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電線の許容電流(電技解釈第146条)

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電線の許容電流の問題は、第二種電気工事士学科試験でほぼ毎年(毎回)出題されています。

 

電線の許容電流とは、

 

電線の太さが直径○○mmまたは断面積○○mm2のときに、その電線にどのくらいまで電流を流してもよいか?

 

という値になります。

 

この電線の許容電流の値は「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」の第146条で決められていて、例えば、直径 $1.6\,\mathrm{mm}$ の太さの600Vビニル絶縁電線の場合、この電線に流すことができる電流は $27\,\mathrm{A}$ までと決められています。

 

電線にその電線が耐えられないくらいの大きな電流が流れると電線が燃えてしまったりするので、電線に流してもよい電流の大きさ(限界電流)が決められているんです。

 

第二種電気工事士学科試験の電線の許容電流の問題を解くためには、このページに掲載している2つの表(表1、表2)をおぼえておけばほとんどの問題を解くことができますので、最低限、表1と表2に記載されている値だけは暗記しておきましょう。

 

表1 600Vビニル絶縁電線の許容電流(周囲温度30℃以下)
単線 直径[$\mathrm{mm}$] 許容電流[$\mathrm{A}$]
$1.6$ $27$
$2.0$ $35$
$2.6$ $48$
$3.2$ $62$
より線 断面積[$\mathrm{mm}^2$] 許容電流[$\mathrm{A}$]
$2$ $27$
$3.5$ $37$
$5.5$ $49$
$8$ $61$

 

表1は、単線より線に分かれていることに注意しましょう。表の上側が単線の場合で、下側がより線の場合です。「単線」は心線が1本の導体でできた電線で、「より線」は心線が複数本の素線でできた電線です。

 

単線とより線

 

ちなみに、第二種電気工事士技能試験で使用される600Vビニル絶縁電線(IV電線)は「単線」です。

 

単線の600Vビニル絶縁電線(IV1.6)

 

表1をみると分かるように、例えば直径が $2.0\,\mathrm{mm}$ の単線の場合、この電線に流すことができる電流(許容電流)は $35\,\mathrm{A}$ までとなり、$5.5\,\mathrm{mm}^2$ のより線の場合、この電線に流すことができる電流(許容電流)は $49\,\mathrm{A}$ までとなります。

 

つづいて、表2は、電流減少係数の値です。

 

表2 電線管などに収めて使用する場合の電流減少係数
同一管内の電線本数 電流減少係数
$3$ 本以下 $0.70$
$4$ 本 $0.63$
$5$ 本 〜 $6$本 $0.56$
$7$ 本 〜 $15$本 $0.49$

 

電線を金属管などに通す場合には、「表1の許容電流の値」に「表2の電流減少係数」をかけて小数点以下1位を7捨8入し、その値を許容電流とします。

 

例えば、金属管の中を直径 $2.0\,\mathrm{mm}$ の単線が $3$ 本通っているとすると、表1の許容電流の値は「$35$」、表2の電流減少係数の値は「$0.70$」なので、2つをかけると、

 

$35\,\mathrm{A}\times 0.70=24.5\,\mathrm{A}$ …①

 

と計算され、①の小数点以下1位を7捨8入して、許容電流は $24\,\mathrm{A}$ と求められます。

 

第二種電気工事士の学科試験の問題では、「表1だけをおぼえておけば解ける問題」が出題されるときもありますが、「表1と表2のどちらもおぼえていなければ解けない問題」が出題されるときもあります。表1と表2はセットでどちらもおぼえておくようにしましょう。

 

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