路スイッチ@とAの内部の接続は「0と1」、四路スイッチの内部の接続は「1と4、3と2」です。
なので、この場合、回路の接続が切れているので電流は流れず電球は消灯します。

 

それでは、図9のスイッチの状態からそれぞれのスイッチを切り替えていったときに「電球の点灯/消灯がどうなるか?」みてみます。

 

図9の状態から三路スイッチ@の右側を押すと・・・

三路スイッチ@の右側を押すと、三路スイッチ@の接続は「0と1」から「0と3」に切り替わります。すると、回路は図10のようになって、赤線のように電流が流れるので電球は点灯します。

 

三路スイッチ@の右側を押した場合

 

図10の状態から四路スイッチの右側を押すと・・・

四路スイッチの右側を押すと、四路スイッチの接続は「1と4、3と2」から「1と2、3と4」に切り替わります。すると、回路は図11のようになって、接続が切れるので電球は消灯します。

 

四路スイッチの右側を押した場合

 

図11の状態から三路スイッチAの右側を押すと・・・

三路スイッチAの右側を押すと、三路スイッチAの接続は「0と1」から「0と3」に切り替わります。すると、回路は図12のようになって、赤線のように電流が流れるので電球は点灯します。

 

三路スイッチAの右側を押した場合

 

以上、図9〜図12をみるとわかるように、三路スイッチ2個と四路スイッチ1個を使用すると、離れた3つの場所のどこでも電球の点灯/消灯をすることができます。

 

四路スイッチはこのように三路スイッチと組み合わせて使用することで、離れた3つ以上の場所から同じものをON/OFFすることができるスイッチです。

 

ちなみに4箇所以上の場所でON/OFFするときには、両端の三路スイッチの間に四路スイッチを必要な分さらに追加して回路を作ります。(両端は必ず三路スイッチ、その間は四路スイッチになります。)

 

参考に、4箇所でON/OFFするときの回路を図13に書いておきます。

 

三路スイッチと四路スイッチを使った4箇所でON/OFFするときの回路の例

 

三路スイッチと四路スイッチ、分かってもらえたでしょうか?

 

 

補足|三路スイッチと四路スイッチは裏面を見て区別しましょう!

三路スイッチと四路スイッチは表面から見ても区別できませんが、裏面を見るとどっちがどっちか区別することができます。

 

三路スイッチと四路スイッチの裏面の写真

 

上の写真をよ〜く見ると、左の三路スイッチの端子(電線を挿すところ)には「0」「0」「3」「1」と書いてあって、右の四路スイッチの端子には「1」「3」「2」「4」と書いてあります。

 

なので、このスイッチは三路かな〜? 四路かな〜? と迷ったときは裏面を見ましょう!

 

ついでに、ふつうのスイッチ(タンブラスイッチ)の裏面の写真も載せておきます。

 

タンブラスイッチの裏面の写真

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