配電線の断線

配電線(配電方式)の種類のページで解説しましたが、配電線(配電方式)には次のような種類のものがあります。

 

・単相2線式
・単相3線式
・三相3線式

 

第二種電気工事士筆記試験では、

 

これらの配電線(配電方式)の電線が切れるとどうなるか?

 

という問題が度々出題されています。

 

よく出題されるのは単相3線式と三相3線式についての問題で、例えば単相3線式の場合は、

 

「単相3線式回路の中性線が切れた場合に、負荷にかかる電圧はどうなるか?」

 

というような問題が出題されています。

 

単相3線式配電線の中性線の断線

 

ちなみに、電線が切れることを 断線 といい、断線した事故を「断線事故」といいます。

 

このページでは、この「断線事故」が配電線でおこるとどうなるかについて、各配電方式ごとに説明していきます。

単相2線式配電線の断線

単相2線式配電線は、次のような回路になります。

 

単相2線式配電線の回路

 

ここからの説明を分かりやすくするため、負荷を「電球」に置き換えてみます。

 

電球で置き換えた単相2線式配電線の回路

 

この回路では、電源(電圧 $100\,\mathrm{V}$)からの非接地側電線(黒色)と接地側電線(白色)が電球につながっているので、電球が点灯しています。

 

ここで、非接地側電線(黒色)が断線するとどうなるでしょうか?

 

断線を考えるときは、断線した電線を取り除いた回路を書いて考えると分かりやすいです。非接地側電線(黒色)を取り除くと、次のような回路になります。

 

単相2線式配電線で非接地側電線(黒色)が断線した場合

 

この場合、非接地側電線(黒色)が断線したので、電球に電圧がかからず電球は消灯します。

 

次に、接地側電線(白色)が断線するとどうなるでしょうか?

 

接地側電線(白色)を取り除くと、次のような回路になります。

 

単相2線式配電線で接地側電線(白色)が断線した場合

 

この場合、接地側電線(白色)が断線したので、電球に電流が流れず電球は消灯します。

 

以上のように単線2線式配電線の場合、非接地側電線(黒色)または接地側電線(白色)が断線すると電球は消灯してしまいます。

単相3線式配電線の断線

単相3線式配電線は、次のような回路になります。

 

単相3線式配電線の回路

 

先ほどと同じように、負荷を電球に置き換えると次のようになります。

 

電球で置き換えた単相3線式配電線の回路

 

ここで注意してほしいのは、左側の電球は $100\,\mathrm{V}$ の電源に接続されるので $100\,\mathrm{V}$ 用の電球で、右側の電球は $200\,\mathrm{V}$ の電源に接続されるので $200\,\mathrm{V}$ 用の電球です。

 

ではこのとき、非接地側電線(黒色)が断線するとどうなるでしょうか?

 

単相3線式配電線で非接地側電線(黒色)が断線した場合

 

この場合、左上の電球と右側の電球にかかる電圧が小さくなるので、この2つの電球は消灯します。左下の電球には $100\,\mathrm{V}$ の電圧がかかっているので点灯したままになります。

 

次に、非接地側電線(赤色)が断線するとどうなるでしょうか?

 

単相3線式配電線で非接地側電線(赤色)が断線した場合

 

非接地側電線(黒色)が断線したときと同じように、左下の電球と右側の電球にかかる電圧が小さくなるので、この2つの電球は消灯します。左上の電球には $100\,\mathrm{V}$ の電圧がかかっているので点灯したままになります。

 

次は、中性線(白色)の断線を考えます。

 

中性線(白色)が断線するとどうなるでしょうか?

 

この場合は、$100\,\mathrm{V}$ 用の電球が同じもの(電気的な仕様が同じという意味)であれば、すべての電球が点灯します。

 

単相3線式配電線で中性線(白色)が断線した場合@

 

非接地側電線の黒色と赤色の間の電圧は $200\,\mathrm{V}$ なので、左上と左下の電球が同じものであれば $200\,\mathrm{V}$ が半分ずつそれぞれに分圧されて、電球にかかる電圧はどちらも $100\,\mathrm{V}$ になるので、左側の電球はどちらも点灯します。右側の電球は $200\,\mathrm{V}$ 用で、かかっている電圧も $200\,\mathrm{V}$ なのでこれも点灯します。

 

したがって、中性線(白色)が断線しても $100\,\mathrm{V}$ 用の電球が同じものであれば、すべての電球が点灯します。

 

では、

 

100V 用の電球が違うもの(電気的な仕様が異なるという意味)であればどうなるでしょうか?

 

この場合、$100\,\mathrm{V}$ 用の電球が壊れる場合があります!

 

例えば、$100\,\mathrm{V}$ 用の電球の仕様が異なると次のようになります。

 

単相3線式配電線で中性線(白色)が断線した場合A

 

実際の場合、$100\,\mathrm{V}$ 回路の上側と下側がちょうどよくバランスしていることはないので、中性線が断線するとコンセントにつながれている $100\,\mathrm{V}$ の機器には過電圧($100\,\mathrm{V}$ よりも大きな電圧)がかかり壊れます。

 

このように、中性線を切断すると機器を壊してしまう場合があるので、電気工事をするときは、

 

中性線を切断しないように気を付けましょう!

 

 


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三相3線式配電線(Y結線)の断線

三相3線式配電線(負荷Y結線(スター結線))は、次のような回路になります。

 

三相3線式配電線(負荷Y結線(スター結線))

 

負荷を電球に置き換えると次のようになります。

 

電球で置き換えた三相3線式配電線(負荷Y結線(スター結線))の回路

 

それでは、白色の電線が断線するとどうなるでしょうか?

 

赤色の電線または黒色の電線が断線しても同じ状態になるので、ここでは白色の電線が断線した場合だけ考えます。

 

三相3線式配電線(負荷Y結線(スター結線))で白色の電線が断線した場合

 

3つの電球を同じものとすると、$200\,\mathrm{V}$ の電圧が上側の電球と右側の電球に半分ずつ($100\,\mathrm{V}$ ずつ)に分圧され、それぞれの電球にかかる電圧は小さくなるので、上側の電球と右側の電球は消灯(または暗くなる)します。

三相3線式配電線(Δ結線)の断線

三相3線式配電線(負荷Δ結線(デルタ結線))は、次のような回路になります。

 

三相3線式配電線(負荷Δ結線(デルタ結線))

 

負荷を電球に置き換えると次のようになります。

 

電球で置き換えた三相3線式配電線(負荷Δ結線(デルタ結線))の回路

 

それでは、白色の電線が断線するとどうなるでしょうか?

 

赤色の電線または黒色の電線が断線しても同じ状態になるので、ここでも白色の電線が断線した場合だけ考えます。

 

三相3線式配電線(負荷Δ結線(デルタ結線))で白色の電線が断線した場合

 

3つの電球を同じものとすると、$200\,\mathrm{V}$ の電圧が左側の電球と下側の電球に $100\,\mathrm{V}$ ずつ分圧され、左側の電球と下側の電球にかかる電圧は小さくなるので、左側の電球と下側の電球は消灯します。

 

右側の電球には $200\,\mathrm{V}$ がかかっているので、点灯したままになります。

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