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確認表示灯(パイロットランプ)の常時点灯、同時点滅、異時点滅回路

第二種電気工事士技能試験の候補問題では、毎年、確認表示灯(パイロットランプ)を使った単線図が出題されています。

 

※候補問題とは、第二種電気工事士試験の試験問題を作成している電気技術者試験センターから毎年1月に公表される問題で、全部で13問あり、この中からどれか1問が技能試験で出題されます。

 

確認表示灯を使う回路には「常時点灯回路」「同時点滅回路」「異時点滅回路」の3種類があるのですが、単線図で書くとどれも同じで区別できないため、候補問題の横の「特記」に、どの回路にするか?が書かれています。

 

例えば平成26年度の候補問題の場合、No.3とNo.7で確認表示灯が使われていて、それぞれの単線図の「特記」に次のように書かれています。

 

平成26年度候補問題No.3とNo.7の単線図

 

No.3の場合には「特記」に「確認表示灯(パイロットランプ)は、同時点滅とする。」と書かれているので、できあがった施工物の確認表示灯は同時点滅するようになっていなければなりません。

 

No.7の場合には「特記」に「確認表示灯(パイロットランプ)は、常時点灯とする。」と書かれているので、できあがった施工物の確認表示灯は常時点灯するようになっていなければなりません。

 

(第二種電気工事士の技能試験では、異時点滅回路はここ何年も出題されていません。今後も出題されることはないんですかね〜? ま、いっか。)

 

すると、技能試験の施工の練習をするためには、常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路について勉強しておかなければなりません。

 

なので、このページでは確認表示灯(パイロットランプ)を使った3つの回路(常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路)について解説します。

常時点灯回路

常時点灯回路ってなに?

まずは3つの回路の中で一番簡単な常時点灯回路から解説します。

 

常時点灯回路を簡単にいえば常時点灯回路は「常時点灯する回路」です。

 

あまり簡単になっていないですね。もうちょっと簡単にすると、

 

常時点灯回路はスイッチのON/OFFに関係なくいつも確認表示灯が点灯している回路

 

です。ちょっとは分かりやすくなったと思います。(たぶん)

 

常時点灯回路は「スイッチのON/OFFに関係なくいつも確認表示灯が点灯している回路」なので、これ、確認表示灯がツキッパ(点きっ放し)の回路なんですね。

 

では、常時点灯回路の複線図をみてみましょう!

 

じゃ〜ん。常時点灯回路の単線図と複線図(例)は下図のようになります。

 

常時点灯回路の単線図と複線図の例

 

右図の複線図の回路は「スイッチのON/OFFに関係なくいつも確認表示灯が点灯している回路(ランプレセプタクルのランプはスイッチONで点灯、OFFで消灯)」になっているんですけど分かりますか? 複線図は見慣れないと、どんな回路になっているか分かりにくいんですよね。

 

回路が分かりやすくなるように、複線図をびよ〜んと伸ばしてきれいに書いてみます。すると、次のような回路になっています。

 

常時点灯回路の複線図を整理した回路図

 

だいぶ分かりやすくなりましたね。

 

上の回路図をみると、確認表示灯に電源のプラス(+)とマイナス(−)が直接つながれているので、確認表示灯はいつも点灯していることになります。

 

このように、スイッチのON/OFFに関係なくいつも確認表示灯が点灯していることを常時点灯といって、そのようになるようにした回路のことを常時点灯回路といいます。

 

 

 

常時点灯回路の複線図の書き方は平成29年度候補問題No.2の複線図の書き方のページを参考にしてみましょう。常時点灯回路だけの複線図の書き方をいっしょうけんめいおぼえるよりも、候補問題でおぼえた方が効率的に勉強を進められ、実用的ですよ。

 

常時点灯回路を作ってみた

常時点灯回路を作ってみました。

 

作ってみた常時点灯回路の写真(表面)

 

って、表だけみてもあまり意味ないですね。では、裏をみてみましょう。

 

作ってみた常時点灯回路の写真(裏面)

 

こんな感じになりました。

 

常時点灯回路を作ってみるとこのような回路になって、電源のプラス(+)とマイナス(−)が確認表示灯に直接つながります。(電源のプラスの線はスイッチにつないでから確認表示灯に渡らせてもいいです。)

 

作ってみた常時点灯回路の説明写真(裏面を拡大)

 

常時点灯回路を動作させてみた

せっかく回路を作ったので、どんな動きになるか確認してみましょう。

 

動作確認には技能試験のおすすめお役立ちグッズのページでも紹介しているホーザンの合格配線チェッカー(Z-222)を使います。

 

ただし、この合格配線チェッカーでは確認表示灯(パイロットランプ)を点灯させることができないので、確認表示灯の代わりに、施工省略箇所の接続確認用LED(合格配線チェッカーに付属のもの)を使ってみます。

 

回路もちょっとだけ変更していますが、複線図の例の回路と電気的にはまったく同じ回路です。

 

まずはスイッチOFFの状態です。

 

スイッチがOFFのときの常時点灯回路の写真

 

スイッチがOFFなのでランプレセプタクルのランプは消灯していますが、常時点灯回路なので確認表示灯は点灯しています。

 

次はスイッチをONしてみましょう。下の写真がスイッチONの状態です。

 

スイッチがONのときの常時点灯回路の写真

 

スイッチがONなのでランプレセプタクルのランプは点灯し、常時点灯回路なので確認表示灯はスイッチOFFのときと同じように点灯したままになります。(確認表示灯はいつでも点灯ですね。)

 

これで常時点灯回路の動きが分かったと思います。実際に作った回路を動かしてみるとイメージができて分かりやすいですね。

同時点滅回路

同時点滅回路ってなに?

次は同時点滅回路について解説します。

 

先ほどの常時点灯回路は常時点灯回路でしたが、ここで説明するのは同時点滅回路です。

 

回路の名前の「点灯」と「点滅」が使い分けられています。

 

常時点灯回路は点灯回路なのでツキッパの回路でしたが、同時点滅回路は点滅回路なので、点いたり消えたりする回路になります。

 

それで、同時点滅回路は「同時に点滅する回路」なので、簡単にいえば、

 

同時点滅回路はスイッチと同時に確認表示灯が点いたり消えたりする回路

 

で、スイッチをONすると確認表示灯が点灯し、スイッチをOFFすると確認表示灯が消灯する回路になります。

 

では、同時点滅回路の複線図をみてみましょう!

 

同時点滅回路の単線図と複線図の例は下図のようになります。

 

同時点滅回路の単線図と複線図の例

 

右図の複線図の回路は「スイッチをONすると確認表示灯が点灯し、スイッチをOFFすると確認表示灯が消灯する回路(ランプレセプタクルのランプもスイッチONで点灯、OFFで消灯)」になっています。

 

回路が分かりやすくなるように、またまた、複線図をびよ〜んと伸ばしてきれいに書いてみます。すると、次のような回路になっています。

 

同時点滅回路の複線図を整理した回路図

 

上の回路図をみると、スイッチをONすると確認表示灯とランプレセプタクルのどちらにも電源のプラス(+)がつながるので、スイッチONでどちらも点灯することになります。もちろん、スイッチをOFFするとどちらも消灯します。

 

このように、スイッチをONすると確認表示灯が点灯し、スイッチをOFFすると確認表示灯が消灯することを同時点滅といって、そのようになるようにした回路のことを同時点滅回路といいます。

 

 

 

同時点滅回路の複線図の書き方は平成29年度候補問題No.10の複線図の書き方のページを参考にしてみましょう。

 

同時点滅回路を作ってみた

同時点滅回路も作ってみました。

 

作ってみた同時点滅回路の写真(表面と裏面)

 

こんな感じになりました。

 

同時点滅回路を作ってみると、このような回路になって、まず電源のプラス(+)がスイッチにつながって、スイッチの出口(もう片側)から確認表示灯に渡って、そこからさらにランプレセプタクルにつながります。

 

作ってみた常時点灯回路の説明写真(裏面を拡大)

 

同時点滅回路を動作させてみた

同時点滅回路についても、どんな動きになるのか確認してみましょう。

 

またまた、ホーザンの合格配線チェッカー(Z-222)を使ってみます。常時点灯回路のときと同じように、確認表示灯の代わりに施工省略箇所の接続確認用LEDを使用します。

 

ここでも回路をちょっと変更していますが、複線図の例の回路と電気的にはまったく同じ回路です。

 

まずはスイッチOFFの状態です。

 

スイッチがOFFのときの同時点滅回路の写真

 

スイッチがOFFなので、ランプレセプタクルのランプも確認表示灯も消灯しています。

 

スイッチをONしてみましょう。下の写真がスイッチONの状態です。

 

スイッチがONのときの同時点滅回路の写真

 

スイッチがONなのでランプレセプタクルのランプは点灯し、同時点滅回路なので確認表示灯も点灯します。

 

これで同時点滅回路の動きが分かったと思います。実際に作った回路の動きをみるとおぼえやすいですね!

 

 


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異時点滅回路

異時点滅回路ってなに?

3つのうちの最後は異時点滅回路です。

 

先ほどの同時点滅回路は同時点滅回路でしたが、ここで説明するのは異時点滅回路です。

 

同時点滅回路は「スイッチONで確認表示灯(パイロットランプ)が点灯、スイッチOFFで確認表示灯が消灯」というように、スイッチと確認表示灯が同時の動きをする回路でした。

 

それに対して異時点滅回路は異時なので、同時点滅回路とは反対の動きをする回路になります。簡単にいえば、

 

異時点滅回路はスイッチと異時に確認表示灯が点いたり消えたりする回路

 

で、スイッチをONすると確認表示灯が消灯し、スイッチをOFFすると確認表示灯が点灯する回路になります。

 

では、異時点滅回路の複線図をみてみましょう!

 

異時点滅回路の単線図と複線図の例は下図のようになります。

 

異時点滅回路の単線図と複線図の例

 

異時点滅回路の複線図はあまり複雑ではないのですが、いちおう、びよ〜んと伸ばした回路にしてみます。すると、次のような回路になります。

 

異時点滅回路の複線図を整理した回路図

 

確認表示灯とスイッチが並列になっていますが・・・

 

あれ? なぜ、この回路で異時点滅になるんでしょうか?

 

スイッチをONしたときは、スイッチの抵抗はほぼ0Ωなので電流は確認表示灯を通らずにスイッチの方だけを流れて、確認表示灯は点灯せずにランプレセプタクルのランプだけ点灯しそうです。

 

異時点滅回路でスイッチをONしたときの説明図

 

スイッチをOFFしたときは、電源の電圧がランプレセプタクルのランプと確認表示灯に分けられるので(分圧です)、 どちらも点灯? どちらも消灯? どちらかだけ点灯?・・・ どうなるんでしょう?

 

分圧の説明図

 

どうにかなっちゃうと、どうにかなっちゃいますよね?

 

でも、異時点滅回路は上の回路でちゃんと異時点滅できるようになっています。

 

その理由は、確認表示灯の内部抵抗がランプレセプタクルのランプの内部抵抗よりもすごく大きく、確認表示灯の大きな内部抵抗で回路に流れる電流を制限していることと、ランプレセプタクルのランプはある程度大きな電流が流れないと点灯することができないからなんです。(確認表示灯は小さい電流でも点灯します。)

 

まず、スイッチONの場合から考えてみます。

 

スイッチをONした場合、確認表示灯はスイッチにより両端が短絡されてしまうので、確認表示灯にかかる電圧は0Vになり確認表示灯は消灯します。

 

異時点滅回路の説明図(スイッチON)@

 

それで、確認表示灯の電圧が0Vなのでランプレセプタクルのランプの方に電源電圧がすべてかかることになり、ランプレセプタクルのランプは点灯することになります。

 

異時点滅回路の説明図(スイッチON)A

 

なので、スイッチをONしたときは確認表示灯が消灯するので異時点滅になっていますね。

 

次は、スイッチをOFFした場合を考えてみます。

 

スイッチをOFFすると、回路はランプレセプタクルのランプと確認表示灯が直列に接続された回路になります。説明を分かりやすくするために、先ほどの回路を内部抵抗だけで書いてみると下の右図のようになります。(スイッチもOFFなので消してしまいます。)

 

異時点滅回路の説明図(スイッチOFF)@

 

すると、オームの法則より回路に流れる電流は、

 

スイッチOFFのときの異時点滅回路に流れる電流の式・・・@式

 

となります。

 

それで、確認表示灯の内部抵抗はランプレセプタクルのランプの内部抵抗よりもすごく大きいので、@式は次のA式としてもほぼ同じです。

 

スイッチOFFのときの異時点滅回路に流れる電流の式・・・A式

 

A式は「電源電圧」を「確認表示灯の内部抵抗」で割れば回路に流れる電流の大きさですよ、という意味なので、回路に流れる電流は確認表示灯の内部抵抗の大きさで決まることになります。

 

それで、確認表示灯の内部抵抗の大きさですが、これはすごく大きいものなので、結果として、スイッチをOFFしたときに回路に流れる電流は小さくなります。

 

異時点滅回路の説明図(スイッチOFF)A

 

この「スイッチをOFFしたときに回路に流れる電流が小さくなる」というのがスイッチをOFFしたときの異時点滅のポイントで、ランプレセプタクルのランプは電流がある程度大きくなければ点灯せず、確認表示灯は小さい電流でも点灯するようになっています。

 

なので、スイッチをOFFすると確認表示灯だけが点灯することになります。

 

以上のように、スイッチをONすると確認表示灯が消灯して、スイッチをONすると確認表示灯が点灯することを異時点滅といって、そのようになるようにした回路のことを異時点滅回路といいます。

 

異時点滅回路を作ってみた

異時点滅回路を作ってみました。

 

作ってみた異時点滅回路の写真(表面と裏面)

 

こんな感じになりました。

 

異時点滅回路を作ってみると、このような回路になって、確認表示灯とスイッチを並列につなげるだけです。

 

作ってみた異時点滅回路の説明写真(裏面を拡大)

 

異時点滅回路を動作させてみたかった

※↑「動作させてみた」ではなく「動作させてみたかった」です。

 

異時点滅回路もホーザンの合格配線チェッカーを使って動作させてみたかったのですが・・・

 

異時点滅回路の説明のところで書いたように、異時点滅回路は「ランプレセプタクルのランプと確認表示灯の内部抵抗の大きさの違い」と「ランプレセプタクルのランプが点灯できる電流と確認表示灯が点灯できる電流の大きさの違い」を利用して動作させる回路でした。

 

なので、ホーザンの合格配線チェッカーのLEDでランプの代用をしても動作の確認ができないんですね。(ここまでは、私が勝手に施工省略箇所の接続確認用LEDを確認表示灯の代わりに使っていただけですが・・・)

 

でも、やってみたらどうなるか見たくないですか?

 

ということで、やってみました。

 

まずはスイッチOFFじゃなくて、ONからいってみましょう!

 

スイッチがONのときの異時点滅回路の写真

 

スイッチがONなので、ランプレセプタクルのランプは点灯し、確認表示灯は消灯しています。OKです!

 

次はスイッチOFFです!

 

下の写真のようになってしまいました・・・

 

スイッチがOFFのときの異時点滅回路の写真

 

スイッチがOFFなのでランプレセプタクルのランプは消灯するはずなのですが、びみょ〜に点灯しています。

 

確認表示灯はスイッチがOFFなのでおもいっきり点灯してほしいのですが、びみょ〜な点灯です。

 

ホーザンの合格配線チェッカーの電源は3Vなのですが、2つのLEDが直列に接続されているので、1.5Vずつしか電圧がかかっていないんですね。なので、どちらも微妙に点灯してしまっているんです。

 

あ〜あ、残念でした。

常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路のまとめ

最後に、常時点灯回路、同時点滅回路、異時点滅回路についてまとめておきます。

回路の種類とスイッチの状態

確認表示灯

ランプレセプタクルのランプ

常時点灯回路

スイッチOFF

点灯

消灯

スイッチON

点灯

点灯

同時点滅回路

スイッチOFF

消灯

消灯

スイッチON

点灯

点灯

異時点滅回路

スイッチOFF

点灯

消灯

スイッチON

消灯

点灯

 

本ページでは解説の理解を容易にするため、電源線の種別を「プラス」「マイナス」と記載・表記しています。
プラス=非接地側、マイナス=接地側という意味になります。

─ このページに掲載の単線図について ─
このページに掲載の単線図は(一財)電気技術者試験センターから公表された第二種電気工事士技能試験の候補問題です。 本ページの内容に関するお問合せは本サイト管理人までお願いします。

 

─ 確認表示灯(パイロットランプ)について ─
確認表示灯(パイロットランプ)には電圧検知形と電流検知形がありますが、このページは電圧検知形の確認表示灯として解説しています。

 

 

 

このページに掲載の回路の動作確認に使用したホーザンの合格配線チェッカー(Z-222)はこちらの技能試験のお役立ちグッズのページで紹介していますので、興味がある方は参考にしてみてください。

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